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凸凹レッスンでの紅敬<あんさんぶるスターズ!・紅敬>

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最初に書こうとしていた紅敬話でした。(過去形)

何となくで途中まで書いているうちに、修学旅行イベが始まって、そっちでのネタが固まったので、こっちが中途半端な状態に。

そんな書きかけの状態ですが、それでも構わない方だけどうぞ。

 

「まったく……あいつは本当に度し難い」

 

つい先程までの日々樹とのやり取りを思い出すだけで腹立たしい。

アイドルとしてより高みを目指し、これまでにない魅力を引き出すために新たな試みとして、普段のユニットメンバーと違う相手と一緒にレッスンをというのは得られたものも多かったが、相手が相手なだけに心労も絶えなかった。

適度な緊張感をもって練習するのはいい。

だが、あいつとの場合はそうはならない。

ある意味緊張感はあるが、緊張の方向性が違う。

 

(中略)

 

「ん? まだ残っていたのか、鬼龍」

「おう。蓮巳の旦那こそ、まだ校内にいたんだな」

 

3-Aの教室に戻ろうとしたところで、一人3-Bの教室に残っていた鬼龍に気付いて足を止めた。

鬼龍が俺の方にちらりと視線を向けた後、また手元の衣装へと視線を戻す。

何やら衣装を縫っている最中のようだが、鬼龍が手にしている衣装には見覚えがなかった。

和の趣を織り込まれたデザインからすると、紅月のを想定しているように思えるのだが。

そのまま3-Bの教室に入り、鬼龍の向かいの席に座った。

 

「珍しいな。教室でやっているとは」

 

いつもなら、この手の作業は空手部の部室でもある道場を使っているはずだ。

今日は空手部の部活動がある曜日でもない。

 

「ああ。大会が近くてみんな自主練してるからな。俺は三年だからもう大会には出ねぇけど、邪魔するわけにはいかねぇだろ」

「なるほどな。そういうことか。それは次のライブの衣装か?」

「ああ。おまえが来たならちょうど良い。少し着て貰って確認してもいいか? これ旦那の分の衣装だから」

「いいだろう。ちょっと待て」

 

耳をすましてみても、人が来そうな感じはしない。

ならばと、手にしていた紅月のユニット衣装と横笛を机に置いて、鬼龍から衣装を受け取る。

仮縫いの段階らしい衣装は、まだ細かい装飾こそついていなかったが、袖を通してみる分には差し支えないところまでは出来ていた。

 

「ワイシャツも脱いだ方がいいか?」

「いや、中にもう一枚インナーも着て貰う想定だから、ワイシャツはそのままでいい」

「わかった」

 

制服のブレザーを脱ぎ、ネクタイを外してから、シャツの上のボタンを幾つかはずし、襟元からはシャツが見えないよう広げてから袖を通す。

 

「ちょっと後ろ向いてくれ」

「こうか」

 

鬼龍に背を向けると、鬼龍の手が背や肩のあちこちを触っていく。

が、途中、肩の辺りを確かめるようにしばらくそこで手が止まった。

 

「旦那よぉ。ちっと痩せたか? 何か肩が薄くなってる」

「ん? ……そういえば、最近日々樹とのレッスンで頭痛はするわ、胃は痛いわで、少し食欲は落ちていたかも知れん。どうにも気が休まらなくてな」

「おいおい、大丈夫かよ」

「大したことはない。すぐ戻るからサイズの調整までは必要ない」

「ああ、そうか。今日で終わりだったな」

「そうだ。ようやく終わった」

 

(中略)

 

「fineの衣装も悪くなかったけどよ。やっぱり旦那は紅月の衣装を着ている方が似合うな。神崎も神崎で深海とのレッスンで衣装交代してたから、少し寂しいというか複雑だったな」

「……少し前までナイトキラーズとして臨時ユニットを組んでいた貴様がそれを言うか。紅月は上品すぎるから、たまには荒々しいのもいいと、随分と乗り気でこなしていたようだが?」

 

(中略)

 

「何だ拗ねてたのかよ、旦那」

「拗ねてなどいない。……って、おい鬼龍」

 

背後から肩を抱かれて、つい周囲の状況を確認してしまう。

幸い、他に人はいないし、誰かが来そうな気配も今のところはない。

 

「……学院内だぞ」

「誰もいねぇんだから、ちょっとぐらいいいだろ。ナイトキラーズが普段と違って楽しかったのは否定しねぇよ。でもそれは紅月っていう帰る場所があっての話だぜ」

 

(略)

 

 

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