作品
死んでも愛してあげる
※屍姦ネタにつき、閲覧注意。
苦手な方は回れ右。
指先に触れる。
徐々に冷え始めている指先を。
片方の手で絡めた。
まだ硬直していない指を。
開くことのない瞼に口付け、頬に口付け、唇に口付け……それでも、ぴくりとも動かない玄冬の衣服を寛げる。
いくらか体温を残した肌をゆっくりと撫でて、下肢も露にさせる。
反応するはずもないのを承知で、性器を口に含んで、唾液に塗れさせ、繋げる場所に滴らせ、身体を引き寄せて、自分自身を玄冬の中に埋めた。
やはり、内部は熱を残してはいるけれども、かつて柔らかく、優しく蠢いていた部分は突き入れた衝撃で僅かに震えただけ。
甘い声も無い、吐息も無い。
汗ばむことも無い肌を掻き抱いて、中で達して。
……それでも、反応は返らない。
「……玄冬」
体温の上がった私とは裏腹に、一層冷えた玄冬の身体。
……いつからか、私はこうして確かめなければ玄冬の死を受け入れられなくなっていた。
どんなにこの身を愛しても、反応の返らないこの子にようやく逝ったことを認識する。
力の抜けて重い身体を抱え込む。
髪に顔を埋めると途端に寂しさが襲う。
また、私は当分の間この子に会えない。
「……おやすみ」
また逢える日を楽しみにしているよ、私の子。
2005/05/31 up
花々(閉鎖)で配布されていた
「S的破壊欲10題」、No10でした。
屍姦ネタですみません。痛々しくてすみません。
屍姦ネタは見る人選ぶネタなのは承知しております。
- 2008/01/01 (火) 00:03
- 黒玄