作品
突っぱねた腕の弱さ
「頼……む……もう出来な…………っ……」
「……嘘を吐くのは感心できないね」
「ふ…………あ!」
濃密な精の匂いが鼻腔に入り込む。
もうどちらの匂いだかもわかりやしない。
幾度互いに達したか。
四回目までは覚えていた。
だけど、もう今は何回目の交わりだっただろう。
精液も尽き果てるという勢いで抱き合っているような気がする。
玄冬が腕を伸ばして、私の身体を退けようとする手も力など全然入っていない。
繰り返された行為に疲れたことも原因の一端だろう。
だけど、それだけではない。
拒んで私を傷つけることを恐れているのも、どこかであるだろう。
優しい子だから。
そして、私はそんな玄冬の性質を知りながら、拒みきれないのをいいことにまた抱く。
我ながら、狡猾なものだ。
弱々しく伸ばされた腕を押さえつけて、精液に塗れた場所をまた貫く。
泣きそうな表情、だけど確かに熱の篭った目。
「……動くよ?」
「…………っ」
腕を開放させてやると、それは背に回されしがみ付いた。
……強く、力を籠めて。
2005/09/? up
元は一日一黒玄で書いたもの。
China Love(閉鎖?)で配布されていた、
「微エロ妄想さんに25のお題」、No21より。
- 2013/09/29 (日) 02:59
- 黒玄