当時存在していた裏サイト用のWeb拍手でしたが、別にエロくも何ともないので表で良かった……w
初出:2003年頃
文字数:972文字 裏話は特になし。
「…………ん……?」
鳴り響く携帯の着信を知らせるメロディーに目が覚める。けど、このメロディーはおれのじゃない。
隣に眠る相手のそれは、持ち主に止められずに鳴り続ける。
「喬志。電話。鳴ってるよ?」
まだ眠ってる彼をそっと揺り動かしてみるけど、当の本人はちょっと目を開けただけで、またすぐに眠りの世界に入ろうとする。
「いいの? 仕事の電話かも知れないよ?」
「ん~……んぁ?……あぁ、いーよ……これ、ひーらぎさんだし」
「……それじゃ余計でなきゃダメじゃない」
やれやれ。雅人も大変だね。
ちょっとだけ同情すると、おれは喬志の携帯を手にした。
表示された名前と番号で、確かに相手が雅人なのを確認して電話に出る。
「はーい。グッモーニン、雅人」
「……俺は神沢の携帯にかけたつもりだが?」
やだなぁ。そんな不機嫌な声ださなくてもいいと思うけど。
「いいじゃない。雅人だって確認してから出たんだもの。どうしたの? 仕事の話? 喬志ならまだ寝てるよ?」
ため息のあとに少しの沈黙。
「……神沢に伝えろ。今日の仕事はクライアントの都合で中止になった」
「あれ? じゃ、もしかして今日は喬志は一日オフ?」
「そうなるな」
ついてる。おれも今日はオフだから、ずっと二人でいられる。
「……言っておくがな。神沢は明日早朝ロケだ。 支障を出させるようなことはするなよ」
「大丈夫。わかってるって」
「お前のわかってるっていうのが信用できないから言ってるんだ。 じゃ、神沢にも明日のロケは忘れるなと言っておけ」
切れた電話に苦笑する。……やれやれ。信用ないったら。
「たーかし」
「んー……?」
「今日、休みだって。仕事」
「……聞こえてましたー。だからもうちょっと寝るんだからさわんないデヨ」
キスしたのに、撥ね退けられて、背中向けられちゃった。
昨夜の名残のまま、何も纏っていない素肌。
未練がましく肩口に軽く口付けを落としたら、肘で小突かれてしまった。
……つまらないなぁ。
「だめ?」
「だーめー。起きたら相手してあげっから」
「……ホントだね?」
「んー……」
小さく呟くと、結局喬志はまた眠ってしまった。
まぁ、いいや。お楽しみは後でってことで。
待たせた分も利子をつけてね。
起きなかったこと、後悔しても知らないよ?