作品
快楽に溺れる
「……黒た……!」
ぎり、と背に縋るようにしていた手に力が篭り、痛みが走る。
快感が昂ると、背に爪を立てるのは玄冬の癖だ。
この痛みが心地よいと思う。
私で感じてくれている証拠でもあるのだから。
「……もう少し強くしようか?」
「やめ……っ。……壊れ……から……!」
「壊れてしまってもいいけどね」
「く……ん!」
感じるところを突いてやると、繋がった場所がびくりと震えて、背に爪がさらに食い込む。
その反応と熱い内部に、私の方も徐々に余裕をなくす。
いや、そもそも最初から余裕なんて持てるわけもない。
君と共にあるだけで、溺れるのだから。
この焦がれるような熱を伴う快楽に。
2005/01/02 up
一日一黒玄から。
恋愛に関するいくつかのお題が配布されている、「アダルトなお題」からNo14。
- 2013/09/19 (木) 18:26
- 黒玄