診断メーカー、まゆみこでやった3つの恋のお題に出て来たのが可愛かったので書いた話。
何度かやった当時、まゆみこのは結構可愛いのが多く出て来たような覚えが。
初出:2015/02/20
文字数:697文字 裏話知りたい場合はこちら。
――俺、一度眠ると、中々目が覚めないんです。
なんて、本人が申告していた通り、俺の隣で眠っている真由は全然目が覚めそうな気配がない。
くそ、こっちは真由の吐息やら、身じろぐのやら、一挙一動に動揺して眠れねぇでいるってのにいい気なもんだ。
「気持ち良さそうに寝てんなぁ……」
俺も身体は疲れてんだから、とっとと寝ておきたいとこなんだが、考えれば考えるほど目は覚めていく。
既にカーテンの隙間から朝日が零れ始めていて、今から寝られても睡眠時間がたかが知れてはいるけども。
「あー……もう」
「実琴……さん」
「ん? あ、起こしちまったか?」
呼ばれた声にちょっと慌てて真由の方を見るも、相変わらずだった。
何だよ、ただの寝言か。
どんな夢見てんだか。
とはいえ、起こすつもりは流石になかったからほっとする。
真由の方に背を向けて、どうにか少しでも眠ろうと目を瞑った瞬間――真由の腕が俺の方に伸びてきて、抱き寄せられた。
「え、ちょっと、おい」
「ん……離れちゃダメですよ、実琴さん……迷子に……なっちゃいますから」
虚ろな声がそう呟いて、まだ真由が夢の中の住人だっていうのを示している。
……ったく、迷子って何の話なんだか。
「ちゃんとここにいるっつうの……」
抱き寄せられた腕の中にそのまま収まっておくが、さっきよりも近くなった体温で余計眠れそうにない。
頭にも軽く吐息がかかってくるし、心臓の音も聞こえるし。
心地良く感じる一方で、こっちのドキドキが収まらない。
「……おまえが起きた後、俺が寝ても文句言うなよ」
やっぱり眠ったままの真由からは返事がなかったが、軽く真由の背中をぽんと叩くと微かに笑ったような気がした。
タグ:月刊少女野崎くん, まゆみこ, サイトのみ, 500~3000文字, 御子柴視点