※堀鹿が付き合っている前提で、堀みこはセフレ関係っぽい感じになるので注意。
堀先輩が割りとゲスいです。
初出:2014/12/02
文字数:1032文字
「ん……あ、ああ!」
「やっぱ、端正な顔立ちっていうのは、どんな時でもいい顔すんだよなぁ」
「うあ!」
膝裏を抱えられて、深い部分を抉られると、どうしても声が上がってしまう。
その声が先輩を余計に喜ばせることになるのが分かっていても抑えきれない。
癪だと思いながらも声は上がるし、手はつい先輩の肩を掴んで縋るような形になってしまう。
不毛な関係だって分かっていても、この関係を断ち切れないのは、利害がある意味一致しているからだ。
――俺はあいつにとっては、良い先輩であり、良いパートナーでいたいんだよ。
――やたらに欲望ぶつけて、幻滅なんかされたくねぇからな。
最初にそれを聞いたときに、俺はいいのかよ、と言いかけてやめた。
そもそも、構わないからこんなことしてるんだろうっていうのは分かってる。
結局のところ、堀先輩が見ているのは鹿島だけだってことも。
鹿島に対してはもの凄く優しく接していることは知っている。
何しろ、その当の本人から日々鬱陶しいくらいに惚気を聞かされているのは俺なのだから。
こんな風に無理矢理に近い抱き方なんて、まずしてないんだろう。
俺にとっても鹿島は大事な親友だし、あいつが幸せならそれでいいと思ってる。
が、一方でホントこれって凄ぇ理不尽だよなとも思う。
相手に対して遠慮しないっていうのが、良い方向な場合もあるんだろうが、俺に対しての堀先輩の遠慮の無さはハッキリ言って良い方向ではないだろう。
俺との行為でワンクッション置いて、鹿島に接している。
そうすることで、あいつに無茶苦茶しないで済むからと。
どんだけ、性欲持て余してるんだよ、この人。
絶倫にも程あんだろ。
とはいえ、俺とヤらなければ、ヤらないで鹿島がしんどい思いすんだろうし。
…………あと、俺としても行為自体は嫌いなわけじゃない。
何だかんだでこの人はセックスが上手い。
オナニーでは得られないような快感を得られるのが、関係を拒めない原因の一つだ。
「くっ……ん……うあ!」
「……っ!」
熱を吐き出して、吐き出されて。
束の間の気持ち良さに浸りながら、微かな胸の痛みには気付かないふりをした。
***
「じゃ、俺は帰りますんで」
「おう、悪いな、わざわざ来て貰って」
悪いな、なんて言いながら、堀先輩の頭の中は多分もう鹿島のことで一杯だ。
大して感情の入ってない言葉ももう慣れっこだ。
期待なんかしていない。
今更、だ。
先輩の家を出て、帰路につく。
いつか、この関係が変化する時が来るだろうかなんて、心の何処かで思いながら。
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