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4巻の都&まゆみこのネタから<月刊少女野崎くん・まゆみこ>

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4巻での都さん&まゆみこ。いぷで貰ったネタにより、都さんがほんのり腐女子なやつ。

初出:2015/03/19

文字数:1822文字 裏話知りたい場合はこちら

 

――じゃあ俺も身体で払います。

 

そう言って、真由が勢い良く脱いで、上半身裸になった時は焦ったが、結局都さんも真由をデッサンし始めた。

そりゃ、本人達が良ければ問題ねぇだろうが、俺が原稿に花束を書いている間に、都さんが嬉しそうに真由にポーズの注文をつけて、様々な格好をさせ、二人で妙に盛り上がってしまっているのに、疎外感を感じる。

どうにも納得いかねぇ。

とりあえず、手を付けていた花束を描き終わったところで、二人に声を掛けた。

 

「こっちが作業してる傍で、二人でそんな盛り上がられてると何か寂しいんすけど」

「あら、じゃ、御子柴くんもモデルやってくれる? そうだ! どうせなら、真由くんと絡んでくれないかしら。やってくれるなら、二人でならではのポーズを描きたいんだけど」

「は? 絡む?? どういうことっすか?」

 

ポーズというからには、話で絡むって意味じゃねぇだろうし、何て思っていたら、真由にぐいっと腕を引っ張られた。

 

「こういうことですか?」

「うわっ!」

 

バランスを崩して、床の上に引き倒され、危うく真由の身体にぶつかるところだった。

が、どうにかぶつかるのを押しとどめたにも関わらず、真由の方から俺の背中に腕を回して、引き寄せようとする。

 

「おい!」

「そうそう、そんな感じ! あ、でも真由くんが下になっているより、御子柴くんが下になっていた方がいいかなー。好み的に」

「はぁ!? どんな基準すか、それは……うわ!」

「こうですか?」

 

さらに真由が動いて、俺の肩を抱くようにしながら、こっちの身体をひっくり返す。

気付いた時には、真っ正面に真由の顔、そしてその向こう側には天井が見える状態になった。

待てよ、一体今何が起きてんだ、これ。

これだけ近いと、ホントこいつしっかりした筋肉ついてるのが分かるな……じゃなくって!!

真由は上半身裸だし、俺は今動いた拍子でTシャツの裾がめくれて、腹が見えてるしで、若い女の前でする格好じゃねぇ気がする。

なのに、こんな体勢になった途端、都さんがあからさまに目を輝かせた。

 

「それ! その状態で描かせて! あ、真由くん。御子柴くんのそのTシャツの裾から手を入れて貰える?」

「はい」

「何、言ってるんすか、都さん!? おまえもはい、じゃねぇだろ、真由! わ、ちょっと、手どけろって!!」

 

本当に躊躇いなく、めくれたTシャツの裾から真由が手を突っ込んで来た。

慣れない場所を人に触られるのと、真由の手のひらから伝わる体温に思わず身体が竦む。

ちょっと待てよ、本当にどんな状況なんだ。

遠慮無しにあちこち触ってくる真由に、どんな反応をしたらいいのか分からない。

何か、変な気分になってきそうだ。

 

「……実琴さん、あんまり筋肉ついてないんですね。華奢で何か女の人みたいです」

 

ご丁寧に真由は顔を近づけて、俺の耳元でそう囁いてきた。

まるでキスさえ出来そうな距離だ。

微かに都さんが、ああ、この構図!とか何とか呟いたのが聞こえる。

 

「はぁ!? そりゃ、おまえほどは筋肉ついてないだろうけど、ちゃんと生まれた時から男だっつーの!! 何だよ、女の人みたいって!」

「ちょっと、二人とも動かないでってば! 筋肉ついてなくたっていいじゃない、寧ろその方が差が出て、描くのが楽し……あ、ううん、何でも無い」

「今、何て言いかけました!?」

「いいのいいの、何でも無い! あ、御子柴くんはそのまま服着てていいから!」

 

都さんが慌てて、スケッチブックの上に視線を戻して、話をスルーしようとする。

冗談じゃねぇぞ。

真由が腹しか触っていない、そして腹しか見えてない状態で筋肉ついてないって言われるのも釈然としない。

そりゃ、柔道部の真由みたいには行かねぇけど、女の人みたいだなんて言われるほどじゃないはずだ。

 

「ふざけんなよ!! それなら……っ」

 

真由の身体を強引に押しのけて立ち上がる。

その勢いのままにYシャツを脱ぎ、中のTシャツにも手を掛けた。

脱いで筋肉がないわけでもないってのを証明するつもりで。

 

「俺だって脱いでやるよ!!! ほら、よく見やが」

「みこりん?」

「何してんだ?」

「れ…………って」

 

そうして、脱いで上半身裸になったところで、何故かその場には居なかったはずの野崎と佐倉の二人と目が合った。

しばし、全員一言もなく、ただ沈黙が流れる。

 

「……みこりん、何があったの」

「…………俺が聞きてぇ」

 

ややあって、呆然としたままに問いかけてきた佐倉に、俺もそう返すしかなかった。

 

 

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