作品
7.「みじめに啼きなさい」
「お前……こそ、わかって、いるくせに……っ!」
「何を?」
「『仕事』だって。……他の誰に抱かれてたって、何時だって想ってるのは、お前だけ……な……のに!」
「……理屈と感情は別物だよ」
「ひぁっ!」
ああ、解っている。
遊女としての手練手管も私には使わない。
水揚げをしたのも私で、色々と教え込んだのも私。
幾度も抱いた。
他の客の誰より馴染んだ肌だという自信はある。
それでも、暗い衝動は収まらない。
「真実、私だけだというのなら」
「う……あ……」
「みじめに啼きなさい」
私だけにその声を。
体裁も何もかも捨てた、ありのままに感じる声を。
啼いて私に縋りなさい。
あられもない姿で。
- 2008/01/01 (火) 00:07
- エロセリフ10題part2
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