作品
First rapture-After
カーテンの隙間からこぼれる朝日が、玄冬の顔を優しく照らす。
ゆっくりと瞼が開いて、焦点の合わなかった眼が、やがて私を捕らえる。
「おはよう、玄冬」
「ん……おはよう、黒た……あ……」
意識が覚醒して、昨夜のことを思い出したのか、眼が困ったように逸らされた。
それが可愛くて、そっと髪を撫でた。
「起きられるかい?」
「……なんとか」
ベッドから降りて、玄冬に手を差し出すと、それに捕まり玄冬も立ち上がる。
「ん……!」
「おや」
その拍子に足の間から、昨夜の名残がぱたりと床に落ちる。
たちまち羞恥で赤くなった顔に、つい笑ったら睨まれた。
「……笑うな。誰のせいだ」
「ああ、いやすまない。なんか嬉しくてね」
そのまま背を抱くと玄冬も身体を預けてきた。
直接感じる肌のぬくもりに夢ではないのだと改めて思う。
「ご飯の前に、軽く湯を浴びようか。洗ってあげるよ」
「ん……」
甘えた声に笑って口づけを重ね、浴室に促した。
2005/03/10 up
First rapture&First rapture ver.2.0の翌朝の流れ。
- 2013/09/15 (日) 00:34
- 黒玄