作品
メンタルドメスティックバイオレンス
「……横暴だと思うのだがね」
「何がだ」
そろそろ夕食時だからと居間に来たところで、
そんな言葉が耳に飛び込んできた。
ああ、またやってるのか。
「私は猛禽類だよ!
この夕食のメニューは私への嫌がらせとしか思えないよ!」
「そんなつもりはない」
「ノン! 自覚がないというのは全くもって性質が悪い。
こういうのを何て言うか知ってるかい?
メンタルドメスティックバイオレンスというんだよ!
精神的な暴力だよ!
私が野菜が嫌いだというのを知りながら!」
「それをいうなら、俺もお前にそのメンタルドメスティックバイオレンスというのを受けてることになるな。
人が少ない食材のなかで、丹精込めて作ったものをお前は何だと思っているんだ」
つっこみをいれてしまいたくなるのは山々だけど、余計に論争が長くなってしまうだけだというのを知っている。
だから、俺はこういうときは黙って収束がつくのを待つことにした。
どうせ、そのうち黒鷹か大きいおれが呼ぶだろうから、それを待っていよう。
読みかけの本くらいは読み終わるかな。
本当に大人って変なところで融通がきかないんだから。
2005/10/12 up
一日一黒玄でやっていたものから。
花帰葬+Pで10のお題配布所(閉鎖)が配布されていた花帰葬+Pで10のお題よりNo7。
花帰葬+Pで10のお題とありながら、ようやくNo7で+P的なネタになったという体たらくでしたorz
これと似たようなテーマできっちり長々とやった感じになったのは、猛禽類は緑の楽園の夢を視るか。
- 2013/09/13 (金) 23:52
- 番外編