ベースは紅敬だけど、鬼龍くん側が蓮巳が抱く方に回った時にどうなるか見たいからと切り出して、逆転を試してみる紅敬前提敬紅。
そんな書きかけの状態ですが、それでも構わない方だけどうぞ。
あと、同軸リバが大丈夫な方で。
※2018年2月25日に開催されたbrilliant days 13で『Reversible』というタイトルで本にしました。
「なぁ。旦那、これまで何使ってヌいてたんだ?」
「……唐突に何の話だ、貴様」
鬼龍と情を交わすようになってから、数ヶ月。
当初は行為に痛みや苦しさが伴ったが、最近は慣れてきたからか快感の方が強い。
今日は俺の家の方に鬼龍が泊まっていたが、セックスが終わってそんなことを言いだした。
「いや、単純に気になってよ。てめぇの部屋に来たのは何度かあるけど、エロ本とか見かけねぇから」
「表に出してないだけだ。大体、貴様の部屋でも見かけた覚えはないぞ」
「そりゃ、うちは妹いるし、目に入っちゃまずいから厳重に隠してる。けど、旦那は男兄弟だろ?」
「だからと言って堂々と出しておくいわれはない。……最近はあまり使ってもいないしな。どうした?」
鬼龍とセックスすることを覚えてからは、自分でする頻度も少なくなっていたし、する場合もつい鬼龍とのセックスを思い出してしまっているから、気付けば使う機会がなくなっている。
故意にそうしているわけではないが、いざ自慰をする段階になるとどうしてもセックスの時の鬼龍が脳裏を過ぎっていく。
表情、仕草、挙動、声、体温、匂い――それらが纏わり付いて離れない。
「……いや。旦那も逆の方やってみたかったりすんのかって、ふと気になったんだ」
「逆……とは俺が挿入するという意味合いで間違いないか?」
「おう」
「そりゃ、俺も男だし、興味がないとは言わんが……別に今の状態に不満があったりするわけではないぞ?」
それとも貴様がさせてくれるつもりなのか?と軽く返したが、鬼龍は至って真面目な表情で頷いた。
「旦那だったら、それも悪くねぇって思うんだよな。というか、旦那が抱く方に回った時、どういう感じになんのか見てみてぇ。かと言って、他の誰かとするのを見たいわけじゃねぇから、だったら俺がってとこなんだけどよ」
「鬼龍」
「俺はこっちの旦那の初めても欲しい」
「……初めてなのは貴様もだろう」
(中略)
「こっちは初めてだから、ぎこちなくなるだろうし、多分、いや、間違いなく痛い思いをさせると思うがいいのか」
「ああ。というか、俺こそ散々旦那に痛い思いさせてんだけどな」
「最近はそうでもない」
(中略)
「なん……つーか」
「ん?」
「……改めて、凄ぇ格好だよな。こう、心許ねぇ」
全裸で足を開き、人に見せるような場所ではないところを曝け出す。
「心許ないからこそ、貴様以外に見せるつもりはない。少なくとも俺はそう思ってる」
(中略)
「んっ!」
「ああ。この辺だな」
「はっ……」
顔を覆おうとした鬼龍の腕を掴んで、それを食い止める。
鬼龍が一瞬目を丸くしてから、苦笑いを浮かべた。
「抱いている時の俺を見るんじゃなかったのか」
「悪ぃ、無意識だった」
「まだ序の口だぞ。――もっとも、身体を繋げてしまえば、羞恥心を感じているような余裕もなくなるがな」
ピアスごと、鬼龍の耳をそっと指先で撫でた後は、唇だけで辿っていく。
零された熱っぽい吐息に、俺の方も興奮を煽られる。
学院最強と謳われる男を組み敷いているのだと思うと、普段とはまた違った愉しみを感じていた。
「そんなもんか。まぁ……俺も途中で大分余裕なくなるけどよ」
「鬼龍が切羽詰まった時の顔は結構好きだ。俺の方にそれを存分に楽しむ程の余裕がないのが残念でもあるがな。今日の場合だとどうなるだろうな」
イク寸前なんかだと快感が強すぎて、正直恥じらいどころではない。
ただ、鬼龍も快感に表情を歪めるくらいはどうにか確認出来る。
その表情が余計に精神的にも肉体的にも煽って、堪えきれずに――となるのが常だ。
最中の自分の顔など鏡で見たことはないから分からないが、恐らくそこは鬼龍も似たり寄ったりだろう。
「……ん」
「は、あっ……あ、く」
鬼龍が歯を噛みしめる音が聞こえた。
やはりキツそうだな。
自分の時を思い出すと少し懐かしくもある。
割り開いていく熱が想像以上の圧迫感で、痛みよりは苦しさを感じていた。
今、こうして挿入してみると包んでくれる熱さに、すぐにでも動いて貪りたくなってしまう。
よく堪えてくれたものだ。俺も堪えねば男ではないな。
鬼龍の唇を指でなぞってから唇を重ねると、少しだけ繋がった場所に余裕が出来た。
その隙に深い場所まで挿入を進める。
「……大丈夫か」
「……ああ。悪ぃな」
「? 何がだ?」
「俺でこんなんじゃ、てめぇはもっとキツかっただろうなって思ってよ」
モノの大きさの意味だと理解するのに、そう時間は掛からなかった。多少、癪だが事実だ。
「そうだ……な。貴様のモノはデカいし、キツかったのも確かだが……」
言いながら鬼龍のモノを軽く握る。
「だからこそ、自分の中をいっぱいに埋められたという感覚で悪い気はしなかった」
「っ!」
手の中の鬼龍のモノが俺の言葉に固さを増した。