お絵かき会でのテーマにより、鹿島くん誕生日をネタに書いた話になります。
執筆時間およそ30分。
※既に付き合っている前提の堀鹿。
初出:2016/10/29 同人誌収録:2017/05/03(NATURAL。掲載分に多少の修正等あり)
文字数:691文字
せっかくの私の誕生日だし、どうせなら先輩がちょっと酔った状態のあの可愛いところを見たいなー、なんて思ったから、自作のバースデーケーキに先輩には内緒で少しアルコールを入れたのが事の始まり。
ただ、いつもよりもアルコール度数が高いものを使ったのがまずかったのか、先輩は上機嫌になってはしゃいだ後、そのまま寝落ちてしまった。
しかも、コトに及ぼうと服を中途半端に脱いで、私に覆い被さった段階でだ。
温かい重みは嫌じゃないし、下手に服を脱ぎかけているばかりに少し寒いのも覆い被さってこられていることでそれもあまり気にならない。
むしろ、こんな先輩も可愛いなと思うくらいだけど、せっかくの誕生日にお預け食らってしまうってのもちょっと複雑だ。
いや、ケーキにアルコールを入れちゃって、こういう事態を引き起こしたのは私なんだけど。
「せんぱーい……起きて下さいってばー」
「ん……」
軽く頭を叩いての耳元での呼び掛けにも生返事だ。
これ、絶対後で覚えてない。
そもそも、先輩にちゃんと意識があったら、私が先輩の頭を叩く時点で機嫌を悪くしてるだろう。
ただ、私の誕生日当日に寝落ちるって、先輩が目を覚ましたら凹みそうな気がする。
いくら、私がケーキにアルコールを含ませたのが原因だとしてもだ。
「先輩が起きたら、何て言おうかな」
付き合っている限りは何度でも一緒に誕生日を過ごせると思えば、一度くらいこんな誕生日があってもいいって私は思うんだけど。
それをそのまま言えばいいかな。
「……おやすみなさい、先輩」
重くはあっても、触れている温かさで少し私も眠くなってきたから、すぐそばにある先輩の頭を軽く撫でて、私も眠ることに決めた。