お絵かき会でのテーマというか、ちょうどエイプリルフール当日だったのでそれで書こうということでこうなりました。
一応、CP要素なしのつもりで書きましたが、ほんのりほりかしみこっぽいとこはあるかと。
御子柴の推しが実際にああいうポーズを取っているのかは知りませんが(未プレイ勢なんで)想定したってことで一つ。
単に私が見たいだけの光景ともいいますw
二人ユニットのアイドルで鹿島くんとお揃いの衣装を着ている御子柴とか良いなぁと思っていたら、まさにその鹿島くんが御子柴と色違いの衣装を着ているイラストを他のお絵かき会参加者さんが描いてらしてニヤニヤしました。
執筆時間およそ一時間。
初出:2018/04/01
文字数:1531文字
イケメンってやつはやっぱりどんな衣装を着せても映えるもんだ。
今日、鹿島と御子柴の二人に着て貰っているのは、アイドル風の衣装で、今度やる演目のポスター用の撮影なんだが、こりゃ人目を引くことは間違いねぇだろう。
鹿島は今更言うまでもねぇが、御子柴も中々にハマっている。
うちの学校でイケメン二人をピックアップしろと言われりゃ、この二人をあげるやつが圧倒的に多いはずだ。
最初は野崎にいつものように王子が活躍する話を書いて貰う予定だったんだが、野崎がアイドルも現代風王子みたいなものだと思いましてと勝手に内容を変えてきた。
が、目を通してみたところ、その話が結構面白かったし、いくら鹿島がハマり役とはいっても、確かに毎回王子ばっかりってのもアレかと、試しに演目として使ってみることにしたのだ。
あえて問題をいうなら、話に登場するアイドルは二人組。
いつもみてぇに相手役が姫とかメイドとかならまだしも、同格の立ち位置で鹿島と釣り合うやつとなると、俺としても御子柴以上にしっくりくるやつが思い浮かばなかったし、これを書いた野崎も鹿島と御子柴を想定して書いたらしい。
だったら、そのまま想定通りにやってみるかと、御子柴を言いくるめて衣装を着せてみたら、本物のアイドル顔負けの存在感だった。
感心しながら、いざシャッターを切ろうとしたところで、御子柴が頭を抱え込みつつしゃがんだ。
……こいつ、ホントこれがなけりゃ演劇部に正式入部して欲しいぐらいなのになぁ。
人見知りの性分が邪魔をして、どうしてもポーズや演技をした数秒後には恥ずかしくて居たたまれなくなるらしい。
撮影用にアイドルの決めポーズをしろと指定したが、撮る前に素に戻っちまった。
対して、御子柴の隣でやはり色違いのアイドル衣装を着た鹿島は堂々としたもんだ。
「やっぱ出来ねぇよ、アイドルのポーズってなんだよ、どうすりゃいいんだよ!」
「まぁまぁ。コンセプトがアイドルなんだから、御子柴がいつもやってるゲーム? あれに出て来る子ってアイドルなんでしょ? あの女の子のポーズとか真似すればいいじゃん」
「女のポーズを男が真似しても気持ち悪いだけだろ!」
「少なくともさっきのはそうでもなかったぞ。あれをもう数分、いやもう数十秒でももたせてくれりゃ、とりあえずは事足りるんだがな」
実際に舞台で演じるのはもう少し先だから、それは改めて特訓するなり、どうしても無理なら代役立てるなり出来るが、せめてこのポスター撮影だけでもどうにかしたい。
「ええー、藍子の格好かぁ? ……こんなんだけどありなんすかね」
御子柴がスマホでゲームを起動して、藍子とやらの画像を鹿島と俺に見せてきた。
ピースサインを顔の前でやって、ウインクを決めているそれは確かにアイドルらしさをアピールしているという点で特に異存はねぇ。
ちょっと頭ん中で鹿島と御子柴をそのポーズで並べてみたが。
「ありだろ」
「十分ありですよねぇ。いいじゃん、これでいこう。私も御子柴と対になるようなポーズとるからさ」
「ええ、マジかよ!?」
「そうそう、その藍子ちゃんとやらになったつもりでさ。ね? いくよ」
「藍子、藍子、藍子になったつもり……よしっ、こう、か?」
二人揃って、極上の笑みを浮かべてポーズを取った瞬間を逃さず、すばやくデジカメのシャッターを切った。
数回切った後、御子柴がまた悶えだしたがそれには構わず、撮ったばかりの画像を確認していく。
「おお、いいじゃねぇか。これ使うのにどうだ?」
「いいんじゃないですか? 私もポスターにするならこれでいいと思います」
「よし、決まりだな」
「……も、もういいっすか?」
「おう」
とりあえずはな、と心の中でだけ続けて、ポスターに使わねぇやつも自分用にとっておこうとこっそり決めた。