作品
2.「嫌なら泣いていなさい」
「……や、黒た……っ。せめて、もっとゆっく……り……!」
襟元を緩め、裾を絡げ。
着物を身につけたままで、愛撫らしい、愛撫もせずに、玄冬の中に指を忍ばせた私に泣きそうな声で哀願される。
「すまないが、待てない」
「ん……!」
私が登楼る<あがる>前に君は他の相手と共にいた。
それが何を指しているか。
触れた感覚でまだ情を交わしていなかったのはわかる。
だが。
私が来るまでどう過ごしていたかを思うと我慢なぞ出来るはずもない。
「嫌なら泣いていなさい」
だから、そう言った。
拒みはしないのを承知の上で。
- 2008/01/01 (火) 00:02
- エロセリフ10題part2
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