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うつむいた背中<花帰葬・黒親子>

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『Kfir』が配布されていた『”好きすぎる人”との10題』からNo5。

一日一黒玄で書いていたものの一つ。

初出:2005/07/29

文字数:323文字

 

一瞬どう声を掛けようかと思った。
黒鷹なのに、ちょっとだけ知らない人に見えたから。
うつむいて、何か考え事してるみたいで、背中が寂しそうに見えたから。

「黒鷹?」
「……ん? ああ、起きたのかい。目が覚めちゃったかな?」
「ん……。ね、黒鷹」
「うん?」
「寂しいの?」

だからそう言った。
そうしたら黒鷹の目がちょっとだけ怖くなった。

「……どうして?」
「なんと……なく。その、ごめんなさい」
「おかしな子だね。どうして謝るんだい?」

そういって俺を抱き上げてくれた黒鷹は、もういつもの黒鷹だったけど。

「目が覚めてしまったなら、何かお話をしようか」
「うん……」

それでも、寂しい、寂しいって言ってる気がして。
ぎゅって首に抱きついた。
寂しくないよ。
俺はここにいるから。ね?

 

どうも玄冬が小さいころを書こうとすると、高確率で春告げの鳥話になりがち。
どんだけ好きなの、あのルートw

 

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