作品
もう一つの釦を掛け違えた物語
※パラレルif設定ですが、救いのない展開なので、
苦手な方はご注意を。
報いだというのだろうか。
「ねぇ、パパ。
……桜璃は生まれてきちゃいけなかったの?」
目を背け続けていた私への。
「普通の子どもであるはずがないでしょう?」
薄く笑った片翼の笑顔はあの時と一緒だ。
「『黒の鳥』と『玄冬』。
……世界の終焉を呼ぶものたちの血を引く娘が、
唯の人間であるはずがない」
そう、あの時。
赤子だった玄冬の腸を裂いて、生みの母に晒したあの……。
「桜璃……っ!」
あの時と、同じ笑い。
あの子が紅に染まったあの時と……。
報いだというのだろうか。
桜璃を失わなければならないのは。
親に子を殺し続けてくれと願った玄冬。
幾度もあの子に逢える誘惑に勝てなかった私。
エゴを通し続けた、私と玄冬。
何も知らない桜璃は、私たちの娘に生まれただけで。
「助けて、パパ……! 桜璃死にたくないよぅ」
いや、違う。
玄冬に世界の理を開放する方法を告げられなかった私の罪だ!
2005/07/05 up
言葉の欠片より。
某K氏に啓発してもらった、変則黒玄の逆啓発w
本編ではこういう救われない流れにはなりませんてことで。
嘘予告的な感じでバッドエンドコース。
- 2009/01/01 (木) 00:00
- パラレル小ネタ
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