作品
余裕のないキス
「ん…………っ」
行為の前の口づけはいつも深い。
舌を絡めて、唾液を交じりあわせ、歯列や粘膜を辿っていく様に、身体がたちまち反応を返す。
それを知って、黒鷹が嬉しそうな顔をするのが悔しい。
反応してるのは、自分だって一緒だろうに。
下に指を伸ばし、服の隙間から手を差し入れられて、直接反応しているモノに触れながらも、唇を離そうとはしない。
口と手で与えられる刺激に負けそうで、軽く肩を押すことで抗議をしても、目で笑うだけで止めようとしない。
そのまま、さらに与えられる刺激が強くなるのに、ついに耐えられなくなって、結局黒鷹の手に包まれたままで達した。
「……よかったかい?」
ようやく唇を離した黒鷹も俺と同じく息が弾んでいて。
その理由にふと思いあたり、黒鷹の服の隙間から、直接下腹部に手を伸ばした。
ごく僅かに肌が震えたが、触れることを拒みはしない。
……濡れた指先に顔を見上げれば、バツの悪そうな表情だ。
「言えば触ったのに。……いつだ?」
「……君とほぼ一緒かな」
俺自身に触れている手はそのままに、再び寄せられた唇を重ねる。
余裕がないのはお互い様ということか。
2005/01/06 up
元は一日一黒玄で書いていたもの。
恋愛に関するいくつかのお題が配布されている、「キスのお題」からNo2。
キスだけでイッた鷹が書いてて楽しかっ……げふげふw
- 2013/09/25 (水) 02:00
- 黒玄