タイトル通りの内容ですので、同軸リバが大丈夫な方で。
元々リバ好きなので、カプにハマってしばらくするとこの手の話をやりたくなる傾向にあります。
曖昧な関係シリーズの続き的なものでもあるので、向こうの話で書いてるネタが出て来ます。
「ちょっと、先輩! それ使うのもう嫌ですよ」
まだ、これから使うとも何も言っていないのに、俺がサイドテーブルから取り出したケースに入ったスティックピンを見ただけで、御子柴が後ずさりした。
「別に今日使うって言ってねぇだろ」
「今日に限らず、今後それ使うのは嫌です!」
「そんな悪くなさそうな反応してた癖に」
「そ……っ! そもそも、俺を動けないようにしといて、そりゃないっすよ!?」
実際、二回目にイッた時なんて、俺がネクタイやシャツを解いたときも、快感の余韻に浸ってぐったりしてたぐらいだったのに。
いや、その状態を身体が覚えていて、なおこんな風に嫌がるってのは、本気なんだろうとは分かるけど。
「大体、先輩は挿れる側だから、そうやってピンなんかさらっと持ち出したりしますけど! >あれ、すっげぇ怖かったんすからね!! こっちの身体を何だと思ってるんですか!」
「何だも何も、ちゃんと御子柴の身体だって認識してるぞ?」
「だーっ! そういうことじゃなくて! 例えば! ピンじゃなくても、俺が先輩に挿れてみたいっつったらどうなんです!? 嫌じゃないっすか!? 人の嫌がることをやらないって基本ですよね?」
「ん? 挿れるってのは、尿道に何かって意味か? それとも、普段と逆におまえが俺に挿れたいって意味か?」
「後者ですよ」
「……いいんじゃね?」
「は?」
御子柴にもちんこはついてるし、時々凄ぇ気持ち良さそうな反応するから、言われてみたら一度試してみるのもありだなって気がしてきた。
御子柴のは細身だから、あんまししんどそうでもないしな。
気の毒だから、今は言わないでおくけど。
問題は……こいつがうるさそうな点だな。
今だって、鳩が豆鉄砲食らったような顔してるし。
「あの……先輩。俺が言った意味伝わってます?」
「あ? おまえが俺に挿れたいって話だろ? やってみたらいいじゃねぇか」
「え。いや、その……挿れ……あ、え……ええええ!?」
予想通り、いや、それ以上か。
コトが始まる前から既にうるさい。
顔を赤くした御子柴がさらに後ずさりして、部屋のドアに背中をぶつけた。
自分で言いだした癖に、なんでここまで狼狽えるんだかなぁ。
男だったら、穴ん中に突っ込みたいって欲もあるだろうし、色々プレイを変えて楽しみたいってのもあるし、俺としてはそう悪くもねぇんじゃないかって思う。
ベッドに腰掛けて、御子柴を手招きして呼ぶと、困惑した御子柴が戸惑いつつも俺のところまで来た。
直ぐ近くに来た御子柴の手首を掴むと、指先に少し速めの脈動を感じた。
「いや、あの。……本当にいいんすか」
「何がだ?」
「その……俺が先輩に挿れても」
「ああ」
「俺、挿れる方初めてなんすけど」
「誰だって最初は初めてだろ。俺だってそうだったし」
つ、と掴んでいる手首を指先で擽るように弄ると、すぐ近くにある御子柴の中心部分の布が軽く迫り上がる。
もう一方の手をそこに重ねて置くと、まだちょっと反応した程度だった。
「…………自信ねぇっす。怪我させても申し訳ないし」
「本当に無理そうなら、ちゃんと言うっての」
散々、好き放題やってきた俺が言うのもなんだが、人がいいよなぁ、こいつ。
つい、さっきだってスティックピンに怯えていたのに、この様子だと俺の方に逆にピンを使おうっていう発想はなさそうだ。
まぁ、俺としてもそっちまでは正直遠慮してもらいたいとこではあるが。
こんな風にヤる前から狼狽えてるやつに、いきなりそこまでは無謀だろうと思うし。
御子柴に触れていた両手を離し、ベッドから立ち上がる。
俯き加減に俺から目を逸らしている御子柴の頬を両手で挟むようにすると、御子柴が不安そうな目のままで俺を見た。
「そんな深刻に考えんなよ。ものは試し、くらいの感覚でやりゃいいじゃねぇか。……御子柴」
「せんぱ……んっ……!」
唇を重ねるが、いつもみたいに舌は入れずにただ触れ合わせるだけにした。
御子柴がそれに驚いたのが分かる。
こっから先はおまえがやるんだよ。
「おまえも男だろ。何だよ、そんなに自信ねぇか?」
軽く挑発するような口ぶりで煽ってやると、微かに御子柴が眉を顰めた。
まだ、迷いも窺えたが、それでも腹は決まったようだ。
「……っとに。知りませんよ」
背をホールドされて、今度は御子柴側からキスされた。
こいつから舌入れてくるのは新鮮だな、と感じながらそれに応じる。
シャツ越しに感じた御子柴の手のひらが、早くも熱くなり始めていた。
***
いつもと違って、ベッドの上で御子柴に見下ろされるってのは妙な感じだ。
多分、こいつのやり方はゲームを踏襲しているなっていうのは、何となく最初の時点で分かった。
少し前に、エロゲーと重ね合わせてヤッてみた時のことを思い出す。
あの時の流れに結構近い。
こうやってじっくり触ってくるのは、単にゲームに忠実なだけなのか。
それとも、御子柴がそうされたかったのか。
……こいつ、結構甘えたがりなところあるしな。
何となく、一人っ子だっていうのは納得出来る。
「御子柴」
「はい?」
「もっと触ってやった方が良かったか?」
一瞬きょとんとしたが、少しして俺の言っている意味に思い当たったらしい。
「あ、いや、その先輩の動き方が不満とかそういうんじゃなくて! ……せっかくだから、もうちょっと触りたい、とか思って。触んない方がいいっすかね」
「いや。おまえの好きに動いてみろよ。止めたりしねぇから」
「ん……」
御子柴がまた唇にキスしてきた。
こいつ、結構キス好きなのかな。
さっきから通算何度目のキスか、もう覚えていない。
とはいえ、所々にキスを入れられながら、焦らされる感覚は思っていたよりも悪くなかった。
けど、される一方ってのもやっぱ落ち着かねぇもんだな。
御子柴の背中に手を回して、背中を撫でると御子柴の動きがぴたりと止まった。
「ちょっ……先輩!?」
「あんま、マグロでもつまんねぇだろ。背中触ってやるよ」
「んっ……ふ」
手を伸ばして、御子柴の背骨を指先で感触を確認しながら辿る。
こいつ、あんまり余分な筋肉も脂肪もついてないから、骨の形分かりやすいんだよな。
そして、骨が浮き出ている部分ってのは、大概敏感だ。
御子柴が俺の肩に頭を押しつけて、そのまま動かなくなる。
これじゃどっちが攻めてるんだか分かりゃしない。
「……おい。反応しすぎだろ、おまえ」
「……れ……が」
「ん?」
「誰、が……そもそも、そうしたと思ってるん……です、か」
顔を上げた御子柴が、色っぽい視線で俺を見る。
ま、そう言われると俺だよなとしか返せないわけだが。
「……前から思ってたんすけど」
「ん?」
「先輩、妙に手慣れてるとこありますよね。……経験、結構あったんすか」
まるで、嫉妬しているようにも聞こえた言葉につい笑っちまう。
益々、気分を損ねたような表情になった御子柴が可愛くて、つい頭を撫でた。
「男はおまえが初めてだよ」
「……含みのある言い方っすね」
***
ここからはちょっと裏話なアレを。
First XXXで堀先輩は女との経験ありというのを書いたので、この書きかけになってる終盤あたりのはアレコレ変えることになると思います。
この話が書きかけのままなのであんまり言ってませんが、うちの堀みこは基本は堀が御子柴に挿入、でもごく稀に逆もすることがあるというのだったりします。
実はImmorality~でも、久々に再会した後にリバでみこ堀パターンも一つくらい入れたかったのですが、これを話として書かないことには微妙だなぁと没にしたのでした。
いつか、Immorality~のアフターストーリーで書いちゃうかも知れないけど←