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Play to overlap<月刊少女野崎くん・堀みこ・R-18>

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エロゲ重ね合わせプレイ。

フォロワーさんと疑似兄弟プレイ堪らんよねって話していた流れからのネタ。

『お兄ちゃん』『実琴』呼びさせるのは楽しかった!

きっと御子柴はこの後、件のエロゲはまともにプレイ出来なくなったと思うw

シリーズの一作ですが、特に他の話と続いているものではないので、単品で読めます。

初出:2014/12/15

文字数:9638文字 

 

[御子柴Side]

 

「おまえ、最初の頃、俺が家に来るの凄ぇ嫌がったもんなぁ。こういうのまで持ってたとはな」

「……っとにもう、人が飲み物持ってくる間に勝手に部屋探るのとか止めて下さいよ!」

 

俺が冷蔵庫から、二人分のペットボトルのお茶を持って部屋に戻って来たら、堀先輩は俺が本棚の奥に隠していたゲームのパッケージを取り出して、しげしげと眺めているところだった。

何で、わざわざ隠しているものを引っ張り出すかな、この人は!

先輩が手にしているのはアレだ。

いわゆるエロゲーってヤツで、流石に堂々と部屋に置いておけるものじゃねぇから、こっそり本棚の奥にパッケージをしまいこんでいた。

 

「あー……『例え、それが許されない恋でも俺は君を』」

「うわあああ! アオリ読み上げないで下さいってば!」

「おまえ、こういうの好きなのかよ。これ兄妹ものってやつだろ?」

 

演劇部仕込みの語り口で読み上げるとかホント止めて欲しい。

堀先輩の手から速攻でパッケージを取り上げる。

 

「プライバシーの侵害っすよ!」

「ヤることヤッてんだし、今更じゃねぇ? なぁ、それ今パソコンにインストールしてんのか?」

「う、いや、その」

「してるんだな」

 

言葉が詰まってしまったのが、イエスと言ってしまったも同然だ。

 

「見せろよ。そういうの持ってないから、どんなのか見てみてぇ。エロゲーってことはそういうシーンあるんだろ?」

「え、今っすか!?」

「ああ」

 

いくら、セックスしてる仲でも流石に気まずい。

これ、喘ぎ声とかもしっかり入ってるしなぁ。

大体、この手のゲームって人と一緒に見ながらプレイするもんでもねぇし。

 

「いや、その、恥ずか……」

「御子柴」

「……わかりましたって」

 

でも、それで引き下がってくれる人でもないんだよな、この人は。

溜め息を吐きながら、ノートパソコンの蓋を開けて、立ち上げた。

スリープ状態にしたままだったパソコンが、然程しないうちに復帰し、メニュー欄からゲームのアイコンを選んで、ゲームを起動させる。

甲高い女の子の声がゲームメーカーの名前を言い、オープニング画面が始まった。

オープニングテーマを聴いていると、俺の横から堀先輩がモニターを覗き込む。

 

「へぇ、こんな風になってるんだなー。これが攻略対象の子達ってわけか。アオリで出てた妹に相当するのって、どれだ?」

「これっす」

 

ちょうど、攻略していた最中のキャラだったから、セーブしてあったデータを何気なくロードする。

が、ロードした瞬間に、セーブした場所を思い出して、自分のうかつさに頭を抱えたくなった。

 

『お兄ちゃん……私、私お兄ちゃんが他の人の物になっちゃうなんて嫌だよ……』

 

ロード早々、いきなり、そんな場面から始まる。

これ、エロシーンが始まりそうだったから、ここでセーブしといたんだよな。

今日の夜の楽しみにするつもりで。

これじゃないデータをロードしときゃ良かった。

マウスを操作して、そっと別のデータをロードしようとしたが、その手をさっと先輩の手に止められた。

 

「続けろよ」

「う、いや、その……この先はちょっと恥ずかしいんで」

「はい、そうですかって、俺が引き下がると思うか?」

「………………残念ながら、思わないっす」

「分かってりゃいい。オートにしてそのまま続けろよ」

「何だよ、オートにしておけば、話進むってわかってんじゃないっすか!」

「分かってないとか一言も言ってねぇだろ。エロゲーじゃないけど、恋愛ゲーは見たことあるからな。これもそういうシステムあんだろ? ここにオートって出てるし」

 

まぁ、そこまでシステム分かってるなら隠しようもねぇよな。

先輩が恋愛ゲーを見たことあるってのもちょっと意外だけど。

弟いるって聞いたし、そっちからとかなんかな。

仕方ないから、言われた通りにオートに切り替えて、マウスから手を離す。

これ、この先まだ見てねぇんだよな、展開。

オートで話は徐々に進んでいく。

攻略対象である妹キャラが、主人公である兄に対して、切々と他の人の物になって欲しくない、自分だけの物でいて欲しいと訴えかける。

 

『私が一番、お兄ちゃんを近くで見ていたんだから。他の人になんて渡さない』

『おまえ……』

『私の何もかも全部あげる。だから、私だけのお兄ちゃんでいて。他の人なんていらない』

 

……あ、しまった。

もっと大事なこと忘れてた。

別に深い意味とかは全然ねぇんだけど、この妹キャラの名前が出てくると気まずい。

 

『私、お兄ちゃん以外の人と、その、したくない、から……』

『美琴』

「へぇ、こいつ。みことって名前なのか。おまえと一緒じゃねぇか」

「……漢字違うから一緒じゃないっす」

 

『みこと』って名前は女の名前でも割とあるから、こういうことあるんだよなぁ。

確かに、最初にこのゲームでこいつから攻略しようって思ったのは、ゲームのメインキャラっていうのも勿論、名前が気になっていたことも関係なくはないし。

直ぐ横にある堀先輩がどんな顔してるかを確認したくなくて、モニターから目は逸らさない。

あー……ホントここで、ゲームストップしときてぇなぁ。

ゲームの内容は予想通りにエロシーンに突入したし。

モニターの中で、主人公が妹の名前を呟きながら、少しずつ服を脱がせていく。

丁寧に、身体のあちこちにキスを降らせながら。

……そういや、そんな風に先輩にされたことねぇな。

口にキスこそするけど、大抵はちんちん触って、勃たせて、ヤることやって軽く後始末して終わりって感じだ。

即物的だけど、それでも十分感じるし嫌いなわけじゃない、けど。

 

「実琴」

「っ!?」

 

堀先輩の手が俺の鎖骨に伸びた。

ついさっき、ゲームのモニター上で主人公が相手に触れたみたいに、ゆっくり指先で辿る。

俺の耳元にも口を寄せて、軽く耳朶を噛んだ。

ざわり、と快感が耳と鎖骨を中心に巡っていく。

いや、それはそうとして。

今。

先輩、俺の下の名前呼んだような!?

 

「ちょ……っ、せん、ぱ……」

「なぁ、たまにはこういう風に触ってやろうか」

「え、あの、そういう意味でゲームやってたり、投影してたわけじゃないっすよ!?」

「でも、おまえ、もう反応してるし」

「んっ!」

 

先輩の手がスラックスの上から、俺のちんちんの形を確かめるように触っていく。

ちょうど、ゲーム上でも主人公が妹キャラの秘部を下着の上から探っている。

ああ、くそ。

我ながら、簡単に反応するのが恨めしい。

こればっかりは条件反射みたいなものだけど、気まずいのはキャラクターの名前だよな。

多分、先輩が下の名前で呼んだのもそのせいだろうし。

 

「せ、んぱ……」

「おまえ、先っぽとか敏感過ぎるから、ついそっちばっかり触りたくなって、さっさと終わっちまうけど。ま、時には趣向変えてやってみるのも有りだよな」

「俺、やるって言ってな……!」

「実琴」

「……っ」

 

……こんな流れで下の名前で呼ぶなよ。やめろよ。

 

「服、脱がすぞ。ああ、ゲームの方はこのままでな」

 

それがさも当然であるかように耳元で低い囁きが落ちる。

観念して、身体の力を抜いた。

 

***

 

「せ……んぱ……ゲームなぞるの、やめ、て下さいって……!」

 

さっきから、堀先輩がゲームの中のテキストにそって、俺に触っていく。

普段、絶対こんな風にしたりなんかしない癖に。

唇の動きも指の動きも、普段の何倍も優しい。

考えたら乳首なんて初めて触られたけど、意外に良かったのがどうにも複雑だ。

そして、最初に触られて以降、全然ちんちんの方には触られないままだ。

こういうこともあんまりされてないから、もどかしさに焦れる。

 

「されたいんじゃねぇかと思ったけどな。悪くねぇだろ?」

「そりゃ、悪くは、ない……っすけ、ど」

『みこと……おまえ、感じてるの可愛いな』

「実琴」

「せ……んぱ……」

「おまえ、感じてるの可愛いな」

「っ!」

 

ゲームで出たテキストを繰り返されるのが、羞恥を煽る。

ゲーム上では主人公の方には声が入っていないからなおさらだ。

妙にゲーム上の妹キャラとの会話になっているような形に聞こえるのが何とも言えない気分にさせられる。

 

「だから、ゲームの流れ、辿る……っのやめて、ください、って……!」

「いっそ、おまえも俺を『お兄ちゃん』って呼んでみるか? おまえ、兄弟いないし、悪くないんじゃねぇの?」

 

ひっそり思っていたことを口にされて、余計恥ずかしくなる。

 

「い、嫌ですって……! 余計、恥ずかし……っ!」

『いやっ! お兄ちゃ……、そこ恥ずかし……!』

 

よりにもよって、そんなタイミングで妹キャラとの台詞が被る。

さらに、ゲーム上での流れに沿って、先輩がずっと触っていなかった、俺のちんちんの先っぽを握った。

 

「お、いいタイミングだな。ほれ、言ってみろよ。『お兄ちゃん』って」

「……や、です……ってばっ、うあ!!」

『やあっ!!』

 

刺激を加えられて、再び、妹キャラの声と俺の声が重なる。

が、先輩がそこで手の動きを止めた。

握っていたのは解いて、ただ触れるだけ。

動かないままでちんちんに重ねられた手の温かい感触に、腰を動かしたくなってしまいそうになるのを堪える。

 

「ほら、言ってみろって。……実琴」

「や、だ……」

「言わないと動かないままにすんぞ」

「う……」

 

動かない、なんて言いながら、先輩はもう一方の手で、俺の後ろの穴にローションを擦り付ける。

挿れる気満々じゃねぇかと思うけど、動かないっつったら、ホントに動かねぇんだよな、先輩。

平気で生殺しにしやがる。

けど、俺の方はといえば、後ろまで触られてるからもうあんまり我慢がきかない。

顔見られるのも嫌だけど、諦めて先輩の頭を引き寄せて、先輩の耳元で言ってみた。

 

「お……兄……ちゃ」

「…………今の凄ぇ、可愛い、なっ……!」

「うあああ!!」

 

先輩がその言葉をきっかけに、俺の中に入り込んでくる。

再度、ちんちんを掴まれて、激しく動かれて悲鳴が止められない。

身体を繋げた場所も掴まれた場所も熱くて、快感が一気に押し寄せる。

 

「や、手っ、離しっ……!! うあ、あ!!」

「気持ち良さそうなのに、誰が離す、かよっ!!」

「ひっ、あ、や……!」

『お兄ちゃん、ダメ、イく、イっちゃ……ああ!!』

「お、兄ちゃ……イ……あああ!!」

「実……琴……っ」

 

そして、ついゲームの音声につられる。

堀先輩が俺の唇にキスした瞬間にイッたのも、ゲームと重なった。

……本当に、重ね合わせるつもりなんて、全くなかったけど。

 

――実琴。

 

堀先輩に下の名前を呼ばれるのは、凄ぇ気分良かった。

 

***

 

「これ、アンインストールしてぇ……」

 

一度冷静になると、『お兄ちゃん』呼びでイったのは相当恥ずかしかった。

今後まともにこのゲームが出来なくなりそうで、つい、ゲームとセックスが終わった後に俺がそう零すと、先輩が不機嫌そうに俺の頭を小突いた。

 

「何だよ、おまえだって意外に乗ってたじゃねぇか」

 

だって、言わなきゃ、先輩動かないじゃないっすか!と言いたくなったのを抑える。

言ったら、動いて欲しかったって言わんばかりだ。

…………まぁ、言わなくてもバレていそうな気はするけど、うかつに何か言うと墓穴を掘りそうだから黙っておく。

先輩の視線から逃れるように、枕に頭を押しつけて顔を隠すと、先輩が俺の背中をそっと撫でてきた。

 

「御子柴」

「…………何すか」

「俺、おまえの名前の響き、結構好きだぞ。実琴」

「…………う」

 

余計に恥ずかしくて顔を上げられない。

背中に当たった先輩の唇の感触が、消えたくなるほど恥ずかしくて――妙に気持ち良かった。

 

[堀Side]

 

「おまえ、最初の頃、俺が家に来るの凄ぇ嫌がったもんなぁ。こういうのまで持ってたとはな」

「……っとにもう、人が飲み物持ってくる間に勝手に部屋探るのとか止めて下さいよ!」

 

勝手知ったる何とやら、で御子柴がペットボトルのお茶を持って来る間に、俺は御子柴が本棚の奥に隠していたゲームのパッケージを見つけていた。

パッケージの表はまだしも、裏側は卑猥な格好をした女たちが様々なカットで載っている。

恐らく、これがゲーム画面なんだろうけど、そんなカットの中、ゲームのアオリ文句が目を引くように強調されていた。

 

「あー……『例え、それが許されない恋でも俺は君を』」

「うわあああ! アオリ読み上げないで下さいってば!」

「おまえ、こういうの好きなのかよ。これ兄妹ものってやつだろ?」

 

真っ赤になった御子柴が、凄ぇ勢いで俺が持ってたパッケージを取り上げて、隠すように抱きかかえる。

 

「プライバシーの侵害っすよ!」

「ヤることヤッてんだし、今更じゃねぇ? なぁ、それ今パソコンにインストールしてんのか?」

「う、いや、その」

「してるんだな」

 

してなきゃ、御子柴なら即座に否定する。

言い淀んでしまう辺り、本当に分かりやすいヤツだ。

 

「見せろよ。そういうの持ってないから、どんなのか見てみてぇ。エロゲーってことはそういうシーンあるんだろ?」

「え、今っすか!?」

「ああ」

 

プレイの参考にもなるしな、とは口には出さずに黙っておく。

俺だって、御子柴で抜くことがある一方、それ以外のネタでも抜くから、男なんてそんなもんだろって思ってるけど、こいつのズリネタがどんなんかっていう興味はある。

 

「いや、その、恥ずか……」

「御子柴」

「……わかりましたって」

 

視線で圧力をかけると、御子柴が困ったような表情になり、多少の間の後、不本意そうにしながらも了承した。

こういう時、『先輩』って立場は便利だと思う。

御子柴が溜め息を吐きながらも、ノートパソコンの蓋を開けた。

スリープ状態だったらしいパソコンは、そう時間が経たないうちに復帰し、ゲームが起動する。

女の声がゲームの発売元と思われるメーカーの名前を言い、オープニング画面が現れた。

微妙にいつか野崎の家で見た恋愛ゲーと被った印象に、この手のゲームのオープニング曲って、どれも似たり寄ったりな曲風なんかなと思いながら、御子柴の横からモニターを覗き込む。

 

「へぇ、こんな風になってるんだなー。これが攻略対象の子達ってわけか。アオリで出てた妹に相当するのって、どれだ?」

「これっす」

 

御子柴がセーブデータの一番上にあったやつを選択して、ゲームが始まった。

直ぐに出たロングヘアの赤い髪の少女が妹キャラらしい。

が、そいつが出た瞬間、御子柴が小さくあ、と呟き、しまったって顔をした。

 

『お兄ちゃん……私、私お兄ちゃんが他の人の物になっちゃうなんて嫌だよ……』

 

赤い髪の少女は、いきなり、そんな台詞を言い出した。

どう聞いても告白シーンだな、これ。

それなら、後の展開も目に見えている。

なのに、御子柴がこっそりと別のデータをロードしようとしてたから、手を伸ばしてそれを止めた。

 

「続けろよ」

「う、いや、その……この先はちょっと恥ずかしいんで」

「はい、そうですかって、俺が引き下がると思うか?」

「………………残念ながら、思わないっす」

「分かってりゃいい。オートにしてそのまま続けろよ」

「何だよ、オートにしておけば、話進むってわかってんじゃないっすか!」

「分かってないとか一言も言ってねぇだろ。エロゲーじゃないけど、恋愛ゲーは見たことあるからな。これもそういうシステムあんだろ? ここにオートって出てるし」

 

画面上に出てるメニューを指さすと、御子柴が諦めたらしく、大人しくオートを選択して、マウスから手を離した。

ゲームがそのまま自動的に進行していく。

 

『私が一番、お兄ちゃんを近くで見ていたんだから。他の人になんて渡さない』

『おまえ……』

『私の何もかも全部あげる。だから、私だけのお兄ちゃんでいて。他の人なんていらない』

 

他の人なんていらない、か。

中々熱烈な言葉だ。

何もかもを投げ打ってもっていう直向きさが好きなやつは好きなんだろうな。

俺は正直分からない部分だけども。

 

『……いいのか? 全部って意味、分かって言ってんのかよ』

『私、お兄ちゃん以外の人と、その、したくない、から……』

『美琴』

「へぇ、こいつ。みことって名前なのか。おまえと一緒じゃねぇか」

「……漢字違うから一緒じゃないっす」

 

そうは言うものの気まずいのか、御子柴は俺の方に顔を向けようとしない。

ひたすらモニターを見ている。

まぁ、名前が似ている上に髪の色も一緒とくれば、全く意識しないっていうのも無理あるよなぁ。

からかってやりたくなったが、ゲームの方が本番に突入したし、あえて止めておく。

主人公が妹の名前を呟きながら、少しずつ服を脱がせていき、身体中に口付けていった。

凄ぇ、キスの音までわざわざ入れてるのかよ、これ。

意外に細かい作りしてんだな。

画像に興奮してんのか、音声に興奮してんのかは分からねぇが、御子柴が喉を鳴らしたのが聞こえた。

横目でちらりと見ると、スラックスに膨らみが出来ている。

そういや、ゲームみたいにゆっくりこいつを触ってやったことねぇな。

男の快感なんて結構分かりやすいから、いつもモノ弄って、袋弄って、突っ込むって感じだけど、じわじわと弱い快感で攻めてやるのも面白そうだ。

 

「実琴」

「っ!?」

 

ゲームで主人公が呼んだみたいに、下の名前で御子柴を呼びながら、御子柴の鎖骨を触る。

触り方もゲームと同じようにしながら。

かなり驚きの表情になってるのは、多分呼んだことのない下の名前で呼んだからだろう。

その表情に笑いそうになりつつも、御子柴の耳元に口を寄せて軽く噛む。

御子柴の声に動揺が表れている。

 

「ちょ……っ、せん、ぱ……」

「なぁ、たまにはこういう風に触ってやろうか」

「え、あの、そういう意味でゲームやってたり、投影してたわけじゃないっすよ!?」

「でも、おまえ、もう反応してるし」

「んっ!」

 

ゲームで主人公が妹キャラの足の間を下着越しに触ったのに合わせ、御子柴のスラックスの上に手を置いて、其処の状態を確認する。

もう、半勃ちどころか完勃ちに近い。

緩く扱くように触ると、軽く吐息が弾んだのが分かった。

 

「せ、んぱ……」

「おまえ、先っぽとか敏感過ぎるから、ついそっちばっかり触りたくなって、さっさと終わっちまうけど。ま、時には趣向変えてやってみるのも有りだよな」

「俺、やるって言ってな……!」

「実琴」

「……っ」

 

もう一度、名前を呼ぶと御子柴が声を詰まらせた。

その反応に胸がざわめく。

予想しているより楽しめそうだ。

 

「服、脱がすぞ。ああ、ゲームの方はこのままでな」

 

耳元で低く囁きながら、鎖骨に触れていた手をシャツに伸ばす。

少し硬直していた身体の力が抜けたところで、遠慮なくそのままシャツを脱がせた。

 

***

 

「せ……んぱ……ゲームなぞるの、やめ、て下さいって……!」

 

御子柴がそう訴えて来るが、ちゃんと反応しているからやめることはしない。

こんな風にじっくりと御子柴の身体を触ったのは初めてだが、肌触りもいいし、焦れったいのか時々小さく呻くのが案外可愛い。

男の乳首なんてそんな感じるもんでもねぇだろって思ってたけど、いざ触ってみたら悪くない反応だった。

これは次からも触っておくかと考えながら、舌先で一度突いてみると、小さく身体が震えた。

本人も予想外だったのか、見上げた顔は戸惑いを隠しきれていない。

 

「されたいんじゃねぇかと思ったけどな。悪くねぇだろ?」

「そりゃ、悪くは、ない……っすけ、ど」

『みこと……おまえ、感じてるの可愛いな』

 

ゲーム画面で主人公がそんなことを妹キャラに向かって言ったのが見えた。

 

「実琴」

「せ……んぱ……」

「おまえ、感じてるの可愛いな」

「っ!」

 

御子柴がゲーム画面と俺の顔を交互に確認して、只でさえ赤くなっていた顔をさらに染めた。

 

「だから、ゲームの流れ、辿る……っのやめて、ください、って……!」

「いっそ、おまえも俺を『お兄ちゃん』って呼んでみるか? おまえ、兄弟いないし、悪くないんじゃねぇの?」

 

ぶんぶんと勢い良く御子柴が首を振る。

そんなに拒否されると、余計言わせたくなるんなるんだがな。

 

「い、嫌ですって……! 余計、恥ずかし……っ!」

『いやっ! お兄ちゃ……、そこ恥ずかし……!』

 

恥ずかしい、という台詞が見事に妹キャラとタイミングが被った。

そこ、って示しているのがクリトリスだったから、御子柴のモノに触る。

まだ、付け根の部分だけだが、御子柴の足が微かに震えたのは見逃さなかった。

 

「お、いいタイミングだな。ほれ、言ってみろよ。『お兄ちゃん』って」

「……や、です……ってばっ、うあ!!」

『やあっ!!』

 

先っぽを握って軽く上下に動かすと、再び妹キャラの悲鳴と御子柴の悲鳴が重なる。

でも、そこで一旦手の動きを止めて、握っていたのをただ手のひらで触るだけに留める。

御子柴が焦れて動きたそうにしているのは伝わったが、応じてはやらない。

 

「ほら、言ってみろって。……実琴」

「や、だ……」

「言わないと動かないままにすんぞ」

「う……」

 

どうせ、御子柴が音を上げるのは時間の問題だ。

モノを触ってない方の手でローションを御子柴の後孔に塗りつける。

呻き声と歯を食いしばる音が聞こえて、御子柴の顔を覗き込む。

潤んだ目が悔しそうに俺を睨みつけてきたが、こっちがどこ吹く風でいなすと、表情が緩んで俺の頭を掴んだ。

引き寄せられるのに身を任せながら、自分の勝ちを確信して、言うだろう言葉を待つ。

ややあって、御子柴が俺の耳元で躊躇いがちに小声で呟いた。

 

「お……兄……ちゃ」

「…………今の凄ぇ、可愛い、なっ……!」

「うあああ!!」

 

再び、御子柴のモノを握りながら、中に突っ込んだ。

そんなに慣らしてはいなかったが、ちゃんと御子柴の身体は俺の動きを受け止められている。

上がる悲鳴はどう聞いても苦痛の色はない。

遠慮なしに熱くなっている内壁を擦り上げた。

 

「や、手っ、離しっ……!! うあ、あ!!」

「気持ち良さそうなのに、誰が離す、かよっ!!」

「ひっ、あ、や……!」

 

繋がっているところがさっきよりもキツくなってきた。

こりゃ、そろそろ、か。

 

『お兄ちゃん、ダメ、イく、イっちゃ……ああ!!』

「お、兄ちゃ……イ……あああ!!」

「実……琴……っ」

 

御子柴もゲームの方につられたんだろうが、俺も流れにつられて、御子柴の名前を呼びながらキスする。

夢中で吸われた唇がやたら気持ち良くて、そのままイった。

御子柴も同じようなタイミングでイったらしく、気付いたら手と腹が精液で濡れていた。

まだ、少し震えている御子柴の腹に、手に付いていた分の精液を擦り付ける。

 

――私の何もかも全部あげる。だから、私だけのお兄ちゃんでいて。他の人なんていらない。

 

さっきのゲームでの台詞が不意に頭の中で響く。

流石にそんなことをこいつに言われても困るし、きっと御子柴だって考えちゃいないだろうけど。

それでも、御子柴のこんな乱れた姿を他の奴に見せるのも、それはそれで癪だなと思った。

 

***

 

「これ、アンインストールしてぇ……」

 

溜め息混じりにぼやいた御子柴の言葉が面白くない。

口にしていた、温めのペットボトルの茶をサイドテーブルに置くと、御子柴の頭を小突いた。

 

「何だよ、おまえだって意外に乗ってたじゃねぇか」

 

そう言ったら、御子柴の口が何かを言いかけようとしたところで閉じる。

そして、うつ伏せになって枕に顔を押しつけて、顔を隠した。

もう、話題を続けたくないとでも主張してるかのようだ。

こういう反応って何か可愛いよなぁ。

つい、つついてやりたくなってしまう。

背中を宥めるように撫でてやると、びくと触っている背中が反応を返した。

 

「御子柴」

「…………何すか」

「俺、おまえの名前の響き、結構好きだぞ。実琴」

「…………う」

 

たちまち、御子柴の耳が髪の色と同じくらいに赤く染まる。

益々、枕にめり込むように押し付けている頭に笑ってしまいそうだ。

背中を触っていた手を退けて、形のいい肩甲骨に挟まれた部分にキスマークを残してみる。

本人も分かんねぇだろうなと、ほくそ笑みながら唇を離した。

 

 

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