夢ノ咲卒業後、紅月の活動を続けつつ、付き合っていて同棲しているのが前提の紅敬。
日本酒のCMをやった紅月の話。こんなCMみてみたい。(私が)
2018/05/27の紅敬ワンライで書いた話です。
前にもお酒絡みのネタ書いてますが、割りとどのカプでもお酒の話を書きたくなる程度にはお酒を使ったネタが好きです╭( ・ㅂ・)و ̑̑
初出:2018/05/28
文字数:1642文字
「先日から放映されている日本酒のCM映像についてだが、中々評判がいいらしい。売れ行きも上々だそうだ」
事務所での打ち合わせの席で、ふと旦那がそう話を切り出した。
二ヶ月ほど前に紅月で日本酒のCMを撮りたいというオファーがあって、全員成人もしたから問題ないだろうと撮影したのが一ヶ月前。
夏の終わりを想定し、全員浴衣姿になって縁側で酌み交わすってシーンだったが、硬派を全面に押し出し、あまりプライベートを垣間見せることをしない紅月の日常のワンシーンを切り取った感のある様が好評らしいとは、俺もネットをチェックして知っていた。
評判だけでなく実際に売れ行きも良いってなら、こっちとしても一安心だ。
「あれか。そういや、妹も良かったっつってくれてたな。特に旦那が庭で螢を見つけて破顔するとことか新鮮だったってさ」
「うむ。あのシーンの蓮巳殿は男前だったのである! 我もしーえむを見たが、真よき場面であった」
撮影当時も旦那良い顔してんなと思ったが、映像で見ても凄ぇ良かった。
恋仲ならではの欲目抜きでも、あれはイチコロだと思ったし、俺が見た評判でも蓮巳の笑顔について触れているやつが圧倒的に多かった。
「何だ、二人揃って。まぁ、それはともかく。今回のCMの評判がいいということで、冬に発売予定の新作もぜひCMを担当して貰いたいという話が来ていたから、引き受けておいた。あと、これは今回CMをやった酒と、冬の試作品だそうだ。少し重いが持って帰ってくれ」
そう言って蓮巳がテーブルの上に紙袋を三つ置く。
それぞれに数本ずつ小さめの酒瓶が入っていた。
「簡素なラベルのものが冬の試作品だ。こっちは出来れば感想も貰えると有り難いと」
「おおお」
「有り難ぇ。こりゃ、しばらく晩酌には困んねぇな」
CMの話が来た時にも酒を貰ったが、すっきりとした飲み口であまり日本酒を飲んだことがなかった俺でも飲みやすかった。
早速、今晩にでも飲んでみてぇな、つまみは何作ろうなんて思っていたら、部屋のドアをノックする音が聞こえ、事務所のやつが顔を除かせてきた。
「打ち合わせ中にすみません。神崎さん、ご実家からお電話です」
「む。そういえば、今日はすまほの電源を入れ忘れていたのである! かたじけない。では少々席を外させて頂く」
一応、スマホを持ってはいるもののあまり扱いが得意でないのもあって、神崎はこういうことがままある。
何度か俺と旦那で扱い方を教えたりはしたんだが、最近は事務所のやつも慣れっこになったらしく、神崎に対してスマホのことをとやかく言わなくなった。
事務所にいたり、俺たちが一緒にいたりする時は、こうやって対応も出来るしな。
神崎が部屋を出たところで手を伸ばして、旦那の手を軽く握る。
他に人がいないからか、旦那も軽く握り返してきた。
「今晩、早速こいつで晩酌するのはどうだ?」
「いいだろう。いっそCMと同じように浴衣も着て飲むか?」
「おう、そりゃいいな。CMの時は実際には飲まなかったけど、今日は色っぽい旦那が拝めそうだ」
CMの映像は凄ぇ良かったが、あれはあくまでも日常のワンシーンっぽさを演出した作り物だ。
俺は実際に酒が入って、あれよりも何倍も色っぽくなる旦那を知っている。
顔と言わず、全身がほんのりピンクに染まる様は、本当にたまらねぇ。
二人きりの時限定だが、酔いが回ると甘えてくるのも可愛いもんだ。
他人には絶対に見せられねぇ、俺しか知らない蓮巳の姿。
「それはお互いさまというやつだ。鬼龍も酒が入ると中々に艶っぽくなるからな。貴様にはイマイチ自覚はないようだが」
蓮巳が一旦指を解いて、俺の手首に指を這わせ、脈打つ場所を緩く引っ掻く。
表情は変えず、しれっとしたようには見えるが、こりゃ晩酌の後についても誘ってんだなと察した。
どうやらリビングで飲むより、寝室に酒とグラスを持ち込んで飲む方が後々のために良さそうだ。
部屋の外から戻ってきた神崎の足音が聞こえてきたところで蓮巳の指は完全に離れたが、続きは後でなという小さな呟きには短い返事をした。