例によって春告げルートでの話。
当時、某方とやろうという話になってたもの。
初代救世主直系の家に双子が生まれたけど、その片方が玄冬。
「……何てことでしょう。この家に……救世主さまの血の流れを汲む我が家に『玄冬』が生まれるなど、あってはならないこと。すぐに鳥達に引渡しを。……生まれたのは一人、嫡子たる銀(しろがね)ただ一人」
「せめて、せめて名前だけでも……他に私たちにはあの子に何もしてやれないのですから」
鐡と名付けられた玄冬は、直ぐに塔に幽閉され、いつものように黒鷹に育てられていく。
双子は双方、お互いの存在を知らずに成長していくも、銀はふとしたことで玄冬が自分の双子の片割れだと知ってしまう。
そして、銀の幼馴染みの救世主である白雪も、鐡(玄冬)の存在を教えられるけど、かつての花白のように彼に惹かれていく。
自分一人が残されたような感覚に陥り、心のバランスがおかしくなり始める銀。
白雪に殺しをさせたくなかったからか、本来なら双子の片割れである鐵をとられてしまう気がしたからなのかは、銀本人にも分かってない。
銀が鐵に抱く思いは愛情なのか、憎しみなのか、さらに何か違うものか。
「面白くなってきたじゃないか。よりにもよって救世主の直系たる家にあの子が生まれてきたとはね」
「偶然、『玄冬』の生まれた家があそこだった。……それだけの話でしょう」
「そうかい? 私は思うけれどもね」
――これは何か変化が起きる前兆なのだと。
- Memo
- 久々にメモに目を通すと、いつかどうにかしたいなぁとは思うのですが……うーん。