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眠るなら一人が良い<月刊少女野崎くん・野堀野・R-15>

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事後ネタでただの痴話喧嘩してる野堀野。

同軸リバ関係だと分かる表現が含まれますので、それでも大丈夫な方で。

※今回の話は野堀でいちゃついた事後。

2015/09/13のワンライで書いた話です。

初出:2015/09/13

文字数:1758文字 裏話知りたい場合はこちら

 

「……野崎。何やってるのか、聞いていいか」

「資料の作成です」

 

気怠さと疲労で半分寝ぼけた頭は、不意に聞こえ始めたシャッター音で意識がクリアになっていく。

パンツ一丁で部屋のあちこちに移動しながら、デジカメで写真を撮っている野崎にそう問いかけると、特に悪びれもせずにそんなことを言ってのけた。

シャッターを切る手を止める気配もない。

まだ、先程の情事の名残は部屋のあちこちに色濃く残っている。

ローションのボトルは出しっ放しだし、ゴミ箱の中に使用済のゴムこそ突っ込んでいるものの、ゴムの包装は枕元に残されたままだ。

ちらっと腕を上げると、まだ色濃く残っているキスマークが目に入る。

自分じゃ見えないが、首筋や肩にもあるはずだ。

そんな状態だからこそ、こいつは今のうちに資料用として、色々撮っているんだろうが、撮られる方はたまったもんじゃない。

ちょうど、俺の方にカメラが向いた瞬間、がしっとその腕を掴んで、その掴んだ腕を支えに身体を起こす。

腰に鈍い痛みが走ったが、今はそれには構わずにおく。

 

「やめろっての! おまえには恥じらいってもんがねぇのかよ!」

「いや、先輩なら大丈夫かと思いまして」

「いつ、俺が撮っていいっつった! そんなんしてると、俺がおまえを抱いた後にも撮りまくるぞ!?」

 

野崎とのセックスは、時々、気分で挿れる役割を変えているが、やっぱり受け入れる側の負担が大きくなるから、野崎が受け入れる側に回った時は、こいつでも二回に一回は直ぐに寝落ちている。

だから、そう言ってみたが。

 

「えっ!? 撮ってくれるんですか、助かります! 自分が受け手に回った時のもどうにか撮ってみたかったんですが、流石にしんどくて断念していたので」

「…………言った俺がバカだったわ」

 

仕返しになるわけがなかった。

流石、漫画の資料となるなら、大抵のことは躊躇わない男。

ある程度分かってて付き合っているつもりだけど、期待に目を輝かせて応じられると溜め息しか出て来ない。

これさえなければなぁ。

野崎の腕を掴んだまま、もう一方の空いた手で枕を思いっきり野崎の顔面に押し当てる。

 

「わっ」

 

その拍子に野崎の持っていたカメラがベッドの上に落ちたから、野崎の腕を放し、そのままカメラを手に取って、中を確認していく。

撮ってるのは今日が初めてじゃねぇだろうって、予測はしてたけど、収められていた写真のファイル数は想定していた量の倍どころじゃなかった。

ご丁寧にところどころ、同時に記したんだろうメモも写してあって、余計な解説まで混じっている。

画像にも結構ヤバいアングルのものも混じっていて、これ万が一他人に見られたらどうなんだよと血の気が引いた。

 

「……おい。おまえ、今までに何枚撮ったんだ」

「え、あ、その趣味と実益を兼ねて」

 

察しちゃいたが、単純に資料用としてだけでなく、オカズとしても利用していたらしい。

つい、溜め息が口をついて出る。

 

「消すぞ」

「あ、ちょっと先輩!」

 

野崎が制止する声は無視して、そのままデジカメの中の画像を一気に消した。

少なくとも今日の分はこれで消えたはずだが、多分、これまでの分はパソコンの中なり、USBメモリや、メモリーカードにバックアップがあるはずだ。

野崎があまり慌てていないのが、その証拠だろう。

 

「で、他はどこにある」

「言えません。大事な資料ですし」

「萎れたちんちんまで写しといて、資料も何もねぇだろ!? おまえの漫画でちんちん描くことなんて、まず有り得ないんだから!」

「あれは先輩が可愛かったんでつい。大丈夫です! 顔は写してません!! セーフです!」

「そういう問題じゃねぇよ!!!」

 

セックス後の気怠さと疲労が倍になった気がする。

ベッドから身体を起こして、床に落ちたままの状態だったTシャツとパンツだけ拾って身に着け、部屋を出て行こうとすると、野崎が追ってきた。

 

「どこ行くんですか」

「向こうの部屋に行って、一人で寝てくる。もうセックスの後はおまえと一緒に寝ねぇ。今決めた」

「そんな! 寂しいじゃないですか! 終わった後の人肌の触れ合いって大事だと思うんですけど!」

「終わって早々、資料だっつって、一人であちこち撮影してたおまえが言うな!!」

 

軽くしか後始末していないから、まずはシャワーを浴びることに決め、野崎を無視して部屋を出た。

 

 

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