結婚後堀鹿←御子柴。タイミングは双子誕生からちょっと後くらい。
部屋で足を引っかけて、転びかけた鹿島くんを慌てて支えようとした御子柴が、不慮の事故的な感じで、鹿島くんの胸に触ってしまう。
運の悪いことに堀先輩の目の前で。
胸に触れたのは不可抗力だと分かっていても、面白くない先輩が御子柴に当て付けるように、ひっそり鹿島くんにお仕置き。
うっかり見てしまった御子柴がそれと胸の感触を思い出しつつ自慰行為。
御子柴視点は自慰行為で、堀先輩視点は堀鹿エロ。
***
「……何で、ブラ着けてない」
「その、授乳するのに邪魔かな……なん、て」
「何の為に授乳用ブラあんだよ。……バカじゃねぇの」
「……っ!」
(堀先輩、御子柴が聞いてるのを悟っていながら、鹿島くんにお仕置きして、胸だけでイカせる)
「胸だけでもイケるくらい弱いくせして、無防備すぎんだろ、おまえ」
「……う」
「続きは夜だ。とりあえず、さっさとブラ着けてこい」
「せ……んぱ……怒った、の……?」
「…………あのな、遊」
――俺はおまえが思っているより、ずっと嫉妬深い人間なんだよ。
***
「御子柴」
「はい? 何すか?」
「意外に悪くねぇだろ、あいつの胸の感触」
「…………勘弁、してください」
「悪い、ちょっとからかいたくなっただけだ」
これほどまでに悪い、に情感の籠もっていない言葉もない。
全然、目ぇ笑ってねぇし。
***
――ダメ……せんぱ……お願い。
か細くて、切なく哀願するような響き。
まるで、女のような声だった。いや、ような、じゃない。
実際、あいつは女だ。堀先輩の女。
夫婦なんだし、とっくに子どもだっているんだし、そりゃ、することしてるんだと分かっていたつもりだけど。
――あっ…………ダメ……っ!
――胸だけでもイケるくらい弱いくせして、無防備すぎんだろ、おまえ。
…………そんなに胸弱いのかよ、あいつ。
そんなに――堀先輩に開発されたってのか。
「……くそっ」
***
「や……せん、ぱ…………っ!」
全部、俺が。
遊をこんな風にした。
互いに初めてセックスした相手で、他は誰も知らない。
知るつもりもない。
子どもが出来たことで、前よりも膨らんだ胸も、子どもたち生むときに切開して、傷の残っている会陰も、年を重ねたからか、昔より柔らかくなった肌も全部。
「……誰にも、やらねぇ、よ……っ」
「あああああ!」
こいつは、俺の……俺だけのものだ。絶対に誰にも渡さない。