> Novel > Novel<月刊少女野崎くん・堀みこ> > 曖昧な関係<月刊少女野崎くん・堀みこ・R-18> > Gray Zone<月刊少女野崎くん・堀みこ・R-18>

Gray Zone<月刊少女野崎くん・堀みこ・R-18>

いいね送信フォーム (0)

野崎くんで初めてpixivにUPしたBL話。

学校のトイレを利用してのいちゃいちゃ。

付き合ってるとも、付き合ってないとも言いがたい曖昧な関係。

初出:2014/12/04

文字数:5533文字 裏話知りたい場合はこちら

 

[堀Side]

 

俺たちが通う浪漫学園は私立校だけあって、そこそこ敷地面積が広い。

設備なんかも整っている方だろうと思うし、教室数もそれなりにある。

それだけの広さだからこそ、時間帯によっては、あまり人が入ってこないような場所も、ままあったりなんかする。

例えば、今俺たちがいる特別教室の並びの近くにあるトイレなんかは、放課後になると人がほとんど来ない。

この辺りの特別教室は、部活動にも使われていないし、準備室に教師が訪れることも稀だ。

……だから、こんな風に密会に使うには、うってつけの場所だった。

 

***

 

「ん……っ、せん……」

 

廊下で足音が響き始めたタイミングで、御子柴が声を上げかけた。

今はやべぇと、反射的に慌てて手で口を塞ぐ。

響く足音が近くなったのを確認しつつ、御子柴の耳元で低く囁いて忠告する。

いくら、今俺たちが居る場所がトイレの一番奥の個室だからって、声を下手に上げたら人に気付かれるのは間違いない。

 

「声、上げんな。……今、廊下人歩いてる」

「……よく、聞こえ、ます、ね」

「耳は割と良いからな。あと、場所が場所だから気をつけねぇとヤバいだろ」

 

口を塞いだ手をほんの少しだけ緩め、囁き声のままで言う。

何しろ、ここは学校の敷地内だ。

いつものように、人がいない自宅でセックスするのと訳が違う。

万が一、人に見つかったら二人共停学どころでは済まないだろう。

そんなスリルも含めて楽しんでいるとはいえ、本当に見つかったらたまったもんじゃねぇ。

 

「相変わ……らず、余裕……っすね」

 

俺と同じく声を潜めた御子柴が、どこか悔しそうに顔を歪めた。

まるで拗ねているような口振りだ。

鹿島にしてもそうだが、イケメン顔ってやつはどんな表情でも様になる。

こんな顔も悪くねぇ。

御子柴の顎を捉えて、唇を重ねた。

こいつの唇の感触、結構柔らかくて気持ち良いんだよなぁ。

厚くもなく、薄くもない、形のいい唇を吸うのは結構楽しい。

舌を入れると、御子柴側から積極的に舌を絡めてきた。

唇の隙間から零れる吐息が、耳に気分良く響く。

ざらついた舌が触れ合う感触も悪くない。

こいつとセックスするようになった当初は、舌突っ込むだけでもあたふたして、動揺していたことが懐かしい。

何だかんだで、随分と馴染んで来たな。

 

口付けながらも廊下の気配を探る。

このトイレに入る様子もなければ、足が止まる様子もない。

そのまま、遠ざかり聞こえなくなった足音に内心ほっとしながら、再び突き上げを開始した。

御子柴をトイレの壁に寄りかからせながら、立って挿れている状態だが、御子柴が俺の身長に合わせて少し腰をかがめているからか、姿勢はどうにも不安定だ。

片足は上げて、閉じた便器の蓋に乗せてはいるが、体勢がキツいせいか、御子柴の身体ががくりと揺れて、唇が離れた。

舌は噛まずに済んだものの、繋がっている場所にも衝撃が来る。

 

「うあ!」

「……っと、口離すなよ。声響かねぇように口で塞いでたのに」

「無理っ……す、そんな、の」

 

涙目で訴えられては、溜め息しか出ない。

 

「仕方ねぇな」

 

自分がしていたネクタイを解いて、御子柴に差し出す。

俺の意図を図りかねているのか、怪訝な顔をした。

 

「これ、噛んで声抑えてろ」

「絶対汚しますよ」

「後で洗って返してくれれば、別に構わねぇよ。大体、ネクタイ必須じゃねぇしな、この学校」

 

式典等では必要だが、普段は割と自由に着崩していい事になっている学校だ。

実際、目の前の相手なんかは、ほとんどネクタイなんかしていない。

多少、迷ってはいたようだが、御子柴は大人しく俺の手からネクタイを持っていった。

 

「……お借りします」

「ああ」

 

御子柴が俺のネクタイを適度に畳んで、口に銜えたところを見計らって、さっきよりも強く突き上げを始めた。

御子柴の赤い目が動揺に揺れて、中の締め付けがキツくなった。

 

「んっ……んんーっ!!」

「はっ……」

 

キツくなった締め付けに、俺の方も煽られる。

御子柴の口に銜えられたネクタイが唾液で濡れて、一部分の色が変わっているのもエロい。

そんなこっちの興奮を少し誤魔化す意味も含めて、御子柴のモノを握った。

握った途端に軽く身体を震わせるところなんか、可愛くてつい笑ってしまいそうになる。

自分にも馴染みのあるモノだからなのか、芯のある滑らかな皮膚の感触は嫌いじゃない。

御子柴のは特別大きいわけでも、太いわけでもなく、どっちかっていうと細めなんじゃねぇのかって位だが、形は綺麗でイケメンってやつはこんなところのパーツまで整ってるのかと、初めて見たときは、正直ちょっと感心した。

先っぽが大分先走りで濡れている。

そろそろ出しそうっぽいな、これ。

下手に制服汚したりしないように、御子柴の鈴口を軽く指で擦ってやった後、先っぽを握った。

刹那、御子柴の喉が仰け反って、目が閉じられた。

目の端から一筋の涙が零れたのが見えて、気分が高揚する。

 

「ん……んふ、ん……!」

「離したら、汚れん、だろ……っ」

 

小さく首を振って訴えてきたのは、多分、手を離せってことなんだろうけど、構わずに手はそのままにし、動く速度を上げる。

仮性だからなのか、こいつ先っぽ触られるの凄ぇ弱いんだよな。

こういう反応が見たいから、汚す可能性を減らすためのゴムは着けない、なんてのは御子柴には内緒だ。

直接、手の中でイク瞬間が分かるのは悪くない。

すっかり覚えた、御子柴の中の弱い部分を狙って擦り上げる。

御子柴の中が震えたな、と思った瞬間。

 

「ん、んんん!!!」

「っ……」

 

一番キツい締め付けが来て、御子柴のモノを握っている手が生ぬるい精液で濡れたのが分かった。

俺も迫り上がった衝動に任せて、御子柴の中に熱を吐き出す。

御子柴の肩に寄りかかるようにして、呼吸を整えると、御子柴も俺の背にまだ震えてる腕を回してきた。

微かに漂う御子柴のコロンの香りが、汗や精液、そしてトイレのにおいと混じって、妙に生々しく感じた。

 

***

 

「すみません、ちゃんとクリーニングして返しますんで」

「洗濯機でいいって、そんなの。大体、そのネクタイ使うのも、残り一年ないしな」

 

一通り、セックスの後始末を終え、身支度を調えたあと、御子柴は大分バツが悪そうな顔をして、俺のネクタイを手にしていた。

予想はしていたが、ネクタイは唾液で色が変わっていたり、シワだらけになっていたりして、とてもじゃないがこのままで使える状態じゃない。

流石に、これをそのまま返されるのは俺としても困惑するが、わざわざクリーニングを使わせる程のものでもない。

普段、ネクタイを学校で外すことがないから、多少の違和感はあるが、まぁ何とでもなるだろう。

仮に身内に訊かれたところで、後輩がネクタイを汚したから、洗って後日返してくれるとだけ言えば済む話だし。

 

「そういや、先輩三年でしたもんね。……その」

「ん?」

「……いや、何でもないっす」

 

御子柴が何かを言いかけてやめた。

……そういや、あと数ヶ月もすれば卒業なんだよな、俺。

ふと、卒業した後、こいつとどうなるかというのが頭の中を過ぎったが、その時に考えればいいか、と今はそこで考えるのをやめておく。

少し辛そうに腰に手を当てた御子柴の腰を擦ってやると、赤くなった御子柴が可愛かった。

 

[御子柴Side]

 

俺より一年長く学園に在籍しているだけあって、先輩は学園内で人の来ない場所をしっかり把握している。

 

――学校でってのもたまには悪くねぇだろ? 今しか出来ないしな。

 

先輩がそう言って、セックスする場所として誘ってきたのは、特別教室の並び近辺にあるトイレだ。

ここは、部活動でも使う教室が少なく、放課後になるとほとんど人が近寄ることがなくなるんだ、と聞いたときには、最初からそのつもりで探したりしたのかよ、この人、なんて思ったもんだが、普段と違う場所でするってのいうは確かに悪くなかった。

自分の中にこういうスリルを楽しむ面があったことにも、少し驚く。

 

***

 

「ん……っ、せん……」

 

先輩の突き上げが強くて、思わず声を上げかけてしまった瞬間、堀先輩が慌てたように俺の口を手で塞いできた。

 

「声、上げんな。……今、廊下人歩いてる」

「……よく、聞こえ、ます、ね」

 

耳元で低く囁かれて、手が軽く緩められる。

ここ、トイレの一番奥の個室だってのに、良く廊下の足音まで聞こえるもんだ。

 

「耳は割と良いからな。あと、場所が場所だから気をつけねぇとヤバいだろ」

「相変わ……らず、余裕……っすね」

 

こっちは、先輩からの刺激で一杯一杯になってるってのに。

今だって、堀先輩はどこか涼しげな表情だ。

呼吸だって、大して乱しちゃいない。

顔を近づけてきた先輩の意図を悟って、目を閉じると、顎に手を添えられながらキスされた。

すっかり覚えてしまった唇の感触で、また自分の中心が熱くなったのが分かる。

何か、この人体温高いんだよな。

いつも、唇やら指やら、妙に熱く感じることが多い。

入り込んで来た舌に、舌を絡めると微かに笑う気配がした。

やっぱり、こっちから動くと嬉しいもんなのかな。

しばらく、先輩の舌の感触を楽しんでいたら、不意に突き上げられて、つい口を離してしまった。

身体を繋いでいる場所にも強い刺激が来て、思わず声が上がる。

 

「うあ!」

「口離すなよ。声響かねぇように口で塞いでたのに」

「無理っ……す、そんな、の」

 

壁には寄りかかっているけど、先輩は俺より背が低いから、挿れる為にちょっと腰をかがめている。

片足は閉ざされている便器の蓋の上に乗せて、どうにかバランスを取っているけど、体勢としてはどうしても不安定だ。

こんな風に強く突かれたりなんかすると足が震えて、身体支えるのがキツくなる。

 

「仕方ねぇな」

 

先輩がネクタイを解いて、俺に差し出してきた。

これで、どうしろってんだ?

どこか身体縛っとけって意味か?

 

「これ、噛んで声抑えてろ」

「絶対汚しますよ」

 

ようやく、先輩の考えてることが伝わったけど、流石に人のネクタイを唾液まみれにするのは気が咎める。

 

「後で洗って返してくれれば、別に構わねぇよ。大体、ネクタイ必須じゃねぇしな、この学校」

「……お借りします」

「ああ」

 

言われてみれば、その通りだ。

俺だって、普段はネクタイなんかしていない。

ほんの少し迷いはしたが、大人しく先輩からネクタイを受け取った。

ネクタイを適当に折りたたんで、口に銜え込むとネクタイから微かに先輩の匂いがした。

今日は服着てヤッてるし、場所がトイレの所為なのか、いつもの先輩の匂いはあまり感じていなかったけど、こんな形で気付かされることになろうとは思わなかった。

それについ動揺した隙に、先輩が強く突いてきた。

背筋を快感が突き抜けていく。

こんな状態でいきなり強くされるとか勘弁してほしい。

 

「んっ……んんーっ!!」

「はっ……」

 

先輩の呼吸も、さっきより少し荒くなった。

興奮しているのは俺だけじゃないことに安心しつつも、先輩に俺のモノを握られてぎょっとする。

先輩の指が鈴口を狙って刺激してくるのが、やべぇ。

俺が先っぽ弱いの知ってる癖に、先輩の手が包んできたのはその弱い先っぽだ。

苦しいのと気持ち良いのがぐちゃぐちゃになって、目を開けていられない。

 

「ん……んふ、ん……!」

「離したら、汚れん、だろ……っ」

 

だから、何度もお互いゴム使ってヤれば、汚れずに済むって言ってるじゃないっすか!と伝えたいが、ネクタイを銜え込んでいる口では、そこまで多分意思の疎通は出来ない。

それよりも、なんで今ので俺の言いたいこと分かったんだよ、この人。

手、離してって言ったけど、それがまともに聞こえたとは思えねぇのに。

通じ合ってるのか、なんて思ったらもう我慢出来なかった。

出したいって欲求が一気に押し寄せる。

 

「ん、んんん!!!」

「っ……」

 

中と握られている先っぽで先輩の存在を感じながら、あっけなくイッた。

先輩の手が俺の出したもので濡れているのが、妙に卑猥だと思う。

俺の中に先輩が吐き出したのもだ。

先輩が肩に寄りかかってきたから、俺も先輩の背に腕を回す。

先輩のまだ乱れた呼吸と体温が腕から伝わってくるのが、心地良かった。

 

***

 

「すみません、ちゃんとクリーニングして返しますんで」

「洗濯機でいいって、そんなの。大体、そのネクタイ使うのも、残り一年ないしな」

 

軽い後始末をして、服を着た後、口に銜えていた先輩のネクタイを見たら、自分でも軽く引くぐらいに唾液でぐちゃぐちゃにしていた。

折りたたんでいたから、シワも凄ぇついてる。

ネクタイってクリーニングする方が無難だと思ったけど、先輩がそう言ってくれるなら甘えることにしとく。

洗濯機の方が早くネクタイを返せるだろうし。

……けど、そうなんだよな。

残り一年ないっていうところに、この人と学校でこうして過ごす時間が少なくなっているのを改めて思い知らされる。

 

「そういや、先輩三年でしたもんね。……その」

「ん?」

「……いや、何でもないっす」

 

先輩が学校から卒業していなくなった後、どうするんですかと言いかけてやめた。

堀先輩はそこそこ頭良いらしいし、多分俺と同じ大学になったりとかはしない。

下手したら、地元周辺から離れた大学とか行くかも知れない。

そこら辺がどうなるのかは気になるけど、今のタイミングであえて聞かなくてもいいことだし……何となく聞くのも怖い。

何度もこうやってセックスしてるけど、先輩の真意は正直分からない。

ずきり、とさっきの行為で無茶な体勢をしていた腰と心に痛みが走る。

つい、腰の方を手で押さえると先輩がそっと擦ってくれた。

聞こえるか聞こえないかくらいの声で、悪ぃと呟いたのが聞こえて、思わず顔が熱くなったのを自覚する。

――先々、どうなるかはまだ分からないけど、もう少しこの時間が続いていればいいと思いながら、先輩のネクタイを握りしめた。

 

 

タグ:月刊少女野崎くん堀みこpixivUP済R-18pictBLandUP済horneUP済5000~10000文字堀視点御子柴視点着衣プレイナマ挿入曖昧な関係