birdieで最初に書いた小説。同軸リバですので、ご注意を。
初出:2003年頃
文字数:2824文字
「あぁ、さすがに千秋楽はこたえるなぁ」
俺の部屋に入るなり、きょーいちがそう言って、どさりとマットレスの上に寝っころがった。
「ちょっと、そこ俺の寝るとこなんだケド」
「いいじゃない。少しくらい休ませてよ。疲れてんだからさ。 あーあ、俺もそろそろ年かなぁ」
「思ってもないくせに、よくゆーわね」
「なんだ、謙遜だってばれてるんだ」
「そういうの、謙遜って言わないと思うわよ」
だって、そもそも謙虚な人じゃないモンネ、このおにーさんは。
根本的に日本語間違ってマス。
きょーいちは今日まで本業のバレエダンサーとして、一年近く公演やってた。んで、今日がその千秋楽。
千秋楽っていうのは後のスケジュール考えなくていいから、大概、残ってるパワー全力注いじゃうもん……ラシイ。
俺はあんまりそゆこと考えないけど、和也とかなんか、すごいあからさまにわーって感じになっちゃうからネ。なんとなくわかる。
きっと、きょーいちも一緒なんだろうなってオモウ。
「まぁ、ちょっと寝てたっていいけど。少し休んだら場所開けてヨネ」
俺は、きょーいちが差し入れで貰ったっていうワインを飲もうと、マットレスにちょっとだけ背中預けて、床に置いたグラスに注ごうとして……後ろからくいって髪引っ張られた。
「何よ?」
「……一緒に寝よ?」
振り向くときょーいちが、上半身だけ起こしてこっち見てた。
「……一つ聞くけどさ」
「うん?」
「その「寝る」っていうのはー、おとなしく一緒に睡眠とるってコト? それとも、一緒にセックスしましょってコト?」
「後者だよ? 当たり前じゃない」
当たり前と来ましたか。
あんた、疲れてるって言わなかったっけ?
「……ふつー、部屋に入る早々、寝っころがるほど疲れてるなら前者じゃないんでしょーか」
「うん、疲れてる。だから君が俺を抱いて?」
あ、そ……。そう来るんだ。
「自分で動くのはしんどい。けど、あんたはしたい。だからそういうコト?」
「うん」
「おとなしく眠ろうとは思わないんですカネ、おにーさん」
「どうせなら、発散した方がすっきり眠れるじゃない。そっちのほうが効率いいでしょ?」
「どーかしらねー……」
何度かそうやって、入れ替えてヤってるし? 別にヤなわけじゃないけど。
「きょーいち。明日仕事は?」
「一日休み。喬志くんもそうでしょ?」
「なんで、知ってんの」
「雅人に聞いたもの」
「ふーん……まぁ、イイケド」
休みなら、いっか。おにーさんのご希望にそってあげましょ?
キスしようと顔近づけたら、きょーいちの方から抱き寄せられた。
「ん……」
いきなり唇こじ開けて、舌入ってきた。
しばらく絡みあった後、口離して、きょーいちがニヤって笑った。
「抱いてくれるの?」
低い声で囁くよーにゆわれて。……わりとその気になった。
思うんだけど、この人、誘惑ってーの? そゆの上手いよね。
声なんて聞きなれてるはずなのに、ぞくってきちゃう。
こーやって今までの相手もおとしたんだろーね、あんたは。
「いーよ。ご希望どおりにしたげる」
そやって、ゆったげるときょーいちってば、まじで嬉しそうな顔になった。
***
「ん……あぁ……」
「やっ……ちょっと……締めないで……よ」
きょーいちが、後ろからがいいってゆったから、後ろからシテるわけですが。
けっこーきつくて、イッちゃいそうになる。
そもそも、前からするのと、ちょっと感触違う。
いれる前は引き締まったおしりとか、綺麗な筋肉のつき方してる足がきれーだなーって余裕で見てたんだけど。
これ、まずくないかなぁって思うわけで。
だから、すぐには動かないで手を前に回して、きょーいちの触った。
繋がったトコに振動、びくってくる。
うん、耐えらんないほどじゃ……ないカナ。
「ちょ……喬……志」
「疲れてるとイキにくいでしょ? だから、しばらく動かないで触ってたげる」
「ん……!」
ホントは自分がやばそーだからだけど。
実際、きょーいちの普段に比べて、硬くはなってるけど、ちょっと元気なさそーだったから、自分でスルみたいに扱いてみた。
……ん、ちょっと元気でてきたかな。
「ね……喬志……」
「んー?」
「動いてよ……突いて。そっちの方が……いい」
また、この人はそんな色っぽい声でそゆこといって。
「……確信犯じゃなくてもハンザイレベル……よね。それ」
「何……が?」
「なんでもありませーん」
「あ……はぁ……っ……」
まだ前は触ったままにして、ちょっとこっちも落ちついたから、少しだけ動きはじめた。
……自分で征服欲とかそんなんないとか思ってたんだけど。
もっと声上げさせたいっていうのも、そーゆーうちにはいんのかしら。
「気持ち……いい……」
きょーいちの声に後押しされるように、こっちもどんどん腰が動いてく。
ちょっと角度変えてついたら、きょーいちの背中がびくって震えた。
「……あれ? ここ?」
「くっ……うん。そこ……けっこ……ヤバイ」
前でするのとは違う、きもちいーとこ見つけた。
そこ、どんどん突くときょーいちが呻いて、手がシーツをぎゅって掴んだ。
そか……そんないいんだ。気付いたら、こっちもピストン強くなってた。
「く……あ…………っ……なん……かイキ……そ……」
擦れた声できょーいちが言った。
「ん……俺も……も、ダメ……かも……っ」
「あ……っ…………」
きょーいちのなかがぎゅって締まって、びくって震えて。
……一瞬、イシキ途切れて、きょーいちのなかに出した。
「は……」
そのまんま、きょーいちにぐでって寄りかかると、きょーいちもマットレスにうつ伏せた。
「……シーツ、汚れちゃった」
「あー……そうね、あのカッコじゃね」
俺、イクとき夢中できょーいちの触ってなかったけど、考えたらきょーいちが後ろからするときって、大体俺のを手で受け止めてたっけーとイマサラながらに、気がついた。
「どうせ、洗うからいいわよ。……にしても、やっぱし、こっち、やんのツカレルわ」
きょーいちの首筋にちょっとキスしてゆったら、きょーいちがくくって笑った。
「最初のときもそう言ってたよね、君」
「だって、ホントにツカレルんだもん。あんた、よく平気よね」
「基本的に抱く方が好きだからね。でも……」
「でも?」
「喬志に抱かれるのも俺は好きだよ」
「……ホント、あんたってせっそーなしね」
そうやってゆっても、くすくす笑うだけだもん。
はいはい、あんたはそーゆう人ヨネ。
「喬志」
「なーによ」
「また、抱いてね?」
「気がむいたら、考えとくわ」
「うん、それでいいよ。明日は俺が抱くからさ」
「……明日もヤル気? あんた」
なんてーか……ホント絶倫よね、おにーさん。
「ダメ?」
「気が向いたら、ネ」
普段は恭喬ですることが多い二人が喬恭でする話。
初っ端から同軸リバで書いてたの趣味が出てるな……w
まぁ、原作ゲームのbirdieが受攻自由自在だったのもあるけども。
ここの組み合わせはbirdieでは群を抜いて好きなんですが、書くには難しい二人だったなぁと。
喬志視点だと言葉遣いが独特なのでしんどく、恭一視点だと書きやすいけど、言い回しがこっぱずかしい、みたいな人達なんですよね。
ところでこれ書くために読み返して、恭一が最近好きになったまほやくのフィガロとも被るなと気付きました。
やっぱり趣味ってそうそう変わらないんだな……www
フルバのぐれさんは割とTwitterでも似てる旨のツイート見かけたけど、この人も傾向近かったわ……。
(試しに検索したら一件見つけて、だよね、わかるってなった)
タグ:birdie, 恭喬前提喬恭, 恭喬, 喬恭, 同軸リバ, R-18, pixivUP済, 500~3000文字, 喬志視点, 2003年