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テーマ【ごんさんのイラストを元にしたSS】<月刊少女野崎くん・堀鹿>

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お絵かき会でのテーマにより、ごんさんのイラストを元に書いた話になります。
元イラストは以下のツイートから。執筆時間およそ30分。
大人の補助輪つき自転車の話は多分こんな機会がないと書くことがなかった気がします……w

初出:2016/09/11

文字数:750文字

 

堀の弱点を真面目に考える。(ごんさん作から)

 

「おーい、鹿島ー」
「え? あ、堀先輩!」

学校の帰り道。
今日はお姫様たちが一緒じゃないから、一人でのんびりと歩いて帰宅していたところ、後ろから聞き慣れた声が掛かった。
振り返ったら、自転車に乗っていた堀先輩が私のすぐ側まで来る。

「何だ、珍しいな。今日は一人かよ」
「そうなんです。先輩こそ珍しいじゃないですか。いつも自転車通学でしたっけ?」
「いや、今日はたまたまだな。何となくそんな気分だっただけだ。ああ、せっかくだから後ろ乗れよ。家まで送って行ってやる」
「ひゅー! マジですか! ありがとうござ……」

言いかけたところで、ふと何かが引っかかった。
堀先輩の自転車に違和感がある。
よくよく堀先輩が乗っている自転車を見てみると、後部車輪に補助輪がついていた。
……あんまり大人の自転車についているのを見た覚えはない。
幼稚園くらいの子が乗ってる自転車とかなら分かるけど……まさか先輩、補助輪なしだと自転車に乗れないとか?
いやいや、先輩、運動神経だって悪くなさそうなのに、まさかそんな。
それとも、ツッコミ待ちだったりするのかなぁ。
でも、そのために学校までこの自転車で来るのも考えにくいし、こうして私と帰り道で会ったのも偶然だろうし。

「どうしたよ、鹿島」

頭の中で補助輪がついている理由をアレコレ考えていたら、先輩が訝しげに尋ねてくる。

「え、あ、いや、何でもないです。その、後ろに乗っても?」
「おう。足引っ掛けねぇよう気をつけろよ」

補助輪の存在を認識してないわけでもなさそうだ。
……せっかく送ってくれるっていうし、下手に触れない方が良さそうかな。
私が自転車の後ろに乗ると、先輩がすぐに漕ぎ出す。
時折カシャカシャ鳴る補助輪の音を聞きながら、なるべく知り合いに会わないといいな、なんてこっそり思いながら、先輩の腰に腕を回した。

 

 

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