作品
征服欲
「本当に、好きにして良いんだな?」
「いいよ。……あまり確認されると気が変わってしまいそうなんだけどね」
「なら、もう聞かない」
「…………んっ……」
目の前で黒鷹の興奮を示すモノが、雫を先端に浮かべ始めている。
軽く指先で先端にそれを塗りこめるように刺激してから、深く咥えこんだ。
黒鷹の息を呑む音が聞こえる。
――君の好きに触れてくれないか。
黒鷹がそう言い出すことは珍しい。
それなら口で達かせたい、と言うと、一瞬だけ表情が強張ったが、直ぐに足を開いた。
黒鷹は、あまり口でされることに慣れていない。
普段、俺が感じてるのを見るのが好きだといっては、口でする方ばかりになってしまうからだ。
だが、口でされる行為は俺しか知らないと言っていた。
そのことは俺の中で何かを満たし、興奮を揺り動かす。
俺が黒鷹にされる時よりも、きっと達する時間は早い。
それは黒鷹が恐らく認めたくない部分だろうが、俺にしてみれば酷く高揚することだった。
黒鷹のこの部分の感触も味も知っているのは俺一人。
弾む吐息に湧き上がるのは愛おしさ。
いつもはあれだけ余裕があるように見せているのに、うろたえる黒鷹は滅多に見られなくて可愛い。
「……玄……冬……っ……そろそろ……離し……なさ……!」
「好きに……していい……って言った……だろう」
「…………っ!」
見上げた顔は悦楽に歪んで、微かな後悔を滲ませた表情。
それが砕けて、生温かい粘液が喉に流れ込んだ瞬間、満たされたものの正体が分かった。
ああ、これは征服欲だ。
黒鷹の余裕を崩せるのは俺だけだと。
2005/09/? up
元は一日一黒玄で書いたもの。
China Love(閉鎖?)で配布されていた、
「微エロ妄想さんに25のお題」、No8より。
既に微エロで終わらなかったので、Underですw
- 2013/09/29 (日) 02:48
- 黒玄