作品
もっと欲しい
ああ、何処まで求められる? 何処まで続いてゆく?
「や…………黒……鷹っ」
求める声に夢中で玄冬の中を突き上げる。
いや、夢中になろうとしている。
交わり以外の他の全てを忘れられる快感を目指そうとして。
潤んだ目がねだる口付けに応じて、唇を重ね、舌を絡める。
何も考えられなくなるような、強い感覚に身を委ねる。
「…………ん! ふ……あ……っ!」
君の口が悦楽の歌を紡ぎだす。
このまま二人でどこまでも繋がっていられたら。
そんな誘惑が心をよぎる。
君以外の全てを投げ出したくなる。
この嬌声はまるで魔性の音。
抗えなくなりそうな感覚は恐ろしくもあり、心地よくもある。
欲しい。
もっと、もっと。
この熱が。
「ひぁ…………! くろ……た…………っ……ん!」
「玄…………冬」
その目は涙に濡れる。
その口は私の名を呼ぶ。
その耳は私の声を取り込んで、君がさらに興奮していくのがわかる。
熱を帯びた私自身よりもさらに熱い玄冬の中。
ねぇ、このまま世界の果てまで行こうか?
二人きりで誰も踏み込めない場所に。
何もないけど、君はいる。
それもいいかも知れないね。
「……ん……っ…………も……まず…………!」
終りの近いことを告げる言葉。
細胞の一片まで悦楽に溶け落ち、熱の開放を請う。
「…………っ……いい、よ……!」
ああ、終りなど来なかったら。
永遠に続けていられたら。
もっと欲しいのに。
出来るだろうか?
この箱庭の摂理から外れたら。
終焉の来ないままに、快楽の中で踊り続けられるだろうか?
焦がれるような熱を永遠に感じていられるだろうか?
身体の間で弾けた玄冬の熱と、玄冬の中に吐き出した私の熱。
ああ、求められるだろうか。
かの地では。
続けられるだろうか。
その身を焼き尽くすまで熱を求められるだろうか。
散った精液を舌で拭いながらも、収まらない興奮に酔う。
いくら抱いても飽きたり無いほどに、君が欲しい。
もっと、もっと……。
2005/04/22 up
「惑楽」(お題配布終了)で配布されていた
「萌えフレーズ100題」よりNo37。
エロ方向の話なので大声では言えませんが、某歌による啓発ネタ。
そのパレードはどこまでも(略)
……すみません。
てのひらの先に、ルート手前的な感じで。
- 2013/09/22 (日) 01:21
- 黒玄