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テーマ【鹿島くんを堀先輩がアイドルプロデュース】<月刊少女野崎くん・堀鹿>

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お絵かき会でのテーマにより、鹿島くんを堀先輩がアイドルプロデュースするというのをネタに書いた話になります。

アイドルプロデュースパロっていうか、まず無事にプロデュース出来るかどうかの話にw
書いている最中、脳内をプリハンが流れてました。

執筆時間およそ30分。

初出:2016/10/29 同人誌収録:2017/05/03(NATURAL。掲載分に多少の修正等あり)

文字数:978文字

 

「鹿島遊です! アイドルの卵やってます、よろしくお願いします!」
「……アイドルっていうより、俳優業とかの方が合うんじゃねぇの。苦手なもの歌って書いてんぞ、事務所から貰ったおまえのプロフィール」
「そうなんですよねぇ。私も社長に言ったんですけど、アイドルは年を取ってからだとデビューが難しくなるけど、俳優なら年を取ってからでもいけるから、まずはどうにかアイドルとして話題を作って芸能界に居場所を作れって」

手始めにうちの事務所のアイドルをプロデュースしろと上に言われ、紹介されたのはやたらイケメン面したやつだった。
顔はアイドルとして申し分ない。
むしろ、今浮かんでくる大物アイドルの誰よりもイケメンだし、こいつの笑顔は人を惹きつける。
ごく一部の人間しか持たない『華』がこいつにはあった。
スタイルも長身だし、多少華奢かもしれねぇが、手足の長さのバランスもいい。
声量も申し分ないし、滑舌もはっきりしている。
ただ、舞台に佇んで話しているだけでも人々の視線と歓声を集めるだろうことは想像にかたくない。
なのに、事務所に所属して二年。なぜまだアイドルの卵なんて立場で燻ってるのか。
問題は歌。その一点のみだろう。
歌の特訓をしてどうにか歌わせられるレベルにするか、それともキッパリと歌は常に口パクでこなして、声質がよく似たやつに歌わせてどうにかするか。
まぁ、まずは一度その苦手な歌とやらを聞いてみないことには判断も出来ねぇな。
部屋の中央にあるピアノの椅子に腰掛け、軽く弾いて音を鳴らす。
調律はちゃんとやっているらしく、音はほぼ狂ってねえ。
これならいいだろう。

「じゃ、まずはどれだけ歌が苦手なのか確認させて貰うぞ。今から曲弾くからちょっと歌っーー」
「嫌です」

俺が言い終わらないうちに鹿島が拒絶の言葉を返した。
ジリジリと後退りまでしている。

「何だよ」
「聞かせるのは嫌です、勘弁して下さい」
「話になんねぇな。どうあっても歌ってもらーーって、おい鹿島!!」
「すみません、失礼します!!」
「あっ、待て鹿島!! 逃さねぇぞ!!」

脱兎の勢いでレッスン室を出て行ったやつを全速力で追いかける。
あいつ、足速いな。
バラエティ番組でも絶対に話題を掻っ攫っていける。
こうなったら、実力行使だ。
何がなんでも現状を確認して、アイドルにしてやろうじゃねぇか。
内心でそう決意しながら、俺は鹿島を追いかけて行った。

 

 

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