作品
24-7
「おいで」
「……よく飽きないな」
「君こそ誘いを断ったことも無い癖に」
玄冬を招いて、その身体を抱きしめて。
苦笑こそ零しているけど、背を抱いた腕に力を籠めたところで、抵抗一つしない君。
心地よい温もりは一旦知ってしまうと手離し難い。
「これでも性欲は強いほうではないんだけどね」
「信憑性の欠片もない言葉に聞こえるが」
「酷いなぁ」
「己の……言動を顧みて……から言えっ」
まぁ、確かに指先を服の上からとはいえ、玄冬の中心に這わせた状態で言ったところで説得力は欠けるかも知れないが。
固くなり始めた玄冬の反応に、自分の方でも中心に熱が集まっていくのが解る。
「でも本当なんだよ」
「ん……!」
服の隙間から手を入れて、今度は直接その場所に触れた。
幾度触れても飽きはしない。
滑らかで熱く触り心地のいいそれは、自分にもある器官だから、どう触れたら感じてくれるのかは解りやすい。
解りやすいけども、実際にこうして乱れ始めた呼吸が耳に届くと嬉しくなる。
全くね。
こんな風にセックスに夢中になることがあろうとは、かつての私はちっとも予測していなかった。
玄冬とこういう行為をする以前は、誰かと交わるなど長いことした覚えが無い。
どちらかというと面倒だと思っていたし、変に相手を気遣うなら一人で処理したほうが遥かに楽だった。
だが、今はどうだ。
熱を交わし、身も心も預け、何もかも曝け出す。
愛しい相手とのセックスは、格別に気持ちが良いものなのだと、思い知らされた。
「君だから、私は四六時中触れたくなるんだよ」
「……黒た……っ!」
甘い声も、熱い肌も。
知っているのは私だけ。
潤んだ目で求められれば、思うに決まっている。
いつまでだって、触れていたいと。
君が縋る腕の場所は、常に私の元であればいい。
ねぇ、玄冬。
2005/08/11 up
一日一黒玄から。
Kfir(閉鎖) が配布されていた「欲張りな恋・5題」、No5。
Kfirでの解説曰く、24-7はtwenty-four sevenのこと。
意味は四六時中とか、いつも、ずっととかそんな感じなのだそうで。
そこにノックアウトされたお題でしたw
※2013/11/04
2005/09/18発行の個人誌『Vocalise』にもタイトル変更して収録していたので、そっちと合わせて少し手直ししました。
てか、エロ度ギリギリだw
- 2013/09/17 (火) 06:58
- 黒玄