作品
Second...extra
※Second...の終盤部分だけを玄冬視点で。
「っ……あ……?」
黒鷹の擦れた呟きと、少し離れた体温。
目を開けると戸惑う様子の黒鷹。
中に放たれた熱と、肌に散ってる精液。
いつの間にか、二人して達していたらしい。
「……勿体ない、な」
「…………あ?」
黒鷹が苦笑しながら、俺の肩に顔を埋める。
「達した瞬間を覚えてない」
「気持ち良かったんだから、いいだろう、そのくらい」
本気で残念そうに言ったのが、おかしくて。
宥めるように髪を撫でた。
ふわ……と黒鷹の匂いがする。
「そういう問題じゃないよ。……って、あ」
黒鷹が顔を上げて、俺を見据える。
「……気持ちよかった?」
「え……あ」
「痛かったり、辛かったりしたわけでなく?」
「…………」
「……快感だけを感じてた?」
「………………っ」
言われていることは図星なだけに無性に恥ずかしい。
実際、初めての時のような痛みはなかった。
あったのは溶けそうな快感だけ。
――玄冬。
最中の擦れながらも甘い響きを秘めた声を思い出して、黒鷹の顔がまともに見られやしない。
他はわからないが、黒鷹の言葉から察するに、普通はもっと慣れるまでに時間がかかるんじゃないんだろうか。
ふと。繋がった部分にまた脈打つ感じと圧迫感がくる。
思わず見返してしまった目に宿るのは……熱。
「え……ちょ……黒鷹……!?」
「このまま、続けるよ。もう一度、だ」
「本気か!?」
「中だって滑りやすくなっているし」
「っあ!」
唐突にきた甘い刺激についさっきの行為を思い出す。
まずい、俺まで反応してきた。
それに勿論、黒鷹が気付かないわけもない。
「ほら、君だって反応してる」
「これ……はっ…………お前が……擦る……から」
言い訳にしか聞こえはしないだろう。
自分だって説得力のないのくらいわかってる。
あまりに嬉しそうな顔をしてるのが、少し癪だ。
……くそ、もうそんな顔をされたら拒めるわけがない。
「感じてくれてるのが解ったら、なおさら後になんてひけないよ。
一つ教えておいてあげよう」
「……うん?」
「身体がもちそうにない、と思ったら。
行為の後にそんな誘うような顔はしないことだ」
「な…………!」
誘うような顔ってどんなのだ、と問う前に頬に口付けされて、動き始めた。
きっともう今夜はその答えを聞けない。
2006/03/17前後?
↑ファイル日付がそうなっていたので。
黒玄メールマガジン(PC版)特設ページに置いていました。
- 2013/10/09 (水) 00:05
- 黒玄