古いサイトで突っ込んでいたWeb拍手から。結婚式ネタ。
流石に古すぎた上にほぼ会話文オンリーだったから、ちょっとだけ手を加えた。
「晴れてよかった。日本には梅雨があるし、この数日雨が多かったからどうなるかと思ってた」
雲一つ無い青空を見上げながらレニが呟くと、カンナはその青空の中で光り輝く太陽のような満面の笑みを浮かべる。
「あたいは思ってたぜ? きっとこんな目出度い日には日が差すってな」
「まぁ、相変わらず単純ですこと。カンナさんったら」
「……ちょ、ちょっとすみれさん。せっかくの日なんですから!」
不穏になりかけた空気に、さくらが慌ててその場を宥めようと動いた。
「わかってますわ。だからこれ以上は言わないでおきます」
「おい……すみれ。言いたいことあるならはっきり言っておけよ」
「あー! もうやめとき! キリなくなるし、さくらの言うとおり、今日はせっかくの日なんやから」
「そうでーす! 今日はおめでたいことが二つもある日なんですから、ケンカはやめでーす」
そんな風に、帝国歌劇団の面々が揃って歓談している一方――。
***
「入ってもいいかい? マリア」
「ええ、どうぞ」
教会の控え室では、今日の主役たる二人がそれぞれ白い衣装を身に纏っていた。
海軍の正装で凜々しく佇む大神に対し、マリアはマーメイドラインの純白のドレス。
まだ装飾品は何も身に着けていない状態であるにも関わらず、既に眩いばかりの存在感を放っている。
「……やっぱりマリアは綺麗だ。絶対似合うと思っていたよ」
「……ありがとうございます」
「あとで、ちゃんと本物を嵌めてあげるけど……」
大神がマリアの左手を取って薬指にキスをした。
「まずは誕生日祝いに。おめでとう」
「あ、ありがとうございます。隊長」
「マリア。いつまで、俺は『隊長』なんだい?」
「あ、すみません。つい……その、一郎、さん」
頬を染めたマリアは幸せそうに笑い、それを見た大神もはにかんだような笑顔を見せた。
***
或る年の6月19日。
その年のマリアの誕生日のプレゼントは、生涯のパートナー大神一郎だった。
- Memo
- htmlの保存日付にしましたが、多分当時のWeb拍手撤去前に保存したものだと思うので、実際の執筆日はもっと前だと思います。
そういえば、基本雑食派ですが、サクラ大戦は珍しく大神×マリアの固定厨でした。
他の子のルートプレイ出来ないとかそういうのはなかったけども。