作品
ただここに居て
[Kurotaka's Side]
「……そろそろ、離せっ……」
「嫌だ」
「お前……だって、明日動けない……だろ……っ。こんなん……じゃ…………!」
「……いいよ、別に」
「黒……た……っ」
「…………いいよ」
玄冬を抱いて、貫いて、達して、を繰り返す。
繋がった場所からは既に白濁が零れだして、互いの内股を濡らしている。
シーツも肌も、汗と精液でどろどろだ。
端から見ていたら、さぞ狂気の沙汰だろう。
「離したくなんかない」
あんな子どもになんて。
「私はただ君にここに居てほしいだけだよ」
「……黒……鷹…………っ」
渡さない。絶対に。
君は私のものなのだから。
[Kuroto's Side]
「……そろそろ、離せっ……」
「嫌だ」
後ろから俺を抱きかかえた黒鷹は腹や胸に手を這わせるが、何度も繰り返された行為にもう、それが快感なのか苦しいのかさえわからない。
確実なのは、このまま続けられては、明日どちらもまともに動けやしないだろうということ。
「お前……だって、明日動けない……だろ……っ。こんなん……じゃ…………!」
「……いいよ、別に」
「黒……た……っ」
「…………いいよ」
擦れた声が熱を孕む。
触れてる指が濡れているのか、触れられている肌が濡れているのか。
いや、肌だけじゃない。
シーツも水分を含んで冷たい感触が伝わる。
そして、強く漂う生々しい匂い。
もう普通の状態じゃない。
なのに、黒鷹は。
「離したくなんかない」
その言葉で俺をこの場に縛り付ける。
「私はただ君にここに居てほしいだけだよ」
「……黒……鷹…………っ」
何がそんなにお前を不安にさせているのか。
だけどそれは聞けなくて。
せめて言葉の代わりに『どこにも行かない』と黒鷹がわかってくれるまで、付き合うしかなかった。
――ここに居てほしいだけだよ
いるから。ずっと傍にいるから。
2005/05/14&2005/06/17 up
黒鷹視点は一日一黒玄でやったKfir(閉鎖)で配布されていた
「鬼畜エロで10題」、No10でした。
玄冬視点は黒玄メールマガジン(携帯版)第10回配信分から。
- 2008/01/01 (火) 00:02
- 黒玄