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CDジャケット絵ネタからの紅敬♀<あんさんぶるスターズ!・紅敬♀>

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一見ストイックなのに、さらりとけしからんデザインのドスケベインナーな衣装のCDジャケット絵から思いついた紅敬♀話。

※うちの紅敬♀は蓮巳が後天性女体化で、紅月としての活動中は表向きの性別は男のまま(夢ノ咲学院の面々は女だと知っている)というのが前提になっています。

でもって、とっくに紅敬付き合っているし、颯馬くんもそれを知っているという前提でお読み下さい。

初出:2016/09/17 

文字数:2104文字 裏話知りたい場合はこちら

 

「蓮巳、神崎。今度発売するCDのジャケット用衣装、仮縫い終わったから試着頼む」

そう言って、鬼龍が練習室の壁のフックにハンガーに掛けた三人分の衣装を次々と並べていった。
衣装の制作前に見せて貰ったラフからおよその作りは把握していたが、改めて形になった衣装を見るとやはり少し印象が違うものだ。
今回のCDが秋発売というのに合わせ、腰に巻かれた藍色の布には紅葉の柄が白色で散らされている。
紅葉といえばまず浮かぶ色は紅だろうが、あえて紅葉でその紅を使わず、布地の藍色を差し色にすることで逆に目を惹きつける衣装となっていた。
相変わらず、紅月の魅力をより引き出すこと間違いなしの出来映えだ。 

「では、我は向こうの準備室を使って着替えて参る!」

神崎がハンガーに掛かった衣装から自分の分を取ると、素早く練習室と続きになっている準備室の方へと向かう。

「おう。もし着方が分からねぇとこあれば呼べよ。あと、仕上げはちゃんとやってやるから」
「承知!」
「……すまんな」 

俺が女の身体に変化してしまって以降、神崎はこうして着替える時には気を遣ってくれる。
学内で着替える機会があると自分から即座に席を外してくれるし、外部での仕事で控室が一緒の場合は、絶対に着替えている最中の俺の方を見ようとはしない。 

「蓮巳殿がお気にされることはない。では、着替えて参る」

穏やかに笑ってから、神崎は準備室に入っていった。

「うし。じゃ、こっちも着替えねぇとな」
「ああ」 

鬼龍が俺の分の衣装をハンガーから外している間に、制服を脱いでおき、すぐに着替えられる状態にしておく。

「ほれ」
「っと」 

紅月の基本ユニット衣装ほどタイトではない、少し余裕を持たせた黒のパンツを放り投げられ、受け取って穿いた。
鬼龍もその間に自分の衣装のパンツとインナーだけ素早く身に着けている。 

「まずインナーからな。首の後ろや背中の方は俺が止めてやるから着てくれ」
「ああ。……うん? 思ったよりカッティングが浅いな」 

先程、三人分の衣装を一度に見た際には、神崎の分はインナーがほぼそのまま表に出すような形になっていて、そちらで確認した際には背中はほぼ開くだろう状態だったから、てっきり同じような仕様だと思っていたが、今手渡された俺のインナーだと、背中はほぼ隠れそうだ。

「旦那は上着をはだけさせねぇからな。インナーの中にこれも着ているし」

外出する際には常に着ていて、今も着ている胸をつぶすタイプのタンクトップの肩紐部分を鬼龍がとんとんと軽く叩く。

「なるほど。神崎や貴様のインナーから察するに、俺も同じような作りなんだろうかと思っていた」
「狙いはそこだ。神崎はほぼ見せてるし、俺も状況によっちゃ片肌脱ぐくらいはするつもりだが、旦那はあくまでも脱がない。でも旦那のインナーが見えなくても、デザインはきっと三人お揃いで誂えてあるんだろうと見たやつは思うだろ?」
「そういう、ことか」 

俺の性別が変わってしまったことを勘ぐられたりしないよう、身体の線が出にくい衣装にし、万が一にも女かも知れないと疑わせるようなことがないようにしている。
恐らく、腰の辺りにボリュームを持たせた作りにしているのもそこからだろう。
以前に比べて、腰が丸みを帯びた線になったと鬼龍にも言われていた。
夢ノ咲学院の制服はブレザーだから、ある程度腰は隠れるし、元々の紅月のユニット衣装も腰が隠れる作りだから問題はないが、他ユニットの――例えば、タイトなパンツを穿いているUNDEAD等の衣装では違和感を持たれたかも知れない。
それを考えると紅月が和風ユニットで、衣装を手がけているのがユニットの一員である鬼龍だというのは、性別を隠す上で都合が良かったと言えた。
こいつが俺の事情を考慮してくれた上で衣装のデザインをしてくれるからこそ、こうして俺はアイドル活動を続けていられる。 

「すまん。面倒をかけるな」
「面倒のうちに入んねぇよ、こんなの。ま、背中開いた状態のインナー着たのも見てみたくはあるけどな。旦那、背中綺麗だから。一応、てめぇの本来のサイズでもつい作っちまったし」 

鬼龍が衣装を入れていた袋から、もう一枚インナーを取り出して広げた。
今着たばかりのインナーと違って、背中側が深くカッティングされている。 

「とはいえ、これ着せた旦那は人前に出せねぇしな。作ったのはちょっとした出来心だ」
「……二人きりの時なら着ても構わんぞ、それ」

準備室にいる神崎には聞こえない程度に声を抑えて言うと、俺の背中側に回って、首元のホックを留めようとしていた鬼龍の手がピタリと止まった。
少しだけ沈黙が続いた後、微かな鬼龍の笑い声が聞こえた。 

「じゃ、有り難く予約だけさせてもらうぜ」
「なっ、きっ……っ」

インナーの背中側を軽く指で下げられ、肩甲骨の間辺りの肌が吸われる。
文句を言おうとしたが、下手に神崎に聞かれてもと思うと言葉が続けられなかった。 

「続きはちゃんとCDのジャケット撮影が終わってからな。でねぇと俺も撮影の最中に余計なこと思い出しちまいそうだから」
「…………ふん」 

撮影終了後ということにほっとしつつも、どこかで少しがっかりした自分には気付かないふりをしておくことに決めた。

 

 

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