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みだらな格好<月刊少女野崎くん・堀みこ・R-18>

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若い時に付き合っていて、堀先輩の結婚を機に別れたけど、十数年ぶりに久々に再会したという流れの堀みこ。

本編終了後、クリーニングに出す前のネクタイとワイシャツで拘束した上に、ほとんど触らずに、声と音と匂いで御子柴をイカせるプレイな堀みこ。

初出:2015/07/24 

文字数:9035文字 裏話知りたい場合はこちら

 

[堀Side]

 

実琴。まだクリーニングバッグの中入りそうだけど、他にクリーニングに出す物あるか?」

「あーっと、クリーニングに出したいネクタイ何本かあった。ちょっと待ってくれ、持ってくる」

 

新しいマンションに引っ越してきて、数ヶ月。

近所にあるクリーニング屋の閉店時間が比較的早めだということで、最近はネットから申し込める宅配クリーニングをよく利用していた。

実琴が元々前に住んでいたマンションにいた頃から使っていて、コンビニからでも発送出来るのも便利だし、一番遅い配達時間帯の指定をすれば、平日でも受け取れる。

多少、店舗に出すよりも値段は高くなるが、実際に使ってみると予想していたより使い勝手が良くて有り難い。

元々がインドア派だからなのか、結構実琴がこういうネットを利用したサービスに詳しい面があることは、一緒に住み始めて気付いた。

 

「政行さん。あと、どの位バッグの中に洗濯物入る?」

「ネクタイだったら、十本でも余裕だぞ。ワイシャツの一、二枚入れても問題ない」

「あ、だったら、普通に洗濯しようと思ってたワイシャツも一枚入れとく」

 

実琴がネクタイを四本ほど持ってきたところで、再びワイシャツを取りに引き返した。

ネクタイのうちの一本は、つい先日俺が会社に行くのに使わせて貰ったものだ。

実琴とは趣味は違うが、趣味じゃないなりに意外に自分に似合うネクタイなんかもあったりするから、最近は時々お互いが持っているネクタイを交換して会社に行ったりすることがある。

流石にサイズの問題で、ワイシャツやスーツの類はそうはいかなくても、ネクタイは手軽に交換出来るし、何より実琴が何度も締めていたネクタイだと思うと結構嬉しかったりもした。

それは実琴の方も一緒らしく、結構ネクタイの貸し借りをするのが楽しいらしい。

 

「政行さん、これだけど」

「おう。あ、これ軽く下洗いした方がいいんじゃねぇの? インク染みだろ、これ?」

「え、あ、ホントだ。気付かなかった。ジャケット脱いでた時にやっちまってたんだな」

 

ワイシャツの袖口から数センチほどの場所に、黒ずんだインク染みを見つけて指摘すると、実琴が軽く溜め息を吐いた。

まぁ、今下洗いして干しておけば、朝までには乾くし、乾いてからバッグに入れて、出勤時にコンビニに寄って出せばいい。

が、それなら……とあることを思いついた。

 

「待った。どうせ、洗うならその前にちょっと楽しまねぇか?」

 

洗面台にワイシャツを持っていこうとした実琴の腕を掴んで止め、話を持ちかけてみる。

 

「え? 楽しむって……何する気だ?」

「『いいこと』だ」

 

思いついたことを想像すると、つい口元が緩む。

実琴の方はまだ、俺の言葉の真意を掴めていないらしく、少し首を傾げていたが、実琴の腕を掴んだまま、寝室の方へと歩き出すと、黙って俺についてきた。

 

***

 

「っとに……政行さんのセックス絡みでの『いいこと』って、本当にいいことだった試しって滅多にねぇよな……っ」

「しっかり勃てておいて言う言葉でもねぇな」

「んっ!」

 

実琴の耳に吐息を吹きかけると、ベッドの上に転がっている実琴の身体が微かに跳ねた。

どうせ、クリーニングに出すのなら、多少汚しても構わないだろうと、洗う予定のネクタイやワイシャツを使って、ベッドで少し楽しむことにしたってのが今の流れだ。

三本のネクタイを使って、実琴の目を隠し、手首を縛り、ついでにちんちんの付け根も縛った上で、さらにインク染みのついてたワイシャツで足首を縛り、実琴の自由を奪った。

 

――ちょっと、ネクタイで目隠すぞ。

――え? ああ、うん。

――脱がせるな。腰少しあげろ。

 

実琴の視界をネクタイで奪った後は、まだ着ていたパジャマを脱がしにかかる。

 

――……楽しむってそういうことかよ。

――ベッドに来てる時点で想像ついてんだろ、おまえも。じゃ、腕後ろに回して、手首くっつけろ。

――こうか? ってうわ! 何縛ってんだよ。

――しばらくぶりにこういうのも悪くねぇだろ。ほれ、足もいくぞ。

――え、あ、ちょっと政行さん!!

――洗うネクタイ、まだ本数残ってるから、ここも……っと。

――おい!!

 

実琴の単純さは可愛いが、こうも簡単にのせられていって、大丈夫かよという気に時々ならなくもない。

流石に俺が相手だからってのもあるんだろうが。

ちんちんの付け根を縛っているネクタイの端を軽く引っ張ると、切なさそうな声が零れる。

 

「やっ……ちょ……っ、政行、さん」

「少なくとも、萎えればここのは解けるぞ、多分。張り詰めさせてんのはおまえだろ」

「誰のせいだよ!! あっ、んん!!」

 

もう一度、ネクタイを引っ張ると、さっきよりも派手な声が上がる。

それぞれのパーツを縛り上げる時点で半勃ちだったモノは、今はガチガチになってる。

今日は、ほとんど実琴に触っていないのに、だ。

俺が相手だとそれでも興奮してくれてるんだって考えると、可愛いし愛おしい。

一度、ネクタイから手を離して、サイドテーブルに置いてあった煙草を取り出し、火を着ける。

煙を吐き出すと、実琴が拗ねたようにぼやいた。

 

「……人縛り上げておいて、自分は優雅に一服かよ。俺だって吸いたくなってきたのに」

 

おそらく、煙草の香りとライターの音から、俺が煙草を吸っていることを察したんだろう。

 

「流石に目隠しした状態で、火着いた煙草咥えんのは危ねぇだろ」

「ん……っ」

 

吸いかけの煙草を灰皿に置き、実琴の顎を捉えて唇を重ねる。

舌を入れると、実琴が俺の舌を貪るように積極的に絡めて来た。

すっかり馴染んだ唾液の味は、何となく甘い。

実琴の方はどうなんだろうな。

こんな風に絡めてくるぐらいだから、嫌いな味じゃねぇんだろうけど。

唇を離すと、実琴がまだ物足りないと言わんばかりに唇を突き出してくるが、今度は応じてやらない。

 

「……おい、政行さん」

「そんな不満げな顔すんなよ。……ホント、おまえ可愛いよな、実琴」

「……っ!!」

 

実琴の耳元で、わざと低くした声で囁くと、実琴の頬が染まった。

昔から、こいつは俺の声が色気あって好きだって言ってくれてるんだよな。

だから、こうして低く囁きを落としたりすると、結構反応してくれる。

ちらりと横目で実琴のちんちんを見てみたら、先っぽにたまっていた先走りが幹を伝って落ちていったところだった。

もどかしいのか、腰が焦れたように動く。

その様子に俺としてもつい触りたくなったが、今日はもう少しこの状態を続けてみたかった。

 

「実琴」

「なん……だよ」

「一度、この状態でイッてみろよ。おまえならイケんだろ」

「……っ! 触ってくんねぇのに、何を……っ! うあ!!」

 

吐息を耳の奥に吹きかけて、軽く耳朶に歯を当てた。

寝室に響く実琴の声が、こっちの興奮も高めていく。

……こんだけでも、ちゃんと感じてくれんだもんなぁ。可愛いったらねぇ。

何度も同じ相手とセックスしていると飽きる、なんてパターンをよく聞くが、再会までに十数年のブランクがあったからなのか、身体の相性が余程いいのか、今のところ実琴に飽きる気配はない。

実琴の方も前より身体が俺に馴染んだ気がするって良く言うし、ドライでイケることだって、以前に比べるとずっと増えた。

寧ろ、お互いに昔よりも感じやすくなったって言ってもいい。

 

「ちょっと想像してみろよ。今、おまえ見えないけど、その状態で俺がどんな風にしてるのか」

「どん……なって……あ」

 

いきり立っている自分のモノを軽く擦ると、音で様子を探ろうとして、聞き耳を立てているのが伝わった。

 

「……ろくに触ってねぇうちに勃たせてんのは、政行さんもじゃねぇか」

「そりゃ、こんな状態のおまえ見てんの興奮するしな……んっ」

「だ……ったら、焦らすのも……適度に、しろって……! あ……ローション……か? この音」

「流石に分かるか」

 

枕元に常備してあるローションのボトルは、そっと手にしたが、てのひらに出す時の音で察したらしい。

ローションで濡らした手で、さらに自分のモノを擦る。

こんなオナニーみたいにすんのも、そういや久し振りだな。

実琴と再会してからは、性欲は全部こいつとのセックスで満たしてきた。

実琴の方もきっと似たような状況のはずだ。

音で俺が何をどうしているのかが分かったらしく、実琴が喉を鳴らした。

腰の動きがさっきよりも派手になっているから、大分キテるのかも知れない。

 

「……っとに、手首縛ってなければ、政行さんのに触ってやる、のに……っ!」

「偶にはこんな風に楽しんでみたっていい、だろ……っ」

「政行、さん……趣味、悪……ぃ」

「……知ってるよな?」

「はっ……!」

 

さっきよりも低いトーンで囁くと、実琴のちんちんがさらに張り詰めた。

そのせいで、ネクタイからの刺激が強くなったのか、実琴が歯を食いしばった音がする。

……やっぱ、イケそうだな、これ。

再び、実琴の耳元に口を寄せると、自分でも嗅ぎ慣れたシャンプーの香りが汗のにおいに混じって漂った。

こういうのも余計に興奮を煽る。

多分、実琴の方は見えない分もっとだろう。

実琴の白い肌に浮いた汗を見て、全身を無茶苦茶に触りたくなった欲求は、どうにか残り少ない理性で抑えながら話し掛ける。

 

「実琴」

「も……、何、だって……んだよ……っ」

「さっきより興奮してんだろ? ……おまえ、ホント可愛いな。そんなとこ、好き、だ……っ」

「……っ!! うあ!」

「…………く」

 

こっちも扱く手を休めずに言うと、『好き』の言葉で箍が外れたのか、実琴が腰を跳ねさせて達した。

それを見ながら、俺の方もほぼ同時にイッてしまう。

……ちんちんに巻き付けた時点で、多少覚悟はしていたが、こりゃ実琴のちんちんを縛っていたネクタイも、軽く下洗いしてからクリーニングに出した方がいいな。

まぁ、それも考えてここに使ったのは、古い上に安かった俺のネクタイにしといたんだが。

自分が出した精液をティッシュで拭ったあと、実琴の濡れた腹に手のひらを這わせると、縛ったままの足で蹴られた。

力加減はされてるが、蹴った拍子に実琴の足の爪が、ちょっと俺の肌を引っ掻く。

 

「いて」

「もう……っ、手か足か、せめてどっちか解けって! 俺だって、いい加減触りてぇんだよ……!」

 

軽く涙声になったのは、達した快感もあるだろうけど、もどかしさもあるんだろう。

これ以上は本気で嫌がりそうだなと見極めて、大人しく実琴の足を縛っていたワイシャツを解き、次にちんちんのネクタイ、手首のネクタイと解いていき、最後に目を覆っていたネクタイも外す。

潤んだ紅い目が俺の視線と交わった瞬間、実琴の手が俺の頭を引き寄せて、唇を重ねて来る。

軽く俺の口の中を舌が掻き回していったところで唇が離れ、抗議のように俺の耳を噛んでいった。

甘噛みよりは心持ち強めの噛み方だったが、まだ快感が燻ってる身体の状態では、ただ煽る材料を増やしただけだ。

 

「っと」

「ったく……クリーニング出す前に、手間増やしてどうすんだよ。そりゃ、下洗いして干しときゃ、朝までに乾くだろうけど! ……下洗い出来るまでに、まだ時間掛かるのに」

「何とかなんだろ。……続けていいよな?」

 

実琴が不満げに言いながら、ちらりと解いたネクタイとワイシャツを見る。

が、時間掛かるって言った時点で、ここでやめるつもりはねぇって示してるのと一緒だ。

 

「ん……そりゃ、まぁ。やっぱりまだ物足りねぇっていうか、政行さんにちゃんと触りたいし」

「中にも欲しいし?」

「……中に挿れたいのは政行さんもだろ。んな、狡い言い方すんなよ」

「悪ぃ。……でも、嫌じゃねぇよな」

「…………当たり前だろ」

 

実琴の腕が俺を引き寄せて、足は俺の腰に絡めてくる。

ああ、もう堪んねぇなぁ、こいつ。

実琴の精液がついた状態の手を、実琴の腰に回したら、艶っぽい声が響く。

今度は身体を繋げながら、隅々まで実琴を触ろうと、まずは繋がる場所へと指を伸ばした。

 

[御子柴Side]

 

「実琴。まだクリーニングバッグの中入りそうだけど、他にクリーニングに出す物あるか?」

「あーっと、クリーニングに出したいネクタイ何本かあった。ちょっと待ってくれ、持ってくる」

 

政行さんが宅配クリーニングのバッグに、クリーニングに出す服を詰めながら尋ねてきたから、クローゼットに置いてあったクリーニングに出したかったネクタイを纏めて手に取る。

数ヶ月前に新しいマンションに引っ越してきたものの、一番近くにあるクリーニング屋は割りと閉店時間が早く、ちょっと平日に利用するのは無理があったから、最近はもっぱらネットから申し込める宅配クリーニングを使っていた。

俺は前から結構利用していたけど、政行さんは俺と住み始めてから初めて使ったらしい。

まぁ、前は奥さんが専業主婦だったから、色々やってくれていたらしいしな。

 

「政行さん。あと、どの位バッグの中に洗濯物入る?」

「ネクタイだったら、十本でも余裕だぞ。ワイシャツの一、二枚入れても問題ない」

「あ、だったら、普通に洗濯しようと思ってたワイシャツも一枚入れとく」 

 

クリーニングに出すネクタイを政行さんに渡して、ワイシャツを取りに引き返す。

ワイシャツは洗うのはともかく、アイロンをかけるのが面倒だから、ついクリーニングに出したくなっちまうんだよな。

ホントはなるべくこういう部分で節約した方が、マンションのローンの事も考えるといいんだろうけど。

 

「政行さん、これだけど」

「おう。あ、これ軽く下洗いした方がいいんじゃねぇの? インク染みだろ、これ?」

「え、あ、ホントだ。気付かなかった。ジャケット脱いでた時にやっちまってたんだな」

 

ワイシャツの袖口近く、擦れて黒ずんだインク染みを発見してしまった。

結局、下洗いはしないとダメか。

ま、今から洗えば朝までに乾くし、どうせコンビニから出すから、今行っても、朝行っても集荷時間も変わらない。

そうとなったら早速ーーと洗面所に行きかけたところで、政行さんに腕を掴まれた。

 

「待った。どうせ、洗うならその前にちょっと楽しまねぇか?」

「え? 楽しむって……何する気だ?」

「『いいこと』だ」

 

ワイシャツを洗う前に、何を楽しむつもりなんだろう。

政行さんがそのまま俺を寝室の方へ連れて行ったところで、少し嫌な予感はしたが、具体的にどうするつもりかまではまだ分からなかった。

 

***

 

「っとに……政行さんのセックス絡みでの『いいこと』って、本当にいいことだった試しって滅多にねぇよな……っ」

「しっかり勃てておいて言う言葉でもねぇな」

「んっ!」

 

耳元で息が吹きかけられたのを感じて、つい背筋にぞくりとしたものが走った。

くそ、このわざと色気のある低い声出すのやめてくんねぇかな。

どうしたって感じちまうに決まってるのに。

今は目をネクタイで覆われているから、なおさら声でくるものがある。

 

ーーどうせ、クリーニングに出すんだから、多少、汚れようが皺になろうが変わんねぇだろ?

 

そう言った政行さんが、ネクタイで目を覆い隠すつもりだろうってのは、その時点で予想がついた。

が、政行さんが持っていたネクタイは一本じゃなかったのが誤算といえば、誤算だったと言える。

結局、使ったネクタイは三本。

目元と手首と、さらにちんちんの根元。

ワイシャツは足首を縛るのに使われた。

いや、そりゃ黙って目を覆われたのはこっちだけど。

……パジャマを脱がされるのに協力したのも俺だけど。

ここまであちこち縛られることになろうとは。

こんな風にされるのは、随分久し振りな気がする。

昔、付き合っていた時には経験あったけど、再会してからはこういう風にはされなかったんだけどな。

それとも、これまでもしたかったのを我慢してたとか何だろうか。

元来、Sっ気っぽいとこあるしなぁ、政行さん。

本気で嫌がったら止めてはくれるだろうけど、我慢せずに接してくれてる結果だとしたら、あまり止める気にもなれない。

 

「やっ……ちょ……っ、政行、さん」

「少なくとも、萎えればここのは解けるぞ、多分。張り詰めさせてんのはおまえだろ」

「誰のせいだよ!! あっ、んん!!」

 

ちんちんに縛り付けられているネクタイが引っ張られて、刺激につい声を上げてしまう。

興奮させてんのは、誰のせいだと思っているんだか。

なのに、こうさせた当の本人はどうやら煙草まで吸い始めたらしい。

ライターを扱う小さな金属音に続いて、漂ってきた匂いにこっちまで吸いたくなってくる。

 

「……人縛り上げておいて、自分は優雅に一服かよ。俺だって吸いたくなってきたのに」 

「流石に目隠しした状態で、火着いた煙草咥えんのは危ねぇだろ」

「ん……っ」

 

顎に手を添えられ、そのまま唇が重なってきた。

入ってきた舌にこっちも応じるように絡めて、煙草の味を貪っていく。

……政行さんが吸い始めた当初は、苦くて好きじゃなかったはずなんだけどな、これ。

影響されて、自分も吸うようになってからは結構好きな味だ。

なのに、味わってる最中で政行さんが唇を離す。

もっととねだるように唇を突き出すけど、今度は反応無しだ。

 

「……おい、政行さん」

「そんな不満げな顔すんなよ。……ホント、おまえ可愛いよな、実琴」

「……っ!!」

 

だから、こういう声出すのやめろよ!

……とは口にはしない。声自体は凄ぇ聞くのが好きだからだ。

わざとだってのも十分分かっているのに、この声に欲情煽られてるのも事実だ。

先走りがちんちんの付け根の方に伝い落ちた感覚が分かる。

触りたい。いや、触って欲しい。

もどかしさについ腰が動いてしまうけど、政行さんは触ってくれそうにない。

くそ、今日はとことん焦らすつもりかよ。

 

「実琴」

「なん……だよ」

「一度、この状態でイッてみろよ。おまえならイケんだろ」

「……っ! 触ってくんねぇのに、何を……っ! うあ!!」

 

政行さんが俺の耳に吐息を吹きかけて、耳を甘噛みしてきた。

流石にイクまでには至らなくても、快感には違いない。

 

「ちょっと想像してみろよ。今、おまえ見えないけど、その状態で俺がどんな風にしてるのか」

「どん……なって……あ」

 

聞こえてきたのは、何かを擦るような音と少し乱れた政行さんの吐息。

……自分で自分のモノ擦ってんのか、これ。

こっちには触ってこねぇくせに。

 

「……ろくに触ってねぇうちに勃たせてんのは、政行さんもじゃねぇか」

「そりゃ、こんな状態のおまえ見てんの興奮するしな……んっ」

「だ……ったら、焦らすのも……適度に、しろって……! あ……ローション……か? この音」

「流石に分かるか」

 

既に聞き慣れた、ローションをボトルから出す音が聞こえたかと思うと、間もなくぐちゃぐちゃと水音が鳴り始めた。

どうせ二人でいるなら、触りたいし、触られたいのに。

こんな見えない状態で想像だけさせられたんじゃ、余計煽られていく一方だ。 

 

「……っとに、手首縛ってなければ、政行さんのに触ってやる、のに……っ!」

「偶にはこんな風に楽しんでみたっていい、だろ……っ」

「政行、さん……趣味、悪……ぃ」

「……知ってるよな?」

「はっ……!」

 

さらに低い囁きが妙な色気を醸し出して、腰に甘い快感がくる。

多分、容量を増しちまったからなんだろう。

ちんちんに巻き付けられているネクタイがキツくなった気がした。

政行さんの気配は直ぐ近くに感じるのに、相変わらず触れては来ないってのが焦れる。

縛られているせいで触れないけど、そうでさえなかったら、簡単に手が届く距離のはずだ。

触れそうで触れない、絶妙な場所にいる。

 

「実琴」

「も……、何、だって……んだよ……っ」

「さっきより興奮してんだろ? ……おまえ、ホント可愛いな。そんなとこ、好き、だ……っ」

「……っ!! うあ!」

「…………く」

 

触られていないのに、ローションで擦る音が聞こえていたのが地味に効いたのか、好きって言葉で限界が訪れる。

……マジで触られないまま、イッちまった。

何だこれ、格好悪い。

荒い呼吸は自分のだけじゃないし、呻き声も聞こえてたから、多分イッたのは政行さんも何だろうけど。

ごそごそとティッシュを使っているらしい音が聞こえた後、腹に政行さんの手が触れた。

それで、およその場所が分かったから、縛られたままの足で政行さんを蹴る。

一応、力加減はしたけど、多分爪先が少し政行さんの肌を引っ掻いた感触が伝わった。

 

「いて」

「もう……っ、手か足か、せめてどっちか解けって! 俺だって、いい加減触りてぇんだよ……!」

 

焦らされるのは嫌いなわけじゃないけど、限界だってある。

せっかくセックスしてるんだったら、やっぱり触りたいし触られたい。

政行さんの手が足の方に伸びた。

ようやく、解いてくれるつもりになったらしい。

足に縛ってあったワイシャツが解かれ、ちんちんのネクタイも解かれ。

次いで、手首と目の方のネクタイも解いてくれた。

視界が開けて、真っ正面に政行さんの顔を確認した途端、政行さんの頭を掴むようにして、唇にキスした。

さっき、物足りなかった分、少し舌で口の中を掻き回した後は、唇を離し、少し強めに政行さんの耳を噛んだ。

この位の仕返しはいいだろう。

 

「っと」

「ったく……クリーニング出す前に、手間増やしてどうすんだよ。そりゃ、下洗いして干しときゃ、朝までに乾くだろうけど! ……下洗い出来るまでに、まだ時間掛かるのに」

「何とかなんだろ。……続けていいよな?」

 

どうせ、続けるつもりだろうとは予測してたけど、俺もまだ収まりがつかない。

精液で汚れたネクタイと、ワイシャツを見ながらつい溜め息が出る。

あと一回した後でも、まだどうにかなるだろうけどさ。

 

「ん……そりゃ、まぁ。やっぱりまだ物足りねぇっていうか、政行さんにちゃんと触りたいし」

「中にも欲しいし?」

「……中に挿れたいのは政行さんもだろ。んな、狡い言い方すんなよ」

 

政行さんの手は俺の腹から離れてない。

これだけしといて、このまま終わりにって出来ないのは、政行さんこそ思っているはずだった。

 

「悪ぃ。……でも、嫌じゃねぇよな」

「…………当たり前だろ」

 

嫌だったら、そもそも縛られる段階で許してるわけねぇんだから。

触れていなかった分、体温を感じたくて政行さんの身体に絡みつくように抱き締める。 

政行さんが微かに笑いながら、濡れた手で俺の腰を探り始めた。

繋がりを意識して、つい声が零れていく。

そのまま、袋や後ろ側に辿っていく指に、また張り詰めていくのを感じながら、政行さんに身体を預けた。

 

 

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