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交じり合う<月刊少女野崎くん・堀鹿・R-18>

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2015/04/12のフリーワンライ(第44回)から『交じり合う』。

付き合っていたけど、一度別れた堀鹿という設定で。
この言葉でエロは安直かと思いつつ、結局エロになったw

初出:2015/04/12 同人誌収録:2017/05/03(NATURAL)

文字数:1749文字 

 

あの日、あの時。私達の道は分かれたはずだった。
切欠はもう覚えてもいないくらいの些細なこと。
理由は覚えていない癖に、許せないっていう感情だけは妙に心に染みついてしまっていて、自分でもどうにもならなかった。
なのに、許せないっていう怒りの熱が引くと、哀しさと寂しさが残って、ふと気付けば先輩のことを思い出していた。
もしかしたら、先輩もそうだったのかも知れない。
でも、お互い素直になれないままに時は過ぎていって、気付けば先輩と別れてから五年。
地元でも、特にこれまで縁のあった土地でもない出張先で、先輩と偶然会った。

「……鹿島?」
「……先輩、ですよね? お久しぶりです」

人間、予想外のことに出くわすと間抜けな声になってしまうもんなんだなぁって思いながら、先輩の左手をちらりと見てみる。
指輪は特にない。
先輩の視線もほんの一瞬、私の左手に注がれていたのに気付いた。
私も指輪はしていない。

「何してんだ、こんなところで」

「仕事です。出張で明日帰りますけど。先輩はどうしてここに?」
「俺は有給使っての旅行。知ってるか? ここ、美味いラーメン屋があるんだぜ。知る人ぞ知るみたいな、あまり有名ではない店だけど」
「え、マジですか、行きたいです!」
「じゃ、行くか。今、時間平気か?」
「はい!」

まるで別れていたことなんてなかったかのように、普通の日常会話をして、一緒にご飯食べて。――そして。

***

「……ちょ……っと、せん、ぱ……っ! 久々なんですから、加減、してくださ……いって、ば……ああ!」
「体力落ちたんじゃねぇの、鹿島? この位で音を上げるのかよ……っ」
「あ、あっ、そこっ、ダメ……っ!!」

付き合っていた頃と同じように、特に違和感なく一緒にホテルに入って、セックスしていた。
いや、付き合っていた頃と違うのは、ゴムを着けずにそのまま直接挿入してきたことだ。
でも、私もどういう訳か止める気にはならなかった。
直に感じる先輩の熱が気持ち良い。
触り方も、突き上げ方も、懐かしいようでありながら、ずっと馴染んでいるような感覚もある。

「なぁ、鹿島」
「なん……です、か」
「おまえ、この五年の間、他に付き合ったやついたのか?」
「えっと……まぁ、一人だけ……んっ、いました。先輩こそ、どう……っ、だったんです、か」
「こっちは二人、だなっ……」
「ふあっ!」

肩に先輩の歯が当たって、痛みと快感が噛まれた部分からじわりと広がる。
先輩の口が離れて、ちらりと肩を見ると見事に噛み痕が残っていた。
ああ、もう。
ホント、服に隠れて見えないところだと容赦ないんだから、先輩。
さっき、噛まれた太股の方も痕がくっきり残っている。

「まぁ、でも」
「ん……っ」
「これで最後にしとけばいい話、だよ、なっ……!」
「そ……です、ね……んん!!」

私の言葉に先輩が嬉しそうに笑って――私は初めて、中で先輩が吐き出した熱をそのまま受け止めた。
先輩のモノが抜ける時に、精液と愛液が交じり合ったものが、名残惜しそうに糸を引いたのが見えて、思わず身体を離しかけた先輩の腕を掴む。
先輩は一瞬だけ驚いた顔をしたけど、直ぐに私の耳元で囁いた。

「中、俺の形に戻してやる。そのまま足開いとけ、遊」
「あ、ん、ああっ……せん、ぱ……!」

間髪入れずに先輩が再び挿れてきて、固さと熱さに悲鳴を上げる。
結局、そのまま繋げた場所がひりひりと痛み始めるまで、交わり合っていた。

***

「……そういえば、昔、私達が別れた理由って何でしたっけ」
「覚えてねぇよ、もう。多分、凄ぇ馬鹿馬鹿しかった理由じゃねぇの」

身体は悲鳴を上げてしまって、もう全然動けないけど、先輩の手は私の足の間に置かれたままだ。
特に動かしたりはしてこないけど、まだ時折、中から溢れてくる二人分の体液を確認してはニヤニヤしている

「何だったんでしょうね、五年間」
「さぁなぁ。お互いがお互い必要なのを確認出来たってことで、いいんじゃねぇの、もう。で、どうする?」
「はい?」
「いつ、籍入れるか。おまえ、来月誕生日だったろ。その時にでもするか?」
「……そう、しましょうか」

そうして、再び二人の道が繋がり交じり合う。
そこに違和感を感じなかったあたり、結局はこうなる流れだったのかも知れない。
人の縁は不思議なものだなぁ、なんて思いながら、眠気に負けて目を閉じた。

 

ネタメモで書いてた一度別れた堀鹿が再会後に即くっつく、な話。
久々のセックスで、鹿島くんが痛がったり出血してしまうのを書きたかったやつ。(身も蓋もない)
つばぷちがめちゃくちゃ余裕なさ過ぎて、Web再録でのコピー本にして、それに収録しました。

 

タグ:月刊少女野崎くん堀鹿R-18pictMalFemUP済ワンライ500~3000文字鹿島視点2015年同人誌収録済