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紅敬♀女体化ネタ(Rebirth全体の構想から)<あんさんぶるスターズ!・紅敬♀>

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先日(2016/01/20)の日記の追記部分でもちょっと書きましたが、さらに長くなりました。
蓮巳が女性になっての紅敬♀。

年内目標で、改めてシリーズとして連載開始予定です。

一部は2016/07/30発行の紅敬♀本『Rebirth』に収録しましたが、とりあえず連載始めるまでは置いときます。

(続・紅敬♀女体化ネタとしてた方は大半を本に収録した&サンプルにも掲載している部分があるので、サイトからは撤去しました)

Aboutでも書いてますが、女体化好きです。
特に後天性で男だったときの身体と、女性になってからの身体の差を書くのが好きでして!

生理・結婚・妊娠・出産ネタまでぶっこんでますので、ダメな方はスルーでお願いします。

 

予期しない出来事というのは、生きていればいつか何かはあっておかしくないものだと思っていた。

予定調和どおりになど行かないのが人生だし、だからこその面白さもそこにはある。

が、いくら予期しない出来事とはいえ、その時、俺の身の上に起こったことは、面白さ云々を言えるような状況ではなかった。

どこの誰が一体予測出来ただろう。

ずっと、男として生きてきたはずの自分が、ある日いきなり女になってしまうなんてことは。

 

***

 

「お疲れ様です! 今日も差し入れあった分は楽屋に置いときましたんで!」

「ああ。ご苦労。いつもすまんな」

 

紅月のライブ終了後、控室に向かう途中でライブの準備をしていた下級生からそんな言葉を掛けられた。

 

(中略)

 

「っ!?」

 

一口飲んだところで味の異変に気付いた。

茶の味に混じって、何か変に苦い味が纏わり付く。

何か異物が混入されている。

反射的に咳き込んだせいか、テーブルに置こうとした茶碗はそのまま床に落としたらしい。

派手に陶器の割れる音が響いた。

 

「蓮巳!?」

「二人とも、この茶に手をつけるな! 何かおかし……」

 

言いかけたところで視界がぐらりと揺らぐ。

 

「旦那! おい!!」

「蓮巳殿!? お気を確かに!」

 

二人の声が聞こえ、傾いだ身体を鬼龍の腕が支えてくれたと認識したところで目の前が暗くなり、意識がぷっつりと途絶えた。

 

***

 

(中略。飲んだ茶のせいか、蓮巳が数日眠り続けた後、起きたら身体が女性に変化していた。原因は不明だし、元に戻るかも分からないと言われる。どうにか誤魔化して学院に行くも、鬼龍に一目で変化があったことを看破される)

 

***

 

「旦那。待てって!」

「離せ……っ!」

 

俺の腕を掴んだ鬼龍の手を振り払おうとして気がついた。

明らかに力が落ちている。

本気で振り払おうとしても、びくともしなかった。

元々、鬼龍が筋肉馬鹿で、桁外れの力の持ち主だったとはいえ、ここまでの差はなかったはずだ。

呆然としてしまった隙に、鬼龍の腕の中に抱きすくめられたことで、今の自分が以前とは全然体格が違ってしまっていることを思い知らされる。

多少の体格差はあったが、今は完全に鬼龍の腕の中に収まってしまうし、身長にしても以前はたかだか二センチ程度だったはずの差が、今はもっとある。

この身体は――本当にどうしてしまったというのか。

鬼龍の方も一瞬だけ息を飲んだのが伝わった。

 

「落ち着け、旦那」

「っ…………これが落ち着いてなどいられ……っ、ん!」

 

鬼龍が唇を重ねてきたことで、言葉は途中で途切れた。

学院内だから押しのけようとしたが、頭と腰を支えられてて、身動きが取れない。

他に誰がいるわけでもないのを幸いに、途中で諦めて力を抜くと、鬼龍の方も俺を支えていた手の力を抜いた。

唇が離れて、鬼龍が俺の頬に触れてくる。

 

「……蓮巳」

「どう、なるんだ」

 

これで、俺が元の身体に戻れないままだったとしたら。

一体紅月は、俺たちが築き上げてきたこのユニットはどうなる?

 

(中略)

 

***

 

(当面、表向きはこれまで通りに男として紅月で活動していく形。女になったという情報はアイドル科内で留める方針に)

 

「制服を再注文したくねぇなら、この制服を手直ししてやろうか? 今のてめぇの身体のサイズに合ってねぇから、このままにしちまうとかえって目立つ」

「……頼めるか」

「おう。採寸するからジャケットだけ脱げ」

「ああ」

 

(中略)

 

女の身体に戸惑っているのは鬼龍もなんだろう。

元々は俺の身体のどこもかしこも知っていたはずなのに、胸囲を測る段階では躊躇いが見て取れた。

 

「……旦那。ちょっと後ろ向いて貰って良いか。メジャー回すから、前で押さえててくれ」

「ああ」

 

俺としてもどんな顔をして鬼龍を見たらいいのか分からなかったから、正直助かった。

そんな風に少しぎこちなさを抱えつつも、どうにか一通りの場所の採寸が終わったあと、背後にいた鬼龍が、俺の肩に腕を回して抱き締めてきた。

 

「鬼龍?」

「……無事ってのとはちょっと違うんだろうけどよ。そんでも、旦那が生きててくれて本当に良かった。あんときゃ、めちゃくちゃ怖かった」

 

そういえば、あの時。

意識を失う寸前に見た鬼龍は、随分と強張った顔をしていたような気がする。

考えてみれば、こいつは近い身内を――母親を亡くしている。

一瞬、最悪の事態が過ぎったとしても不思議ではない。

 

(中略)

 

***

 

何度も訪れた鬼龍の部屋だ。

なのに、これほど緊張した覚えは今までに一度だってない。

初めて、鬼龍と身体を重ねた時でさえ、ここまでではなかった。

自分でも、女の身体の感覚というのを、まだよく掴めていないせいだろうか。

女の身体になる前は、それこそ鬼龍に触れられていない場所などないくらいだったはずなのに。

おとがいに添えられた鬼龍の指に、つい身構えてしまったのを鬼龍も悟ったんだろう。

ベッドに置かれていたもう一方の手が浮きかけて、下ろされたのが視界の隅で確認出来た。

 

「蓮巳。……怖けりゃ、今度でもいいんだぜ?」

 

今更慌てたりしねぇよと、穏やかな口調で言われたのが、有り難い一方で申し訳なくもあった。

身体が変化してしまってから、前にも増して、俺は鬼龍に気を遣わせてしまっている。

余計な気など遣わせたくないのに。

ベッドの上の鬼龍の手に自分の手を重ねて、目の前の肩に頭を預けた。

 

「大丈夫だ」

「……旦那」

「他のやつに身体を委ねる気など毛頭ない。貴様以外に触れられるのはごめんだ。それに――」

「ん?」

 

顔を上げ、鬼龍の目を見る。

 

「久し振りに触りたいし、触られたい」

「蓮巳」

 

とっくに身体の快感を知ってしまっている今となっては、ただ傍にいるだけでは満足出来ないこともある。

繋いだ手の温もりで、その手がどう自分の身体に触れていくかを思い出すし、抱き合ったときの服越しの体温で、直接肌を重ねたときの熱さを思い出す。

向けられる好意だけではなく、目の前の相手の何もかもが欲しいし、同じだけのものを返したい。

こいつがそれを受け止めてくれるのも分かっている。

少し不安があるとすれば、これまでとどうしても勝手が違ってくる俺の身体に対して、こいつがどう思うかだ。

今は特に問題なさそうではあるが、直接触ってみたら、また違ったことを思うのではないだろうか。

寧ろ、思う方が当たり前だ。

 

「……旦那、結構頑固だからなぁ」

 

重ねた手が握られ、唇が重なり合った。

 

(中略)

 

「……っと」

 

手先の器用さがこんな部分にも出ているのか、ホックは難なく外された。

鬼龍側からは見えていないはずなのに、あまりにあっけなく外したものだから、以前に経験でもあるのだろうかと勘ぐりたくなる。

が、そんな一瞬だけ脳裏に浮かんだ疑問は次の鬼龍の言葉で解決した。

 

「衣装作りでどんだけホック扱ってると思ってんだよ。和服ベースが多い紅月の衣装じゃそんなに使ってねぇけど、洋服だと意外に使っている」

「……そういう、ことか」

 

ブラが外れて、胸が露出されたところで、鬼龍の手が身体の線を確かめるようにそっと触れてきた。

元々、外見の印象よりもずっと優しく触れてくるやつではあったが、以前よりもずっと触り方が優しい。

やはり、戸惑っている面もあるんだろうな。

 

「……気持ち悪くないか」

「? 何がだ」

「突然、性別が変わるなんて普通は有り得んからな。……触った感覚も前とは違うだろうし」

 

いざ、身体が変わったことで、男女の差というのはここまで顕著なものなのかと思い知った。

単純に性器だけの問題だけでなく、どこを触れても柔らかくて落ち着かないし、あまり認めたくはないが力や体力面が明らかに落ちた。

自分自身でもそうなのだから、以前の俺の身体を知っている鬼龍はもっと違和感があるのではないだろうか。

 

「そりゃ、触り心地に違和感ねぇとは言わねぇよ。どこもかしこも柔らけぇし、前より細くなってるし。けど、性別変わったって旦那は旦那だろ?」

「鬼龍」

「俺は蓮巳敬人って人間に惚れてるんだ。それ以上でも以下でもねぇよ。……惚れてる相手に触ったら、気持ち良くなるのは当たり前だろ」

「んっ……」

 

キスをされて、そのままベッドの上に寝かされる格好になった。押し付けられた腰から、鬼龍の興奮が服越しに伝わる。

この身体でもちゃんとこいつが興奮してくれているのが嬉しい。

ほっとしたと同時に、腹の奥が熱くなって、足の間が妙に疼いた。

……ああ、なるほど。女の場合はこういう風に内から来るものなんだな。

一度意識し始めると、どんどんその場所が溶けていくような感覚に襲われた。

 

(中略)

 

「っ」

「……こっちも触るぜ」

「あ、待っ…………うあっ!」

 

下着の隙間から、鬼龍の指が入り込んで来て甘い快感が走り、ぐちゃりと水音が聞こえた。

 

「……っ!」

「安心したぜ。ちゃんと反応してくれてるみたいでよ」

「き、りゅ……っ」

 

その言葉に、鬼龍の方も少し不安だったらしいことに気がついた。

変化で戸惑っていたのはお互い様だったのかと思うと、妙な安心感さえ覚える。

足の間をゆっくりと撫でてくる指の気持ち良さに、足が震える。

鬼龍の指が動くたびに、鳴る水音も徐々に大きくなっているような気がしてきた。

 

「脱がしていいよな? ちゃんと見たいし、触りたい」

 

声を出す余裕がなく、頷くだけになってしまったが、鬼龍には意志はちゃんと伝わったらしく、下着に指を引っかけられて、そのまま足元まで下ろされた。

自分でも未だに直視出来ないその場所を、鬼龍が見ているのが分かる。

突き刺さる視線に、どうしたものかと思っていたら、顔がそこに寄せられる気配がした。

 

「……おい、あまりそう……じろじろ見る……なっ」

「旦那の言うことでもそりゃ聞けねぇな。痛かったら言えよ。男の身体だと、自分にもついてるもんだから、何となく察しはついても、流石に女の身体は勝手が分かんねぇ」

「んうっ!」

 

指で足の間を広げられたかと思うと、そこに唇が触れたのが伝わった。

舌まで這わされて、慣れない刺激に背が勝手に撓る。

 

「うあっ!!」

「……やっぱり、ここ敏感なのか」

「やめっ、顔、離しっ、あああ!!」

 

男で言えば、ペニスに相当するその部分の付け根に軽く歯を当てられて、爪先まで電流のような衝撃が走った。

 

「男のモノに比べりゃ、小っちぇけど、ちゃんと固くなるんだな」

「あ、うあ、あまり、強くしな……っ、んっ!」

 

(中略)

 

「結構濡れてる。ここまで濡れてりゃ、大丈夫か?」

「知ら……んっ」

「おまえ、自分で触ったりとかしてねぇのかよ?」

「…………勝手が分からなすぎて、抵抗があった、し……それどころでも、なかった」

「じゃ、てめぇの分も俺が触ればいいってことだな」

「く……!」

 

鬼龍の指が中に入り込んできた。ゆっくりと内部を探るような指の動きに痛みはない。

それどころか、腹の方を探ってきた指は確かな快感を伝えてきた。

内側から迫り上がってくる快感に、つい鬼龍の肩を掴む。

 

「ん、あ、そ、こは……っ」

「ちょうどクリの裏っ側辺りだな。やっぱりここくるか?」

「ひっ!!」

 

中と外から、その場所を指で押しつぶすような刺激が強すぎて悲鳴が抑えられなかった。

 

「今ので中がもっと濡れた。悪くはなさそうだな。シーツまでびしょびしょだ」

「バッ……言う、なっ……」

 

自覚しているだけに、言葉にされると余計気恥ずかしい。

もっと寡黙にコトを進めるやつだったはずなのに、どういう風の吹き回しだ。

 

(中略)

 

「……っつ、う……」

 

男だった時にも、最初の挿入は痛みを伴ったが、あの時は痛み以上に苦しさと違和感が勝っていた。

今回は、苦しさや違和感より痛みの方が強い。

だが、痛みはするものの、不思議なものであるべき場所にあるべき物が収まったという感覚もあった。

そういう意味では違和感というものはずっと以前よりも薄い。

本来の使い方ではなかった、男の時とは違って、女の性器は本来の――男を受け入れて、子を為すという役割を果たす場所だからなのだろうか。

剣と鞘、鍵と鍵穴等と比喩されるのも分かる気がした。

……俺の身体がこの先も女のままだったなら、いつかこいつの子を宿すようなことも出来るのだろうかと、ふとそんな考えが過ぎる。

男だった時には、欠片たりとも思ったことがなかったのに。

 

「痛……くねぇわけなかったな。全部入ったが、少し血ぃ出てる」

「すま……ん、シーツ汚した、な」

「んなこた構わねぇよ。挿れてんのはこっちだ。キツイようなら一度抜くか?」

 

鬼龍の提案には全力で首を振った。

 

「ダメ、だ。中断は……っ、許さん」

 

中断したところで、先延ばしにするだけの話でしかない。

他の誰にもこの身を任せる気はないのだから、タイミングが早いか遅いかの違いだ。

女の身体だったら、じきに慣れる。

そういう風に出来ているはずなのだから、さっさと慣れてしまった方がいい。

目の前の顔が苦笑いの表情を浮かべた。

 

「言うと思ったぜ。……少しでもいいとこあったら、言ってくれ。痛い思いさせるだけで終わらせたくねぇ」

「……心配せずとも、とっくに痛い思い『だけ』ではない」

 

鬼龍の顔に手を伸ばして、落ち始めている前髪を撫でつける。

繋がった場所は相変わらずずきずきと痛むし、この状態で動かれたらさらに痛むのだろうとたやすく予想もつくが、どこかで満たされた思いもある。

腹の中に収まっている鬼龍のモノに、空いた場所を埋められたことで、ようやくこの身体が自分のものだと実感出来た気がした。

自分の下腹部を軽く撫でると、鬼龍が喉を鳴らしたのが聞こえる。

 

「旦那」

「少しずつ馴染ませてくれ。……あまり強く動かれるとキツそうだ」

「ああっ……」

「ん……ふ、う」

 

鬼龍が小さな律動を始めた。

やはり動きが始まると、痛みが増したが出来る限り表情には出さないよう堪える。

俺が少しずつ、と言ったから、鬼龍は時々場所をずらしながら、確認していくように小さく動く。

随分抑えさせてしまっているんだろう。

時々、快感からだけではないだろう辛そうな表情が窺えた。

 

「すま……ん」

「ん?」

「加減して動くのも、キツい、だろ……う」

「二度も初めての痛みを味わうはめになったてめぇほどじゃねぇよ。災難だよな、旦那も」

「っ、相手が貴様でなけれ、ば、ごめんっ……こうむる、がな……っ」

 

(中略)

 

「き、りゅ……」

「ん?」

「奥、で動いて貰える、か。そっちの方、が」

「痛まねぇ、か?」

 

頷くと一旦鬼龍が動きを止めて、俺の足に手をかけた。

 

「足抱えるぜ。……っと。あ」

「? どう、した?」

 

俺の両足をそれぞれ自分の肩に抱え上げた鬼龍が、少し戸惑ったような様子を見せた。

 

「いや。足、軽いなってのと肩に当たったふくらはぎが柔らかいなって思っただけだ」

「んっ!」

 

足を抱え上げられた状態で、体重がかかってより深く繋がる。

一番奥を鬼龍に突き上げられて、背筋を痛みと快感が走って行く。

近くなった鬼龍の頭に触ると、鬼龍が俺の手をとって、指先にキスして来た。

 

(中略)

 

「あ、ん、そう、だ、その、位……っ」

「はっ……なるほど、な。今、旦那の中、滑りがよくなった……っ」

「んんっ!」

 

一番奥を突かれた時の衝撃はもう快感の方が強くなりはじめている。

 

「あ、あ、きりゅ、あっ」

「悪ぃ……っ」

 

詫びはいつの間にか強い突き上げになりつつあることについてだろうか。

 

(中略)

 

***

 

(紅月、学院でレッスン中)

 

「旦那。そろそろ少し休憩しねぇか?」

「そうだな。……いい頃合いか」

 

時計を見ると、一時間はほぼ踊りの練習で動いていたことになる。

確かに、一息入れるにはいいだろう。

 

「うむ。我、飲み物を買ってくるである! 蓮巳殿や鬼龍殿はどうされる」

「ついでに頼んでもいいか?」

「俺も頼む」

「勿論である! お二人は何を」

「俺は水を頼む」

「俺は……そうだな。ちょっと遠くなって悪いけどよ、一般棟との入り口近くの自販機に××があるんだけど、それ頼んでも良いか? アイドル科の棟だとあそこにしかねぇんだよな」

「なるほど、了解した!」

「慌てなくていいからな。ゆっくり行ってこい」

 

(中略)

 

「蓮巳、こっち来な」

「ん? 何だ」

 

手招きされたと思ったら、鬼龍の足の間に身体を入れろとやつの手が示す。

少し迷ったが、神崎が戻ってくるまでにはまだそれなりに時間があるだろう。

大人しくその間に身体を収めた。

背中から伝わる体温が気持ち良いと感じていたら、鬼龍の手が俺の腹の上に重ねられる。

そっちからも優しい温もりが伝わって、少しだけ腹の痛みが軽減した。

 

「腹、大丈夫か?」

 

俺の耳元に小声で尋ねてきた鬼龍に、悟られていたのかと溜め息をついた。

 

「……何で分かった」

「動きに少しキレがなかったし、先月なってたタイミング考えても、そろそろ来る頃じゃねぇかって思ったからな」

「悟られるとは、俺もまだまだ未熟だな」

 

普段となるべく変わらないようにしていたつもりだが、どうもこんなところは目敏いやつだ。

 

「痛み止め切れてるから、神崎に水って頼んだんだろ。……擦ってやった方が楽なのか?」

「……いや、こうして触れていてくれるだけでいい」

「そっか」

 

(中略)

 

***

 

(中略。蓮巳の身体が戻らないまま数年が経過。戸籍も女性に変えたことで、婚姻可能になったからと鬼龍が蓮巳にプロポーズ)

 

「結婚してくれ、蓮巳。……おまえ以外には考えられねぇ」

「……返事をするのは調べてからでもいいか」

「調べる? 何をだ」

「俺の身体は元々男だった。確かに月のものはあるし、少なくとも表立っては女としての機能に問題はなさそうだが、もしかしたら、不都合がないとも限らん。……もし、そうだった場合はおまえに申し訳が立たない」

「ストップ。回りくどい言い方してるけど、そりゃ、子どもが出来るかどうかってことで合ってるか?」

「ああ」

「……調べる分には旦那の好きにすりゃいい。けど、結果がどうであれ、俺はてめぇを手放す気なんかねぇぞ」

「鬼龍」

「そりゃ、子どもが出来たなら凄ぇ嬉しいだろうと思う。だが、出来なかったとしてもそれはそれでいい。俺はおまえと一緒にこの先生きて行きたい」

「俺が子どもを持てなかった場合、他の相手となら望めるかも知れないのにか」

「他の相手じゃ意味ねぇだろ。旦那との子なら欲しいって思うけど、他の相手との間に欲しいわけじゃねぇ。大体、それ言ったら俺だって問題あるかも知れねぇだろ」

「それは考えにくい」

「どうかな。意外に多いっていうぜ? もし、旦那の方が身体に問題なくて、俺の方に問題あって、子どもが出来ねぇってなったら別れるか?」

「馬鹿な事を言うな。そんなわけ――」

「だろ?」

「あ……」

「方向決まったところで、もう一度言うぜ。俺と結婚してくれ、蓮巳敬人」

 

***

 

(結婚までは何かあったらまずいからで、100%ゴム着けてのきっちり避妊するけど、新婚初夜で初めてゴムなしでやる紅敬♀)

 

「あ、あ……うあ!」

 

旦那もゴムなしでの感触がいいのか、挿れ始めた瞬間から随分とよさそうな声を上げる。

 

「……っ、ヤベぇ、旦那の中、溶けちまいそうな、気持ち良さ……だ」

「き、りゅ……」

「……てめぇももう鬼龍だろうが、奥さん」

「あ……」

 

つい、癖で旦那って呼んじまうが、こいつはもう俺の女房だ。

誰に対しても堂々と主張できるたった一人のパートナー。

敬人の表情がふと柔らかくなる。

指輪を嵌めた左手が俺の頬に伸ばされた。

 

「……紅郎」

「おう」

 

(中略)

 

旦那の中から抜いたら、二人分の交じり合った体液が互いの性器を繋ぐように糸を引いて消えた。

いやらしい光景に唾を飲み込んだのは、俺か敬人か。

 

「……もう一回していいか」

「ああ。……っと、体勢変えるか?」

「このままでいい」

「ん……」

 

旦那が自分の指でまだ濡れたままのその場所を押し広げた。

その拍子に出したばかりの精液が膣口からこぼれ落ちる。

そんなん目の前にしたら、一気に興奮するに決まっている。

あっさり張り詰めたモノを再び敬人の中に押し込んだ。

 

「あ、あっ」

「けい、と」

「ふ、あ」

 

キスをねだって突き出された舌に吸い付いて、口の中を掻き回すと、繋がった場所がびくびくと動きに応じるように反応を返す。

 

(中略)

 

***

 

「旦那? 眠いならベッド行くか?」

「すまん、どうにも最近眠くてかなわんな」

「どこか具合悪くねぇか? 何か最近前より身体温いっていうか、微熱っぽい気がすんだよな」

「いや、具合が悪いというわけでもないんだ、が……」

 

言おうとして気付いた。

普段ならとっくに来ているはずの月のものが来ていない。

女の身体に変化した当初こそ、周期は多少ずれることはあったが、ここ数年は一日遅れる事さえ稀だ。

予定から何日遅れている?

 

「……ドラスト行って検査薬買ってくる」

 

俺が頭の中で計算している間に、紅郎もそのことに気付いたらしい。

腰を浮かせかけたところを引き止めた。

 

「待て、慌てるな。明日病院に行って調べて貰う。その方が確実だろう」

「けどよ」

「二度手間だ。落ち着け」

 

(中略。翌日日中)

 

「お帰り、くろ……うわっ」

 

いきなり抱きかかえられ、足が床から浮く。

かろうじて、天井にぶつかりはしなかったが危ないところだった。

この馬鹿力がと文句を言おうとしたが、満面の笑みを前にしてその気は失せた。

 

「凄ぇな。もう、おまえの中にもう一人いるってことなんだよな」

「……ああ」

 

身体を下ろされたところでもう一度抱き締められる。

 

(中略)

 

***

 

(最初は喜んでいたものの、少し経過が良くない蓮巳に鬼龍が不安がって過保護傾向になる)

 

「……貴様、何をそんなに不安がっているんだ? らしくもない。……俺に子を孕ませたことを後悔でもしてるのか」

「違う!」

 

それはない、と応じた声は自分でも思っていた以上に大きくなった。

敬人の目が見開いて、一瞬身体をびくつかせた。

 

「悪ぃ。ちょっと声大きくなった。驚かせちまってすまん」

「……どうしたんだ、一体」

 

俺の謝罪に咎めることなく、敬人が腕を伸ばして俺の頭を胸に引き寄せるようにして抱いてくれる。

微かに聞こえてきた心臓の音に堪らなくなって、こっちからも敬人の身体に腕を回す。

この温もりを絶対に失いたくない。

 

「…………俺、おまえに母親が死んだ時の詳細、言ってねぇよな?」

「詳細? ……待て。まさか」

 

何となく思考の通じ合うところのある旦那だ。

何となく察したものがあるらしい。

 

「母親が生きてりゃ、もう一人。弟か妹かは分からねぇが、兄弟がいた」

 

(中略)

 

「俺は置いていかない」

「…………敬人」

「おまえを置いていったりなどしない。絶対にだ」

 

***

 

(結婚後、初めての子ども生まれる時のやりとりとか。予定日より早く陣痛始まったけど、その日大きい仕事が入っているけど、万が一を心配する旦那とそんな旦那の背中を押す男前な嫁)

 

「いいから、貴様はさっさと仕事に行け」

「けど」

「貴様、自分の妻子も信用出来ないのか」

「信用してる、してないの問題じゃねぇよ。ただ心配なだけだろ」

「それが杞憂だと……っ…………く」

「敬人!」

「……騒ぐ、な。すぐ収まる。俺は置いていかない」

「け……」

「……前にも言っただろう。貴様を置いていったりなど、絶対にしない。腹の子と二人で帰りを待っている。だから、安心して行ってこい、紅郎」

 

 ***

 

「……二人で帰りを待っていると言っただろう?」

 

ベッドの上に上体を起こしている敬人が腕の中に赤ん坊を抱いている。

呆然としながらベッドに近寄ると、天祥院にぽんと背中を軽く押された。

 

「早く抱いてあげるといいよ。僕にはまだ指一本触らせてくれないんだ。父親が抱いてないのに、触れさせるわけにはいかないってね」

 

天祥院が肩をすくめて笑いながら言った言葉に、つい敬人の方を見る。

 

「父親を優先するのは当たり前だろう。……ほら、紅郎」

 

妹とは年が離れていたのもあって、赤ん坊を抱くのは初めてじゃない。

とはいえ、随分と久し振りだ。

敬人の腕から赤ん坊を抱き取って、こわごわと抱いてみる。

泣かれるかと思ったが、そんなこともなかった。

俺と同じ髪の色をしているが、触り心地は自分の髪よりもずっと柔らかい。

こいつが大きくなったらまた違ってくるのかも知れねぇが、どっちかというと触り心地は敬人の髪に近いような気がした。

 

「僕はまた後日来ることにするよ。お邪魔だろうし。今度は出産祝いも一緒に持ってくるね」

「ああ。すまんな。祝いをくれるなら相場だけは考えてくれと言っておく」

「はいはい。じゃあね」

「……っ」

 

天祥院が病室から出て行き、この場にいるのが三人だけになったところで、我慢出来なかった。

敬人の肩に頭を預ける。

 

「ありがとう、な」

「それはこっちの台詞だ。一人で作ったわけじゃないのだから」

 

貴様がいなければ、どうにもならなかったと言うが、それは俺だってそうだ。

 

「…………悪ぃ。胸がいっぱいで、他に何て言っていいか分かんねぇ」

「大丈夫だ。分かっているつもりだからな。何年一緒に過ごしたと思っている」

 

続けられた言葉に甘えさせて貰ってるなと実感する。

大変だったのはこいつや赤ん坊の方だったのに。

 

(中略)

 

***

 

「あ……っと、起きたか」

「俺が見てくる」

 

紅郎がさっとソファから立ち上がって、泣き声のする方向に向かい、そのまま子どもを抱き上げる。

 

「おう、どうした坊主。ん? おしめか。よしよし、父ちゃんが今替えてやるから待ってな」

 

元々紅郎の方が家事全般得意だったのもあるだろうが、育児でもその能力は遺憾なく発揮されている。

おかげで随分助かっていた。

 

「ん? どうした、旦那」

「何。いい顔をしているなと思っただけだ」

「てめぇこそ、鏡で今の面見てみろよ。いい顔なのはどっちだ」

「ん……」

 

ちゅ、と軽く音を立てて唇が重なり合う。

すぐに離れたが、紅郎が腕に抱いている子どもの視線を感じてしまったものだから、どうにも気恥ずかしい。

 

「……子どもの前で何だ」

「仲良いとこみせる分には問題ねぇだろ。そりゃキス以上はまずいだろうけど」

「当たり前だ。そこまでいくと虐待だぞ……あ」

「お」

 

腕の中でうつらうつらとし始めた赤ん坊に、お互い黙り込む。

目配せして、静かに移動しながら、赤ん坊をベビーベッドに置いた。

やがて、寝息が聞こえ始めたところで、二人してリビングに戻る。

リビングのドアを閉めて、ようやくお互いに息を吐いた。

 

「大分寝付きよくなったよな、あいつ」

「生まれた時に比べればな。数時間寝ていてくれるようになって、こっちとしては有り難い」

 

子は可愛いが、ずっと起きているとなると流石にこっちが休めない。

自分たちが親になったことで、親の有り難みが身に染みる。

今のうちに茶でも淹れるかとキッチンに向かおうとしたところで、紅郎に手首を掴まれ引き止められた。

 

「旦那の身体が平気そうなら、久々にしたい。どうだ?」

 

さっきのキスで熱が灯ったのか、紅郎がそんな誘いをかけてくる。

当たり前だが、数ヶ月していない。

抱き合ったり、一緒に風呂に入ったりするくらいのスキンシップはしていたが、セックスとなると大分間が空いていた。

 

「……いいぞ。俺も久し振りに触りたい」

 

(中略)

 

***

 

「傷、残ってんな。ここ」

「ん? ……ああ、生むときに切ったからな。痕が残っているのか」

 

会陰切開したのは分かっていたが、あの時は陣痛の方が痛かったくらいで、どうにも切ったという印象が薄かった。

言われてそういえばと思い出したくらいだ。

 

「気になるか?」

「いや、誇らしいなと思う。てめぇが俺との子を生むのについた傷だしな。子ども増える度に傷痕も増やすのかって思うと申し訳ねぇが」

「おまえが気にしないなら、別に構わん。あと一人か二人は欲しい」

「ああ。女の子もいいな」

「貴様、それこそ目に入れても痛くないって状態になりそうだな」

 

妹に対しても、あれだけ可愛がるやつだ。

それが娘となったらどうなるかなんて、容易に想像がつく。

 

「そりゃ、仕方ねぇだろ。惚れた相手との間に出来た子どもなんて可愛くて堪んねぇってしみじみ感じてるからな。もう」

 

(中略)

 

***

 

「っつ、あ」

「痛いか。身体強張ってる」

「久し振りだから、な。覚悟はしてた。……初めてしたときを思い出すな」

「しばらく、動かないでおくな。あちこち触るけど、辛いようなら言え」

「ん……」

 

唇を重ね舌を絡めると少し余裕が出来たのか、圧迫感が薄れた。

それでも紅郎は腰を動かさずに、代わりに俺の顔や首などあちこちにキスしていく。

手も優しく身体中を探っていくのが気持ち良いが、きっとこいつの方は物足りなさがあるだろう。

 

「……すまん」

「ん?」

「久々だから、思い切り動きたいだろう」

 

俺も元は男だったから、身体の欲求は分かる。

ただでさえ、男同士の時でも体力差があったくらいだ。

今も、相当抑え込んでいるはずだ。

 

「気にすんな。久々すぎて本気で動いたら、すぐ終わっちまうだろうから、こんくらいで丁度良い」

「ふ……」

「こう触っていても、肌がふわっとしてて気持ち良いしな」

「体型は……っ、戻した、はずだが」

「あー……誤解させたなら悪ぃ。そうじゃねぇんだ。体型の問題じゃなくて、こう馴染んだっていうか……上手く言えねぇな」

 

(中略)

 

「ん、あ……うあ!」

「……大分、中柔らかくなってきたな。つか、前より柔らけぇかも。纏わり付いてくる感じが凄ぇ気持ち良い」

「んっ!」

「おっ」

 

奥に衝撃が来て、背が撓る。

 

「……ここにちょっと前まで坊主がいたんだよなぁ」

「ん、うあ……く、ろ……」

 

腹を撫でてくる手に、その奥にある子宮を意識し、次の子どもが出来たら、今度はどっちに似るのだろうと思いながら、そっと腰を揺らした。

 

***

(おまけ)

「……ふむ。やはり、顔立ちだけでなく身体のパーツも親にちゃんと似てくるものだな」

「待てよ。てめぇ、どこ見ながら言ってんだ」

(おむつ替えの最中の一幕)

 

 

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