遅ればせながらのキスの日ネタ。
蓮巳後天性女体化による紅敬♀。結婚済みで既に子どもたちは独立しているアラフィフ夫婦というのが前提。
キスの日といっても、紅敬はキスをテーマにして一冊作ってるしなー、あれでキスしてない部位ってどこだっけってなった結果がこれなあたり、ホント頭の残念なエロ厨……。
バカップルな熟年夫婦大好きです!╭( ・ㅂ・)و ̑̑
挿入はしてないけど、フェラはしてるんでR-18。
初出:2018/05/26
文字数:2454文字
年を取れば、朝立ちしなくなることもある、とは知識として知っちゃいたが、年齢を考えれば夫婦生活は多い方だろうだし、正直まだまだ他人事だと思っていた。
「マジかよ……」
その他人事だと思っていたことが自分の身に起きると中々に凹む。
起きた時にこいつが大人しくなったままなんて、果たして今までにあっただろうかというくらい記憶にねぇ。
最近、仕事が結構忙しかったし、年を考えても一日くらいそういう日もあるだろうと頭では分かっちゃいるんだが、感情の部分でついていかねぇ。
ずっと人より体力だってあったし、性欲もそれなりだ。
確かに若い時に比べりゃ、子どもたちが出来たってこともあってセックスの回数は減ったかも知れねぇが、その分一回一回をじっくりと楽しんでいるつもりもある。
まして、ちょっと前に末の子も大学進学で一人暮らしを始めたから、今は久し振りに夫婦二人での生活だし、かつての勢いまではなくとも、自分の中じゃ余裕で現役だって思っていたんだけどな。
朝立ちって健康のバロメーターでもあるっていうよな。いや、まだ一日たまたま勃起しなかっただけでどうこうかんがえるのも早すぎる。
大した問題はねぇはずだが――でも。
「紅郎。起きているのか? どうした?」
不意に肩を揺さぶられ、先に起きて朝食を作っていただろう敬人がいつの間にか寝室に来ていたことに気付いた。
もしかしたら、何度かキッチンから呼んでくれていたのかも知れねぇ。
「……っと悪ぃ。ついぼーっとしちまってた」
「顔色が冴えないな。どこか具合でも悪いのか? 熱は――とりあえずないようだが」
俺の額に手を当てた敬人が少し不安そうに眉を顰めた。
普段はこいつに呼ばれる前に朝食のテーブルについていることが大半だから気に掛けてくれているんだろう。
夫婦になって長いし、隠したとしても様子が普段と違うのもどうせバレる。
仕方ねぇと腹を括って、ベッドから上半身を起こした。
「熱はねぇよ。ただ――朝立ちしなかったから、ちょっと驚いちまっただけだ」
「朝立ちしなかった? ほう、どれ見せてみろ」
俺がそれに対して返事をする前に、敬人が遠慮なくパジャマのウエスト部分を下着毎ずり下ろして、覗き込んで来た。
細い指がさわさわと軽く撫でてくる。
気持ちは良いが、それで勃つほどの刺激でもねぇ。
「なるほど、通常の状態だな。貴様にしては珍しい」
「珍しいどころじゃねぇよ。朝立ちしなかったのなんざ、俺だって全然記憶にねぇ」
「それで凹んでいるのか。たかが一日、気にするほどでもないだろう」
「んなこた分かってんだがよ。ちょっと動揺するのは仕方ねぇだろ」
何しろこんなことは初めてだ。
そりゃ、身体の関係抜きにしたって敬人と夫婦なことには違いねぇし、それだけが大事ってわけでもねぇ。
ただ、こう男としての沽券に関わるっていうか、自信に繋がるっていうか――。
「その点については、一応俺も元は男の身体だったから分からんでもないつもりだがな。…………気になるのなら少し試すか。んっ……」
「ん、あ、ちょ、敬……っ、てめ」
旦那が俺の腰に顔を寄せ、指で触れていた場所にキスをしてきた。
そのまま敬人の柔らかい唇が、俺のモノの隅々まで口付けを繰り返していく。
音はわざと立てているんだろう。
ちらちらと俺の顔を見上げながら、時々は舌も這わされるもんだから、たまったもんじゃねぇ。
どんどんその場所が熱を帯びて固くなっていくのが分かる。
さらに先っぽを咥えこまれて、口の中の温度に息を飲んだ。
「ん、くっ」
気付けば萎れていたはずのモノはすっかり臨戦態勢だ。
が、敬人はそこで口を離す。
唾液が名残惜しそうに糸を引いたが、旦那が軽く口元を拭ってそれを消した。
「ふん。これだけ反応するならさしあたって心配はいらん。たまたまちょっと疲れが出ただけだろう。冷める前に朝食にするぞ」
今の今までフェラしていたことなんざなかったかのように、しれっとした表情で俺から離れようとしていた敬人の腕を思わず掴んだ。
「って、おい! ここでやめるつもりかよ。これじゃ生殺しじゃねぇか」
「最後までするには時間がない。時計を見ろ。朝食をとらずにおまえを家から出すつもりはないぞ、俺は」
確かに時間は普段ならとっくに朝食を食い終わっているくらいを指している。
今から急いで支度して、飯を食って、どうにかギリギリ間に合うって程度の時間だ。
旦那の告げた内容は至って正論だし、俺も朝食は食ってから仕事に行きたいし、そう考えたらここで中断する以外の選択肢はない。そんなこた重々分かっちゃいるが。
「……ひっでぇ」
朝っぱらからこんなんされちゃ、今日一日、事ある毎に思い出しちまいそうだ。
長年夫婦やってりゃ、フェラなんて数え切れねぇくらいされてるし、こいつの唇の感触も、舌のざらつきも、しっかり身体が覚えている。が、それとこれとは話が別だ。
馴染んでいるからといって興奮しねぇってこともねぇし、寧ろ普段ならやらねぇシチュエーションなもんだから、上手く頭から切り離せねぇでいる。
「心配せんでも、帰ってきたらちゃんと相手をしてやる。おまえが望むままにな」
「望むままって言ったな? その言葉後悔すんなよ。勘弁してくれっつっても離してやんねぇからな」
「後悔などするはずないだろう。言っておくが生殺しになるのはお互いさまだ」
「……お互いさま、か。そりゃ、ここまでやって言うべきだろ」
「えっ、あっ、こら、よさんか! んっ!」
俺の動きを止めようとした敬人の手を押さえて、素早く敬人のスカートをたくし上げ、下着を下ろし、クリを狙ってキスする。
なるほど、生殺しと言った理由が分かった。
フェラした時に多少はこいつも興奮したらしく、少し固くなっていたそこを一舐めだけして、元通りに下着を戻して、スカートも下ろす。
出来れば、多少濡れていただろう場所も刺激してやりたかったが、そこは後のお楽しみってやつだ。
眼鏡の奥の少し潤んだ目が睨み付けてきたが、そんなのが今更俺に効果なんざあるわきゃねぇ。
しいて言うなら、可愛い女房がより可愛く感じるぐれぇの効果だ。
「ってわけで続きは今晩な」
「……度し難い」
俺の手を振りほどいて、先にキッチンに向かった敬人の背を見ながら、もう、明日は何が何でも午前中の休みを確保して、今夜は思う存分こいつを抱こうと決意した。
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