作品
寝顔
※第二部進んでないので、先行ネタバレになりますが、
それでも構わないと言う方だけお読み下さい。すみません。
「我が家の姫君は眠ったかい?」
「ああ、ついさっき」
玄冬がそっとベッドから身体を起こして、横に寝ている桜璃の髪を撫でる。
無防備な寝顔が可愛い。
こうしてみると本当に玄冬とそっくりで、数年前に戻ったみたいだ。
「ふふ、子どもの寝顔は最高だね。
玄冬、酒瓶とグラスをこっちに持ってきてはいけないかい?」
「……お前、桜璃の寝顔を肴に飲むつもりか」
「だって可愛いじゃないか。見ていたいのが当然だろう?」
「……静かにな。起こすなよ」
「ああ、わかっているさ。君も飲むね?」
「つきあう。お前一人を酔わせておくとせっかく寝付いた桜璃を起こしそうだしな」
「言ってくれるじゃないか」
「実際。前例があるからだろう」
「う。それを言われると痛いなぁ」
しばらく前につい同じような状況で酔って、桜璃にキスを散々したあげくに起こしてしまったことをしっかりと覚えているらしい。
「俺ならいくらでもつきあうから、桜璃は起こすな」
「それはどうも。
では夜はまだまだ長いからね、つきあってもらおうか」
酒瓶とグラスを取りにいこうと部屋を出る前に、桜璃の額にキスを落とした。
きっと一晩中見ていても飽きないね、この寝顔は。
2005/08/23 up
一日一黒玄でやった創作者さんに50未満のお題で配布されている
「溺愛10のお題」、No5でした。
- 2008/02/01 (金) 01:14
- 第二部:番外編