作品
事情と情事
[Kuroto's Side]
「ど……して、こんな……っあ!」
「訊くのかい? それを?」
「……ん……!」
中を穿つ熱に息が詰まりそうだ。
後ろからされているから顔は見えないけど、きっと目は笑っていない。
「君が私以外の舌で感じたりなんかするから、いけないんじゃないか」
「……っ……あれは……」
昼に皿を割って指を切ったとき、花白が切ったところを舐めた時に、一瞬反応したことを言ってるのだとしたら。
「誰の……っ、せいだ……と」
「うん?」
「お前……が……するからっ…………思いだ……! っあ!」
「すると、あれかね?
私が君を抱いたときのことを思い出して反応した、とそういうことかい?」
「んん……! や……!」
笑った気配がして、突き上げが大きくなる。
「それは嬉しいけどね」
「はっ……!」
「それでも、私以外に反応されるのは面白くはないから、教えこんであげよう」
その身体にね、と言う囁きを耳元で聞きながら、意識が落ちた。
――隅々まで、刻むよ。
――君は私のものだから。
――私と切り離せないようにね、愛しい子。
[Kurotaka's Side]
「ど……して、こんな……っあ!」
「訊くのかい? それを?」
検討なんてついているだろうに。
私は嫉妬深いんだよ。
「……ん……!」
腰を押さえて強く突き上げると、玄冬が枕に顔を伏せてくぐもった声を出す。
「君が私以外の舌で感じたりなんかするから、いけないんじゃないか」
昼に皿を割って君が指先を傷つけたとき。
すかさずその傷を舐めたちびっこも面白くはなかったが、さらに、面白くなかったのは君がほんの僅かな間といえど、一瞬目元を染めて反応したことだ。
「……っ……あれは……誰の……っ、せいだ……と」
「うん?」
「お前……が……するからっ…………思いだ……! っあ!」
強く抉ると悲鳴が上がった。
可愛いことを言ってくれるじゃないか。
「すると、あれかね?
私が君を抱いたときのことを思い出して反応した、とそういうことかい?」
「んん……! や……!」
突き上げる力を強くすると、玄冬の中が細かく震える。
……そろそろ限界かな。
「それは嬉しいけどね」
「はっ……!」
「それでも、私以外に反応されるのは面白くはないから、教えこんであげよう。……その身体にね」
「…………っあ!」
がくりと腰から力が抜ける。
意識を飛ばしたらしい。
囁きを落とした耳に口付けをして笑った。
――隅々まで、刻むよ。
――君は私のものだから。
――私と切り離せないようにね、愛しい子。
2005/01/25&2005/01/30 up
一日一黒玄でやった分は恋愛に関するいくつかのお題が配布されている、「普通にタイトルに使えそうなお題」からNo14(玄冬視点)。
2005/1/30~2005/4/5までのWeb拍手に使っていた分(黒鷹視点)です。
具体描写してないので、ギリギリ表ってことで。
- 2013/10/11 (金) 01:33
- 黒玄