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真由誕その1<月刊少女野崎くん・みこまゆ♀>

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真由誕その1。ほのぼのしてるみこまゆ♀。

みこまゆ♀初書き。FBに掲載されていた没ネタの真由ちゃん可愛い(*´∇`*)

初出:2015/08/09

文字数:1554文字 裏話知りたい場合はこちら

 

「あれ? 野崎は?」

 

今日はアシスタントに入る日だったから、野崎の家に来てみたが、野崎本人はいない。

部屋で寝っ転がりながら、一人黙々と俺の漫画を読んでいたのは、時々ここに来ている野崎の妹の真由だった。

 

「お帰りなさい、実琴さん。兄さんなら、ちょっとコンビニまで出てます」

「お、そうか。ま、じゃ待たせて貰う……って、何でお帰りなさいなんだ?」

 

いらっしゃいっていうのなら、まだ分かるけど。

 

「だって、実琴さん、私が来ている時には絶対いますし、兄さんのところにこれだけ私物もありますし、もうお帰りなさいでいいかなって」

「いやいや、そりゃ、俺のものここに色々置かせて貰っているし、第二の家っていや、そんな感じになりつつもあるけど、お帰りなさいってのも何かおかしくねぇ?」

 

確かに野崎のところは勝手知ったる他人の家って感じだし、今更改めて何かを持ち込まなくても、そのまま数日泊まっていける位には、俺のものを色々と置いてあるのは事実だ。

漫画やフィギュア以外にも生活用品になる歯ブラシやら、ちょっとした着替えやらがある。

大体、真由が今読んでいる本も、さらに寝っ転がるのに枕にしている本も俺のものだ。

野崎のところに置いてある本は、大半が特典狙いの複数買いで購入した本だから、多少皺になったり、傷んだりしてもあまり気にしねぇけど、真由は俺と会う度に遠慮がなくなってきているような気がする。

一応は俺、こいつの先輩ってなるんだけどなぁ。

 

「でも、実琴さん、そういうシチュエーション好きなんじゃないですか? 今読んでる本も、この前借りて読んでいた本にも、同居はしてないけど、通い妻状態になってて、通い先の相手にお帰りなさいって言われるのがいい、っていうような内容だったし」

「いや、そりゃ勿論嫌いなシチュじゃねぇし、寧ろ好きな部類になるけどよ。その話の流れで行くと、通い妻って俺になるんじゃねぇの?」

「違うんですか?」

 

特に疑問もないというような表情でさらりと言う真由に、こっちの方が慌てる。

 

「いやいや、家に通ってはいるけど、妻じゃねぇし、そもそも相手野崎だぞ!? 妻も夫もねぇだろ。男同士で何でそうなんだよ。大体、料理作ったり、掃除したりして、妻っぽいことしてるってなったら、野崎の方だろ!?」

 

あまり大声では言いたくないが、最近、俺の腹やら足やらに余分な肉がついたのは、野崎が甲斐甲斐しく美味い飯を作ってくるせいだ。

 

「そうかも、知れませんけど……兄さんが妻っていうのも、ちょっと妙な感じですね」

「だろ? だから――」

「じゃ、私ならどうですか」

「あ?」

 

言われたことが唐突すぎて、頭の中で今の言葉の内容が処理出来ない。

私ならどうですかって、それは真由が妻ならっていうことか?

 

――お帰りなさい、お茶いかがですか?

 

つい、先日プレイしたギャルゲ―のエンディングの最中に、結婚したヒロインが、夫になった主人公に向かって言った台詞が脳裏を過ぎる。

あれを想像したら、ちょっとドキドキするものがある。

ああいうの考えたら、悪くねぇな。

なんて、こっちは思っていたのに。

 

「というわけで、お帰りなさい、実琴さん。せっかく立っているので、妻にお茶を淹れて持ってきて下さい」

「…………おまえ、喉渇いたけど、立ってお茶淹れるのが面倒だっただけだろ」

 

色んな意味でがっくりくるような台詞が帰ってきた。

大体、年頃の女がいくら兄貴の家だからって、制服が皺になるのも構わず、寝っ転がってるってどうなんだよ、これ。

……仕方ねぇなぁ。

お茶は俺も飲みたいと思っていたからいいかと、大人しくキッチンに行って、電気ケトルでお茶用のお湯を沸かす。

振り回されてる気もするけど、まぁ、いいかって思いながら、もうじき帰ってくるはずの野崎の分も含めて、三人分の湯飲みを出した。

 

 

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