副読本の花帰葬大辞典に記載されていた『玄冬の部屋のアレの下には~』が元ネタ。
初出:2004/09/16
文字数:335文字
「……またか」
眠りにつこうとして、微妙に枕に頭を乗せた時の違和感に気付き、
枕の下に手を伸ばすと、きわどい格好をした女性の表紙の本。
時折、黒鷹が遠出したついでに、買ってくるのをここにいれるのだ。
大して興味はないと言っているのに……いや、だからこそだろう。
半ば、あいつも面白がっているだけなのだ。
「仕方のないやつだ」
本をぱらぱらと形だけめくると苦笑が零れた。
処分にも困るんだが、黒鷹はそれも承知の上で置いていってるに違いない。
とりあえず、寝台の下においておく。
もう何冊こうやって溜まっただろうか。
こりないな、あいつも。いや、それは俺もか。
なんだかんだ言っても、楽しんでいるのだから。
そんな穏やかな日常が過ごせていることを。
さて、寝台の下の本はあと何冊溜まるんだろうな?
かなり短いのは、Web拍手用にしていたというのもありますが、諸事情で衝動的に作ったという流れから。
本ネタはもうちょっと突き詰めて書きたかったなぁ、今更ですが。