若い時に付き合っていて、堀先輩の結婚を機に別れたけど、十数年ぶりに久々に再会したという流れの堀みこ。
番外編です。十数年前の堀みこの別れの一幕を鹿島くん視点で。
初出:2015/03/24 同人誌収録:2015/06/14(Immorality of target。掲載分に多少の修正等あり)
文字数:7249文字
「鹿島ちゃん、お疲れ様でしたー」
「お疲れ様でーす」
「今からどうよ、飲みに行くの?」
「あはは、すみませんー。疲れたし、明日久々に一日お休みで人との約束入れてるから帰りまーす。お疲れ様でした!」
危ない、危ない。
半日休みとか、出てきても僅かな仕事だけということはあったけど、丸一日休めるなんて、二ヶ月ぶりなのだ。
そんな、せっかくの貴重な休みを飲みで潰したくはないから、さくっとお誘いはかわして家路へと向かう。
歩きながらスマホでちらりと時間を確認したら、もう日付が変わりそうな時間だ。
バラエティ番組の収録って、どうしても遅くなりがちなんだよねぇ。
つい、疲労感から溜め息を吐いた。
本当はバラエティ番組に出るのはあんまり気が進まないんだけど、これも仕事だから仕方ないこともある。
出来れば、報道番組や情報番組だけでやっていきたいのが本音だけど、上からのお達しというのもあるから、そうは行かない。
思い切ってフリーになるっていう手もあるけど、それはそれでスケジュールの調整や、お金の管理面とかが大変そうだし。
もう何年かはこのまま局所属のアナウンサーって形でやっていくつもりだ。
局のエントランスを出ると、さっき迎車をお願いしていたタクシーが到着していた。
この時間だと電車は無理だから、どうしてもタクシー頼りになってしまう。
ただ、今日みたいに雨が降っている日は有り難い。
天気予報に従って、折りたたみ傘は持って来ていたけど、予想以上に降りが強くなっていた。
急ぎ足でタクシーに乗り込むと、自宅マンションの場所を告げる。
「随分、降ってますね-。朝は小雨だったのに」
「そうですね、夜八時過ぎくらいですかね? 結構降りが強くなったのは」
タクシーの運転手さんがそう返してくれた後は無言になる。
微かに聞き取れる程度のラジオの音だけが車内に響いた。
良かった、あまり会話しないタイプの運転手さんだ。
偶に私の顔を知っていて、アレコレ聞いてくる運転手さんもいるけど、疲れている時にはそういうタイプの運転手さんは正直鬱陶しい。
けど、下手な受け答えも出来ないのが辛いところだ。
そういう点、今日の運転手さんは個人的には当たりだった。
スマホでメールチェックしたり、ネットを見たりしていたら、マンションに到着した。
マンションの一階にはコンビニが入っているから、朝、のんびり出来るように朝食用のお弁当だけ買って、家に帰る。
ああ、休みは何して過ごそう。
久し振りにショッピングするのもいいけど、家でまったり過ごすのもいいな。
時間も時間だし、マンション内でも人に会わないだろうって思っていたら、自室の階にエレベーターがついて、降りた途端に自宅の玄関前に人の姿を確認した。
それが誰なのかを確認して、一瞬足が止まる。
「…………御子柴?」
私の声で、玄関の扉近くに蹲っていた御子柴が顔を上げた。
「よう、お帰り。鹿島」
「もう、来るんだったらメールくらいしてくれれば……どうしたの!?」
近づいたところで違和感に気付いて、慌てて駆け寄った。
御子柴は全身ずぶ濡れで、浮かべている表情が酷く昏い。
掴んだ手首が思っていた以上に冷たくてぞっとする。
寒さからなのか微かに震えも伝わった。
ここ数日、秋が深まって寒くなり始めているのに、一体どの位の時間ここに居たんだろう。
雨に直接当たらない分はマシだろうけど、このマンションは中央部分が吹き抜けになっているから、廊下部分に居たら外の気温の影響はモロに受ける。
御子柴の手首も冷たくなっていたけど、唇もほんのり青みがかっていた。
「待って、いつからここに居たの!?」
「あー……夜、だったけど、スマホの電源切ったままだから時間までは分かんねぇ」
私の問いかけに応じる様子がどこか虚ろだ。
こんな御子柴見たことない。
何かあったのは明白だけど、理由を問い質すのは後だ。
こんな状態のままじゃ風邪引いちゃう。
「ああ、もう! お風呂沸いてるから、直ぐ入って暖まって!」
「え、でも、おまえ」
「いいから、言うとおりにする!」
玄関の鍵を開けて、御子柴の腕を引き、脱衣場まで連れて行って、ドアを閉める。
出勤前にタイマーで沸かして置いたから、直ぐにお風呂には入れる状態なのが幸いだった。
「着替え用意しとくから、とにかくお風呂入って! タオルは其処にあるのどれでも使っていいから」
「…………悪い」
御子柴は背丈が私とあまり変わらないから、ちょっと余裕のあるスウェットとかなら私の服でも十分着られる。
下着……は流石に仕方ないから、下のコンビニ行って買ってこよう。
あと、お酒とおつまみもあった方がよさそうかな。
浴室から水音が微かに聞こえ始めたところで、私は下のコンビニに向かった。
***
「悪い、結構長く入っちまってた」
そう言いながら、御子柴がお風呂から上がったのは一時間以上経ってからだった。
流石にお風呂で暖まったからか、顔色が良くなっていることにほっとした。
「いいよ、別に。ビールでも飲む?」
「ん……」
返事をしてはくれたものの、気分はあんまり乗らなさそうだ。
一応、缶ビールを開けて、グラスに注いで御子柴の前に差し出す。
「一体どうしたの、御子柴。堀先輩と喧嘩でもした?」
何気なく言ったつもりだったけど、私の言葉に御子柴がびくっと身体を震わせた。
あれ、図星だったかな。
御子柴はもう結構な年数、堀先輩と付き合っている。
私が知ったのは大学時代だったけど、その前から関係はあったらしい。
初めて聞いた時はびっくりしたものの、二人が揃っている時の雰囲気は穏やかで、ああ、良い関係結んでるんだなって思ってた。
「…………喧嘩、ならまだ良かったんだけどな」
「え?」
「別れてきた。堀先輩、結婚するって言ったから」
「…………はぁ!?」
男同士での結婚は日本じゃ出来ない。
となれば、堀先輩が結婚するって言った相手は御子柴ではないんだろう。
正直、訳が分からなかった。何考えてるの、先輩!?
ずっと、仲良く付き合ってきていたのに、まさかの二股ってこと!?
「相手、上司の娘さんだってさ。先輩は結婚しても関係続けようなんて言ってきたけど、俺が無理だ。やってける自信なんてねぇよ……っ」
「……何、それ」
自分でも乾いた声になったのが分かる。
そりゃ、先輩の演技力なら偽装結婚だろうと、相手に違和感を持たせないように接して生活していくことは出来るんだろう。
けど、御子柴にそれは酷な話だ。
第一、御子柴の性格を考えてみても、それが出来るとは思えない。
「いつまでもこの状態が続くとも思ってなかったけど、同時進行なんてそれこそ出来るわけねぇだろ……先輩の腕が他の人間抱くなん、て」
「御子柴」
泣きそうな声になった御子柴に近寄って、そっと腕を回す。
御子柴が逆らわずに、私の肩に頭を乗せた。
「……結婚、なんて考えたことなかった……。そうだよな、男同士なんだから、子どもなんて持てないし、そもそも籍だって入れられねぇんだよな、俺が相手じゃ」
「それ、いきなり言われたの?」
「ああ。そんで先輩の家出てきた。家に帰って、万が一先輩と鉢合わせすんのも嫌だったから、ここに来ちまった。……ごめん」
確かに堀先輩も私の家を知っているとはいえ、先輩が一人でここに来たことはない。
だからこそ、私のところに来たんだろう。
スマホの電源を切っていた理由もそれで察した。
「いいよ、別に。……でも、本当に別れるつもり?」
「ああ」
「御子柴」
「だって、実際俺相手じゃ家庭作るなんて出来ねぇだろ。けど、俺、結婚するような相手と続けていくことなんて出来ねぇ」
御子柴の感覚の方が当たり前だと私も思う。
……何で、先輩も結婚なんてすることにしたかなぁ。
それも、同時に関係を持とうなんて誘いかけるとか有り得ない。
「……俺、あの人じゃなくて、おまえを好きだったら良かったのに」
おまえだったら、女だし、結婚だって出来たよな、なんてぼやいた御子柴につい溜め息を吐く。
「それが出来ないのは自分で分かってるよね? 御子柴」
私は御子柴を親友としてしか見られないし、それは御子柴だって同じだろう。
親友としては誰より大事だと思っているし、他にこんな風に接していける相手もいないけど、きっと男女としての関係にはこの先もなれない。
御子柴の肩が震えた。
「……っ、鹿島」
「うん」
「…………俺、別れたくねぇよぅ……でも、無理だ……っ」
御子柴の絞り出すような声に胸が締め付けられる。
別れるって決めても、先輩が本当に好きなんだろう。
「泣いていいよ。……ここには私しかいないんだしさ。他に誰も聞いてないから」
「う……あ…………ああ……っ」
撫でた背中が震えて、嗚咽が零れ始めた。
外で雨の降っている音と御子柴の泣き声を聞きながら、私も御子柴にバレないように少し泣いた。
***
「御子柴。ベッド使っていいよ、私、あっちのソファで寝るから」
「そんなわけいくかよ。……おまえもこっちで寝ろよ。何もしねぇから。今、一人になりたくない」
私の手首を掴んだ御子柴が、まだ赤く腫らしたままの目をして私を引き留めた。
「何かするなんて思ってないってば。大体、御子柴がここで何か出来るようなタイプだったら、それこそこんなことになってないでしょ」
「…………う」
私から目を逸らした御子柴が手首の力を弱める。
御子柴の肩をぽんぽんと叩いてベッドに促すと、それ以上は何も言わずにベッドに潜り込んだ。
セミダブルのベッドは、二人眠れる余裕はちゃんとあるから、私も空いたスペースに潜り込む。
布団の中で御子柴が私の方に伸ばして来た手を取って繋ぐ。
御子柴が少し笑ったことに、ほっとした。
「……鹿島」
「ん?」
「おまえ、明日休みだったよな。ちょっと付き合って貰ってもいいか?」
「構わないよ。何処に?」
「……今のスマホ解約する。あと、引っ越したい。今の場所に居たくない」
スマホの解約については予想していたけど、引っ越しまでは予想外だ。
……本気で堀先輩を断ち切るつもりなんだ。
「…………御子柴」
「何もかも変える。俺が俺でいられるうちに」
「……本当にそれでいいの?」
「ああ。…………そうした方がお互いの為だろ、きっと」
天井を見上げたままの御子柴の目には何が映っているんだろう。
苦しそうな表情にも見えたけど、口ぶりからは固い決意みたいなものが感じられた。
「わかった。物件直ぐ見つかるとも限らないから、朝から動こうか。まずは、スマホの解約と新しいスマホの契約かな」
「そうだな。……鹿島」
「うん?」
「………………ごめんな」
私が久々に丸一日休みになっていることを御子柴は知っている。
だから、そのタイミングで私を付き合わせてしまうことへの謝罪なのかも知れないけど。
「いいよ、気にしないで」
大事な親友のためと思えば、お安いご用だ。
***
朝から二人で出掛けて、まず行ったのは御子柴が契約しているスマホを解約するために訪れた携帯ショップだった。
次は新たに契約するキャリアのショップ。
そこで一度お昼を食べてからは不動産屋だ。
今よりも御子柴の会社に近い場所で物件を探して、運良く直ぐに入居出来る希望物件が見つかり、即契約となった。
とはいえ、入居は最短でも三日後ということだったので、ひとまず荷物を明日運び出し、入居までの間はホテルに泊まることにしたようだ。
御子柴が契約についての説明をされている間に、私の方でも引っ越し業者に連絡を取って、明日の夜、仕事が終わった後に引っ越し出来るように予約を取り付ける。
繁忙期じゃないし、単身での引っ越しなら案外可能になるものだと知った。
そうして、引っ越しの手順を整えて、ホテルにも宿泊予約を入れた頃にはすっかり夕食の時間になっていた。
慌ただしい一日になってしまったけど、意外とどうにかなるもんなんだなぁとちょっと感心する。
今日やれることは一通りやったのを確認すると、一度私の家に戻ることにした。
家に着いてから、御子柴の新しくした連絡先を自分のスマホに入れ、お茶を淹れたところでようやく一息つく。
「お疲れ様」
「お疲れ。悪いな、一日付き合って貰って」
「いいよ。お昼も夜も奢って貰ったし」
ただでさえ、スマホのキャリア変更や引っ越しでお金がかかるから、自分の食事は自分で出すって言ったんだけど、御子柴がそれじゃ気が済まないって奢ってくれた。
「あ、鹿島。新しい連絡先だけど、堀先輩には――」
「言わないよ。最初から言うつもりもないから安心して。……大体それやったら、今、色々やってきた意味がないじゃん」
「……それもそうか」
休みを潰す形で一日がかりで動いたのがふいになってしまうのは、こっちだって切ない。
「……悪いな」
「もうちょっと話し合ってからでも、良かったんじゃないかとは思うけどね。でも、御子柴がこんなに素早く行動していくなんて、よっぽどなんだろうって思うし」
私はあくまでも御子柴側からしか話を聞いてないけど、御子柴が昨夜みたいに泣いたのも、こんな風に迅速に次々と行動していくのも、今までに経験がなかったことだ。
何だかんだ言っても、私は堀先輩よりは親友である御子柴の味方をしたい。
「…………嫉妬って怖いよな」
マグカップに入れたお茶を飲みながら、ふと御子柴がそんな事を口にする。
「御子柴?」
「相手の性格は勿論、顔も名前も知らないのにさ。女ってだけで当たり前のように先輩の妻ってポジションを確保出来るんだなって思っちまった」
「……御子柴」
御子柴のマグカップを持つ指が微かに震えている。
「結婚したら、子ども持つ可能性だってあるし、籍入れた時点でその相手が正式なパートナーになるんだよな。そこにある感情なんて関係なしに」
「…………そうだね」
先輩が本当にその相手を好きだから選んだのか、単に世間体からの打算によるものでしかないかは分からない。
でも、一つ確実なのは。
「いくら、先輩を好きでも、そんな相手が出来るってのを分かっていて、これ以上一緒になんて過ごしていけない。俺の知らないところでその相手とどうにかなってることを考えながらとか、やっていけねぇよ、俺」
堀先輩の決断によって、こうして御子柴が苦しんでいるってことだ。
大事な親友に、こんな哀しい顔をさせた先輩を私は軽蔑する。
「……鹿島」
「ん?」
「迷惑かけて悪い。……多分、俺と連絡取れなくなったの先輩が知ったら、真っ先におまえの方に教えろって連絡入ると思う」
なのに、御子柴は私を気遣って申し訳なさそうに呟く。
こっちのことなんて、気にしなくたっていいのに。
「いいよ。それは予想の範疇だから。そういうのは気にしないで」
御子柴と先輩の共通の知人という括りなら、私だけでなく千代ちゃんや野崎とかもいるけど、御子柴の親友であり、演劇部での後輩でもあった私のところにまず聞きに来るだろうことなんて、火を見るより明らかだ。
「ごめん」
「だから、それについては謝らなくていいってば」
「ん……まぁ、それもあるけど」
御子柴が、私の肩に額を触れ合わせる形で寄りかかってきた。
……多分、顔を見られたくないんだろうな。
「……俺、まだ時々は泣くかも知んねぇ」
それでも、御子柴がそんな弱い部分を見せるのは、きっと私にだけだろうから、仕方ないよね。
気が済むまで、甘えて、少しでも楽になってくれたらそれでいい。
「…………いいよ。きっと泣いちゃった方が楽になるんだろうし。ああ、でも外よりは家で泣いてくれた方が私としては助かるかなー。外だと私が泣かせたって思われそうだから」
ごく軽く聞こえるように返すと、微かに笑った気配がしたことにほっとする。
「…………本当に好きだったんだけどなぁ」
「……うん」
それでも、過去形で呟く御子柴の心境を思うと酷く切なかった。
***
「鹿島。御子柴の連絡先を知っているな?」
御子柴が私のところに来てから四日目。
予想通りに堀先輩が私のところに御子柴の消息を尋ねに、わざわざうちの局のエントランスまで来ていた。
先輩にしては、珍しい位に最初から苛立ちを露わにしている様子がありありと分かる。
いや、もしかしたら苛立ちというより、焦りかも知れない。
演技力はプロの俳優にも見劣りしないレベルの先輩が、こんな風に取り繕うことも出来ないくらいに御子柴のことで動揺するのなら、どうしてもっとあいつを大事にしてあげなかったんだろう。
「御子柴の連絡先なら知ってますけど、教えられません」
「おい」
「教えるなって言われましたから」
「……それはあいつが言ったのか」
「教えるなっていう理由なら、先輩の方がよく分かってるんじゃないですか?」
あくまでも笑顔のままで私はそう応じる。
言葉を詰まらせた先輩が黙り込んで、しばし二人の間に沈黙が続いた。
……ねぇ、堀先輩。
取り返しのつかないことだって、あるんですよ。
気付いてからじゃ遅いことだってあるんです。
先輩なら、分かっていたはずじゃなかったんですか?
親友の私よりも、あいつの近くにいたのは先輩でしょう?
「……教えるつもりはないってことか」
「分かって頂けて有り難いです。それに――」
「ん?」
「大事な親友泣かす人には私としても教えたくないです」
大事な、というところを強調しながら、先輩の目を真っ直ぐに見返す。
先輩の目が戸惑いからか揺れた。
「……っ」
「あ、それはそれとして、ご結婚おめでとうございます。式には呼んで下さいね! 私、先輩の式で出し物するの夢だったんで。それじゃ、お疲れ様でーす。」
「鹿島! 待っ……」
最後に皮肉も投げかけて、先輩の返事は聞かずに駅への道を歩き出す。
先輩は思うところがあったようで、私を追っては来なかった。
ここまですれば、先輩は流石にこれ以上御子柴について尋ねては来ないだろう。
そこまで話が分からない人ではない。
別に御子柴のことがあったからって、堀先輩との交流を断つ気まではないけど、御子柴の消息について教えてあげるつもりは今後もない。
御子柴が先輩のことを吹っ切れるようになるまで時間はかかるかも知れないけど、せめて、あいつが泣きたくなった時には、安心して泣ける場所でいよう。
たった一人の親友だから。
堀鹿にならない演劇部コンビと、みこかしにならない親友コンビが新鮮さを覚えつつも難航しました。
鹿島くんをいい女に書けたかなとは思っています。
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