作品
涙を舐める
「…………っ……ん」
間近にある顔が突き上げる都度に悦楽に歪む。
一見苦しそうにも見えるその表情が、苦しさだけからくるものではないのをとうに知っている。
強い感覚に堪えようと、固く閉ざされた瞼に口付けを落とす。
潤んでいるだろう青の瞳が見たい。
私の一番好きな色。
至高の宝石に等しいその目を。
「……玄冬、目を開けなさい」
「……ん…………」
案の定、今にも零れそうな雫を湛えた目が、まるで誘うように私を見る。
時に目は口よりも物を語る。
もっと、と求められているように思えるのは気のせいではないだろう。
より強く湧き上がる衝動に逆らわずに、強く深く突き上げる。
「う……あっ!」
眦から落ちた涙を舌で掬い取ると、その舌にさえ感じるのか、玄冬の中がびくりと震える。
包んでいる熱の震えに引き摺られ、焦がれそうだ。
可愛い反応に満たされながら、突き上げを繰り返した。
啼いて。
泣いて。
もっと私に縋りたまえよ。
2005/04/27 up
元は一日一黒玄で書いていたもの。
創作者さんに50未満のお題で配布されている「甘々10のお題」からNo7。
- 2013/09/22 (日) 14:29
- 黒玄