2015/03/28のフリーワンライ(第42回)から『新婚ごっこ』。
フィギュアを見ていたので30分クオリティで仕上げた話。
時間がないので、一番書きやすい得意分野を選択した結果w
pixivではShort Stories 03に収録。
※二人が社会人で同棲している前提での話になっております。
初出:2015/03/28
文字数:1502文字
「お帰りなさい、先輩! ご飯にしますか、お風呂にしますか、それとも私ですか!」
「おう、ただい……まって、何だその格好!」
玄関に上がって、靴を脱ごうとしたところで、ふと鹿島を見上げて格好を見て思わず声を上げた。
こいつ、エプロン一枚しか身に着けてない。
綿素材と思われる白地のエプロンの向こうから、うっすら乳首やら、下の毛やらが透けて見える。
いわゆる、裸エプロンって言われてるヤツだ。
男としては、勿論嫌いなシチュエーションじゃない。
が、誰だ。こいつにこんなこと吹き込んだやつは。
「え? 新婚ごっこの定番じゃないんですか? ご飯かお風呂か私かっていうの」
「言葉はな。俺が聞きたいのはその裸エプロンについてだ」
新婚ごっこ、とやらについても問い質したいところだが、話がややこしくなりそうなので、それはとりあえず置いておく。
「千代ちゃん……いや、正確には野崎ですかね」
「はぁ!?」
「いや、今日野崎たちの家に遊びに行ったんですよ。で、あの二人新婚じゃないですか」
「ああ」
つい先月、今年大学を出たばかりの野崎と佐倉が結婚した。
予想通り、結婚と言えばジューンブライドはネタとして欠かせないと、式を挙げ、正に新婚生活の真っ只中だ。
そして、俺たちは俺たちで鹿島が大学を卒業したのを機に、三月末から一緒に住み始めたから、こうして退勤が俺よりも早いことが多い鹿島が、家で俺の帰りを待っていてくれたりなんかするわけだが。
「で、新婚らしいこと何かしてるの?って聞いてみたら、千代ちゃんは特に変わりなく普通だよーって言ってたんですが、野崎がエプロン姿の千代ちゃんが可愛いって言って。さらに、千代ちゃんが席を外した隙に、野崎が偶にエプロン一枚にもなってくれるってぼそっと教えてくれまして」
……佐倉。
おまえ、野崎にネタにされるだけじゃなくて、細かい事情までバラされてんぞ、大丈夫か?
まぁ、あいつのべた惚れっぷりじゃ、それを知ったところで大して引きもしねぇだろうけど。
何だかんだでよく出来た組み合わせだと思う。
「で、せっかくだから実践してみた、と」
「そういうことです。先輩、足好きだから、きっと喜ぶだろうって。どうですか?」
「まぁ……正解だけどよ」
野崎に乗せられたような形になるのは少々癪だが、せっかくの裸エプロンなんだし、こいつもその気はあるからこそ、こんな格好してるんだろう。
大人しくシチュエーションを楽しませて貰うことにする。
「新婚ごっこの定番の答えも分かってるよな? ……台所行け、奥さん。そこでするぞ」
「え、ええ!? ベッドじゃないんですか!? って、奥さんって!!」
「せっかくのエプロン姿なんだから、台所ってのが定石だろう? 自分から仕掛けて来ておいて、嫌だなんて言わねぇよな、奥さん?」
強調するように『奥さん』という言葉を二回繰り返す。
それで余裕の表情だった鹿島の顔がたちまち赤くなって俯いた。
……俺を一方的に煽ろうなんざ、百年早ぇんだよ。
「……先輩、その言葉は狡いです」
「その言葉ってどの言葉だ?」
「あー、どのって……うわ!」
返事を待たずに太股から手のひらを沿わせていって、足の間に指を滑らせる。
柔らかい其処が既に熱く潤んでいて、小さな水音を立てた。
「濡れてるぞ、奥さん」
トドメとばかりに三回目になる単語を、鹿島の耳元で低く囁く。
「い、言わなくても分かってます、から……」
一度、鹿島に触れていた手を抜いて、そのまま濡れた状態で鹿島の手首を掴んで、台所まで連れて行く。
大人しくついてくる鹿島が可愛いなんて思いながら、こいつには聞こえないように小さく呟いた。
「そのうち、ちゃんとごっこ、なんかじゃなくしてやるから」
何年後かには、な。
わかりやすく趣味に走った話w
勢いで書いてるはずだけど、よく30分で書いたな!w
タグ:月刊少女野崎くん, 堀鹿, R-15, pixivUP済, 社会人同棲設定, ハーフワンライ, 500~3000文字, 堀視点, 2015年