作品
抱き地蔵
荒い呼吸がお互いに余裕の無いことを示している。
黒鷹が俺の中に入ってきてから、しばらくの間、二人揃って口もきけずにただ抱き合っているだけ。
深い繋がりと寄り添った身体がたまらなく心地よい。
ずっとこうしていたいくらいに。
でも、動いていたいという衝動も確かにある。
きっと、黒鷹も一緒なんだろう。
だけど、動いてしまったらそれは快感の終結にも繋がる。
達してしまいたいけど、まだ達してしまいたくない。
これは我侭だろうか? それとも……。
「……ろ……たか…………」
「……うん?」
名前を呼ぶ自分の声が予想以上に擦れていて驚いた。
でも、短い返事をした黒鷹の声も擦れている。
「動きたい……けど、動きたくない」
矛盾する言葉に笑うこともなく、黒鷹も俺の肩口に顔を埋めたままで、呟きを落とす。
「私もだよ。君をより感じたいのに、終わってしまうのが惜しくてたまらないんだ。
……何度でも抱き合えばいいのに、ね」
「ああ」
黒鷹の髪をそっと指に絡めて、直ぐ傍にある頭を抱くと、黒鷹の腕が俺の身体を引き寄せて、より身体を密着させてきた。
このままではいられないとわかってはいても、できるだけ長く繋がっていたかった。
2005/04/06 up
黒玄で48手からNo24。対面座位です。
密着いちゃいちゃラブラブが好きですw
- 2013/10/09 (水) 00:34
- 黒玄