作品
微熱
※時間軸は第07話と第08話の間になります。
「やっぱり少し熱いね、だるいかい?」
「ん……今はそうでもない」
妊娠すると体温が上がる。
この子は元々病気はしない性質だから、微熱程度の温度とはいえ、そんな状態になったことも過去にはない。
慣れない状態に戸惑う玄冬が少し心配な一方で、不謹慎なことも考えたりする。
「今、君の中に入ったらいつもより熱くて気持ちよさそうだね」
「……おい」
「大丈夫だよ。さすがに試したりしないから」
「当たり前だ」
理屈でわかってはいるものの、残念ではないといえば嘘になる。
我ながらどうしようもない、と思うけれども。
「……安定期」
「うん?」
「その、安定期に入ったら……無理しない程度なら、してもいいらしいから、その時にでも確認すればいい」
「これでも、生まれてくるまでは我慢するつもりでいたんだけどねぇ」
本心だ。
だが、その言葉に顔が緩んでいくのも自覚する。
「したくないわけじゃないから……でも無理は」
「させないよ。それは約束する。
ふふ、楽しみだなぁ。勿論、こうやっているだけでも気持ちいいけどね」
「……うん」
抱き寄せた玄冬の身体をそっと撫でながら、その時を想像して、笑った。
きっと、私はお腹の中の子どもに話しかけながら、
玄冬を抱くだろうから。
ゆっくりと。
2005/09/10 up
一日一黒玄でやったChina Love(閉鎖?)で配布されていた、
「微エロ妄想さんに25のお題」、No13より。
- 2008/01/01 (火) 00:22
- 第一部:番外編
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