作品
そこにいるなら
※第三部進んでないので、先行ネタバレになりますが、
それでも構わないと言う方だけお読み下さい。すみません。
ねぇ、私はもう繰り返し君との約束を守ってきたよ。
何度も何度も生まれたばかりの君を引き取っては、慈しんで、生ある間、精一杯愛して育てたつもりだ。
何度も思ったけどね、こんなことを永遠に繰り返していいはずがないと。
それでも君が生まれる喜びに、いつもそんなことは消し飛んだ。
だけど。
……もし、そこにいるなら。
君だって思うはずだ。
たった一人の血を分けた娘。
あの子だけは死なせられないと。
続けてしまったのは私のエゴでもあり、君のエゴでもある。
本当はもっと早く変えなければならなかった。
桜璃に辛い思いをさせる前に。
いや、君を何度も死なせてしまう前に、だ。
でも。
桜璃が生まれて嬉しくてたまらなかったのも本当だ。
君だってそうだろう?
思うんだよ。
きっとあの子は私たちを変える為に、生まれてきてくれたのだと。
ねぇ、玄冬。
君との約束は、君が生まれる限り殺し続けること。
ならば、君がもうこの世界に生まれてこない状態になるのならば、あの約束を破ることにはならないね?
桜璃の傍にはいられなくなってしまうけど、どうか許してくれ。
君のところにいくよ。
桜璃に未来をあげるために。
2005/07/04 up
Forbidden fruit~under ver.でやった
Kfir(閉鎖) が配布されていた
「ただひたすらに君を想う10題」、No7より。
- 2008/03/01 (土) 01:01
- 第三部:番外編
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