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書きかけ似非遊郭パロ<月刊少女野崎くん・野堀・R-18>

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梅太郎視点が全然書けないが為に、結構放置プレイしてしまってる話です。

尻叩き的な意味合いで書きかけ置いときます。いい加減どうにかしたい(白目)

そんな訳で中途半端な堀視点のみで。

 

午前零時。

遊郭の夜が一日の終わりを告げた。

最後の客が帰り、湯浴みも済ませてしまう頃には、賑やかだった遊郭はなりを潜め、静寂が場を支配して行く。

まだ幾人かは客と共に一夜を過ごしているのだろうけれど、今夜の俺は先程の相手で終わり。

部屋付の禿が休む為に下がって一人になると、部屋の灯りを落とし、軽く息を吐く。

夜目にも分かる白い息に、冬が訪れようとしているのを感じる。

 

「……冷えてきたな」

 

もう幾度目になるだろうか。

こうして、遊郭で迎える冬は。

俺の年季が明けるまでには、まだ先は長い。

次の冬も、春も、夏も、秋も。

そして、次の次の冬も此処で過ごす事になるだろう。

ただし、それは其の時まで、自分が生きていればの話だ。

過酷な環境下において、身や心を蝕まれ、病んでしまう遊女や男娼は決して少なくない。

彼らの哀しい末路は決して他人事ではないのだ。

 

――今は無理だとしても。

――年季が明けた暁には……。

 

二人で共に生きて行こう。

それが、かつてあいつと交わした約束。

それを支えに日々過ごしていると言っても過言ではない。

だが、こうして一人過ごす夜は、どうしても先の見えない未来ばかりが浮かび、そんな誓いを見失いそうになる。

暗い思考に囚われてしまうのは、あいつと暫く触れていないせいか。

自分より上背のあるがっちりした体躯。

木訥な人柄ではあるが、触れてみると気遣いや労りが伝わる優しい動き。

 

元々、頻繁に逢えるような相手ではない。

何しろ、あいつはここの楼主の息子だ。

俺とは根本的な立場が違う。

同じ屋根の下で過ごしているから、廊下ですれ違うことぐらいなら珍しくもないが、閨を共にするとなると中々出来ることではない。

誰かに知られでもしたら、ただでは済まない禁忌の情人。

近くにいるのに、遠い。

そんな相手だ。

……今頃どう過ごしているかな。

床に入りながら、目を瞑ろうとした瞬間、微かに廊下から床の軋む音が聞こえた。

こんな時間に誰が――と思いかけて、もしやと身を起こす。

間もなく、ごく低い囁き声が襖の向こうから届いた。

 

「俺です。……まだ、起きていますか」

「ああ」

 

それだけ答えると、出来るだけ音を立てないようにゆっくりと襖が開いた。

現れたのは、つい先程まで思いを馳せていた当の本人――梅太郎だった。

しばらくぶりの逢瀬に自分の頬が緩んだのが分かる。

再び、音をほとんど立てずに襖が閉まったところで、床から這い出た。

 

「眠るところでしたか?」

「いや、まだ起きていたから大丈夫だ。……こうして逢うのも久々だな……っと」

「逢いたかったです」

 

言い終わらないうちに、強く抱きすくめられる。

そうだよな。

俺が逢いたいと思っていたのと同じように、こいつだって逢いたいと思っていてくれたよな。

梅太郎の背に手を回して、とんとんと幼子でもあやすかのように叩く。

 

「俺もだよ。ちょっと待ってろ。

今日は寒いから、今、茶でも沸かして……」

 

そう言って離れようとしたが、梅太郎は俺を離さない。

 

「おい」

「すみません。……性急だとわかってはいるんです、が」

「あ……」

 

察して、足を立て、梅太郎の着物の裾から割り入れると、臑に熱く固い感触が当たる。

それだけで、何を言わんとしているか理解した。

閨事を知らない幼子じゃあるまいし、想い人の温もりを求めるのは当然だ。

俺だって触りたい。

次の機会はいつになるかさえ、解らないのだから。

 

「まぁ……時間、余裕ないしな。いいぜ」

「すみません」

「謝んなよ。…………そりゃ、こっちの方だ」

 

『仕事』とはいえ、数え切れない男を相手に足を開き、この身を貫かせている。

心を捧げているのは梅太郎一人とはいえ、躰の方はそうはいかない。

 

「今日は、その、何人と……?」

「三人だな。湯浴みはしたけど、まだ奥に精が残ってるかも知んねぇ」

「俺が――掻き出します」

「そうしてくれ」

 

ほんの一瞬だけ、梅太郎が歪めた表情には気付かないふりをする。

一度、襖の外に誰も居ないことを耳で確認すると、どちらからともなく顔を寄せ合い、接吻を交わす。

口内を貪る様に熱い舌を絡め合い、くぐもった水音を立てると身体の芯で火が燻り始めた。

万が一にも誰かに見つかる訳にはいかないから、部屋の灯りは点けずに、月明かりだけで互いを確認する。

二人で床に入り込み、向かい合うような形で横たわった。

直ぐに梅太郎が襟元を寛げて、俺の鎖骨に軽く歯を立ててくる。

手も着物の合わせ目から入ってきて、胸と腹を撫でられた。

一頻り撫でたところで、帯を邪魔に感じたらしく、さっさと解きに掛ってくる。

帯を解いて、着物の前を開けると迷わず乳首に吸い付いてきて、一瞬息が止まった。

 

「っ……あんまりがっつくなっ」

「無茶言わないで下さい。……どれだけ待ったと思ってるんです」

 

――あなたにとっては交わりは『仕事』で、珍しくもないのは解っています。

――が、俺はあなた以外の他の誰も抱く気はありません。

 

解っている。

俺だって、私情で交わりたいと思っているのなんて、他には誰も居ない。

『仕事』だからこなしているだけだ。

こんな風に性急に事を進められても、感じるのは――。

 

「……っ……」

 

こいつだからだ。

下帯に覆われた部分を撫でられて、簡単に触れられた場所が固くなる。

梅太郎も興奮しているのが伝わる。

俺のを擦りながら、梅太郎の呼吸が荒くなっていく。

 

「脱がせても、いいですか」

「だから、一々聞かねぇでもいいっての……っ」

 

梅太郎が俺の下帯に手を伸ばし、解いていくのを感じながら、俺も梅太郎の着物の裾から、手を忍ばせて、下帯越しに梅太郎の屹立に触る。

相変わらず窮屈そうに収まっている魔羅が、触った瞬間にびくりと震えた。

ある程度、下帯越しに擦ってやった後、隙間から指をいれて、直接触る。

先端からはとっくに先走りが滲み出ていて、亀頭を擦ってやると俺のモノに触れていた手が止まった。

 

「……う」

「ガチガチだな」

「久し、ぶりなんですから、仕方ない、でしょう……っ」

「んっ」

 

付け根の部分をきつめに握られて、その場所から快感が広がる。

こっちが戸惑った隙に根元から先端へと擦られた。

絶妙な力加減につい俺の手も動きが鈍くなる。

が、せっかくの交合の機会に挿れられずにイカすのも、イカされるのも癪だ。

俺のモノに触れていた梅太郎の手を掴んで、止める。

 

「そっちはいい。後ろ、触れ」

「……あまり早くに触ると、我慢が出来なくなりそう、なんですが」

「あのな、梅太郎。……俺だって『おまえとの』房事は久しぶりなんだぞ。

我慢してるのが、自分一人だけだと思ってるのかよ、おまえ」

 

(書きかけにつき中略)

 

そのまま袋の繋ぎ目を辿る様に裏側まで指を伸ばされ、尻を探られる。

が、梅太郎の指が後肛に触れた時、ぴりと痛みが走って、つい躰が強ばってしまった。

 

「…………っ」

「ここ……傷が?」

「……あー……二人目の客が初めての相手だったんだが、あんま手慣れてなかったっぽくて、ちょっとな」

「……舐めてもいいですか」

「おまえが、嫌じゃなかったら」

「嫌なら聞きません」

 

布団の中に梅太郎が潜り、俺の背中側に回る。

そうして、着物の裾をたくし上げられ、尻を割って、後肛に舌が触れたのが分かった。

 

「く……」

 

唾液で少し染みたが、舐められているうちに痛みは大分掻き消えていく。

温かい舌の感触が気持ち良い。

 

「いつもの塗りますね」

「……ああ。ほらよ」

 

常に枕元に置いてある、潤滑剤代わりの軟膏の入れ物を布団の中に入れると、梅太郎がそれを受け取った。

微かに蓋が開く音がして、軟膏を付けた梅太郎の指が舌の触れていた場所をそっと撫でてくる。

 

「ふ……っ」

「傷、まだ痛みますか」

「へ……きだ」

「なら、指挿れますね」

「んっ」

 

すっかり形を覚えている太くてごつい指が中に入ってくる。

恐る恐るといった様子で、動かす指に大分気遣わせてしまっているなと感じる。

 

「も……っと強くしても、平気、だぞ」

「痛い思い、出来るだけさせたくない、ですから」

「……く」

 

中で指が弱い部分に触れて、声を上げそうになるのを堪える。

声を上げてしまった方が楽ではあるんだが、上げるわけには行かない。

他人に気付かれてしまってはいけないから、声を押し殺す。

その分、足やら腰やらが震えてしまうのはどうしようもない。

弱い部分を責めたてる指が、少しずつ動きを強くする。

 

「はっ……あ」

「平気そう、ですか?」

 

(書きかけにつき中略)

 

「…………!」

 

仕事で数え切れない程の相手と交わってはいるが、こいつ程立派な屹立の持ち主は他にいない。

毎回、受け入れる際に力は出来るだけ抜いているつもりだが、それでも圧倒的な質量が中を占めていく。

それ故に受け入れるのは苦しくもあるが、だからこそ、他の誰も触れられない部分まで、こいつだけが触れている場所があるだろうとも思うと胸が一杯になる。

そのぐらいしか、俺はこいつにやれるものがない。

 

「動いても……っ?」

「ああっ……」

 

梅太郎の肩と背に腕を回し、こいつの動きに合わせて腰を振る。

仕事で覚えた手練手管を使うことに抵抗がないわけじゃないが、他にしてやれることがあるわけでもない。

 

「んっ……んんっ!」

 

(書きかけにつき中略)

 

「――」

「くっ……あ、ああ! ふっ…………!」

「…………っ!」

 

もう、知る者もほとんどいない、源氏名ではない、俺の元々持っていた名前。

それを熱っぽく囁かれて、躰の奥から射精感が突き抜けていく。

梅太郎の胸の辺りの着物を噛み締めて、声を上げそうになるのを堪えると、梅太郎の腕が俺の躰をきつく抱いた。

続いて聞こえた呻き声と、奥深くで放たれた熱。

伝わった震えはどちらのものだったのか。

 

「……まだ、抜くなよ。もう少し中にいろ」

「いいんですか?」

 

(書きかけにつき中略)

 

「――雪ですね」

「ん?」

「ほら、窓の外」

「…………本当だ。初雪だな」

 

闇色だったはずの空が、柔らかな色を纏って、小さな淡い影が舞い降りる様が見える。

今は廓の中からしか、眺められない景色。

いつか――外の世界でこいつと一緒に眺められるだろうか。

 

「以前、使いで城下に行った時、凄く美しい桜の名所がありまして」

「梅太郎?」

 

唐突に切り出した話題の意図が分からずに先を促すと、

 

「きっと、雪が降っているところも綺麗だと思います。……いつか一緒に行きませんか」

「……ああ、行こうな」

 

柔らかい笑みを浮かべた梅太郎の髪を、手ぐしでそっと梳いてやる。

その『いつか』がどうなるかは解らない。

俺がここから広大な空の下へと飛び立てる日が無事に来るかは解らないが、それを夢想する位は許されるだろう。

どうか今しばらくは。

この関係が終わることなく、時間が続いていけばと願いながら、訪れた微睡みに身を任せて目を閉じた。

 

 

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